【中国トンデモ事件簿】水源に豚の死骸1万匹…でも逮捕者ゼロの不思議
2013.03.30(zakzak)

10日、上海市の黄浦江で豚の死骸を回収する清掃作業員(ロイター)【拡大】
中国上海市の水源の川、黄浦江で豚の死骸が大量に見つかった事件で、回収された死骸は1万匹を超えた。多くの市民の不安をよそに市当局は水質汚濁を一貫して否定、流出源とされた自治体の当局も原因の一部を認めただけで、発生から一カ月近い30日になっても、責任の所在は明らかになっていない。病死豚肉の流通疑惑や行政の不手際も相次いで浮上し、問題は混迷を深めている。
(田中靖人)
■隠蔽疑惑
中国国営新華社通信(電子版)が20日に配信した記事などによると、豚の死骸が発見されたのは5日。市の水上清掃員が約20匹を回収したが、黄浦江では毎年3千~4千匹の死骸が流れ着くため、上司に報告しなかったという。
だが、今回は死骸の多さに驚き8日になって関係部署に報告。同日には中国版ツイッター「微博」に写真が掲載されてネット上で広まったものの、上海市当局は10日になるまでメディアに情報を知らせなかった。記事は「情報発信の方法には改善の余地がある」と遠回しながら上海市の対応に疑いの目を向けている。
■「プールのハエ」
死骸の回収量は19日の段階で1万匹を超えた。大半は子豚で、一部から子豚が感染しやすい豚サーコウイルスが検出された。黄浦江は上海市の南東部4区の飲料水の水源に指定されており、給水量は市全体の22%に上るため、市民の不安は高まった。
このため、市の水道局は10日以降、取水口付近と水道水の検査結果を公表。「水質は国家基準に合致しており、大腸菌などは未検出」「豚サーコウイルスは人間には感染しない」と沈静化に努め、水道局の副局長自身が「(問題地域の)浄水場の水を飲んでいる」と強調してみせた。
だが、専門家の中には「プールにハエが数匹浮いているようなものだ。気持ちは悪いが、水質に影響はない」と“暴言”を吐いて反感を買う者も。さらに、「豚の死骸よりも、違法に垂れ流される多量の工場排水の方がよほど毒だ」と指摘する専門家も現れ、不安に拍車をかけた。
■犯人は誰?
死骸の大部分は“身元”を示す耳の標識が切り取られており、不法投棄の疑いが濃厚だった。上海市は残っていた標識17個などから、南東部に隣接する上流の浙江省嘉興市が流出源とみて調査を求めた。嘉興市は養豚農家13万戸が約730万匹を飼育する豚の大生産地で、ほぼクロとみられた。
地元紙の報道によると、同市は1戸当たり50匹以下の小規模農家が9割を占め、狭い豚舎で密集して飼うため衛生状態が悪く、大規模な養豚場と比べて豚の死亡率が高い。加えて2月の天候不順で多量の子豚が死亡、捨て場に困った多数の農家が黄浦江に流し続けた死骸が、3月の水温上昇で一度に水面に浮上したのが真相だとした。
だが、嘉興市の副市長は15日の記者会見で、大筋は認めつつも、耳の標識は「予防接種の際に付けるもので、その後、転売された可能性がある」と強弁し、流れ着いた豚すべてが嘉興市のものとは認定できないと責任を回避した。嘉興市の公安当局は17日、標識17個のうち8個が市内の農家のものだったとして、動物防疫法違反で8戸に各3000元(約4万6千円)以下の罰金刑を科すことを決めたが、「氷山の一角」にも及ばないことは言うまでもない。
■別の疑惑も
共産党機関紙、人民日報(電子版)は19日、事件に関する調査報道を掲載した。記事によると、浙江省には以前から病死豚を回収・加工して市場に出す闇ネットワークがあり、一定量の病死豚がそれによって“処分”されていた。ところが、昨年4月から規制が強化され、年末に3人が無期懲役の判決を受けたことから需要が急減。さらに嘉興市の養豚農家は、病死豚を正規に処分した場合に費用が補助される制度ができたことを知らされておらず、“無料”の不法投棄に走ったことが死骸が増えた原因の一つだとした。
疑惑の輪が広がる一方、責任を問われたのは農家8戸が軽微な罰金刑となっただけ。メディアには水質汚濁防止法など厳罰を伴う法規の適用を求める記事が出ているほか、ネット上では上海市や浙江省当局の責任を問う声が上がっている。
光の「カナタニ」行くぞ!
怖いネタが尽きない中国にあきれるばかりです。PM2.5の大気汚染、水質汚染、農薬汚染、添加物汚染・・・中国製品は最近は食品以外でも買うのが怖い感じがします。しかし、加工食品、調味料、酒の原料に中国製品が入っており、知らない間に食べてるのが実態です。中国、韓国の輸入食材には、徹底した検査体制が必要です。
FTAやTPPの推進により、今後、他国のさまざまな食材、食品が氾濫してきます。安全基準、検査基準の体制強化が望まれます。
2013.03.30(zakzak)

10日、上海市の黄浦江で豚の死骸を回収する清掃作業員(ロイター)【拡大】
中国上海市の水源の川、黄浦江で豚の死骸が大量に見つかった事件で、回収された死骸は1万匹を超えた。多くの市民の不安をよそに市当局は水質汚濁を一貫して否定、流出源とされた自治体の当局も原因の一部を認めただけで、発生から一カ月近い30日になっても、責任の所在は明らかになっていない。病死豚肉の流通疑惑や行政の不手際も相次いで浮上し、問題は混迷を深めている。
(田中靖人)
■隠蔽疑惑
中国国営新華社通信(電子版)が20日に配信した記事などによると、豚の死骸が発見されたのは5日。市の水上清掃員が約20匹を回収したが、黄浦江では毎年3千~4千匹の死骸が流れ着くため、上司に報告しなかったという。
だが、今回は死骸の多さに驚き8日になって関係部署に報告。同日には中国版ツイッター「微博」に写真が掲載されてネット上で広まったものの、上海市当局は10日になるまでメディアに情報を知らせなかった。記事は「情報発信の方法には改善の余地がある」と遠回しながら上海市の対応に疑いの目を向けている。
■「プールのハエ」
死骸の回収量は19日の段階で1万匹を超えた。大半は子豚で、一部から子豚が感染しやすい豚サーコウイルスが検出された。黄浦江は上海市の南東部4区の飲料水の水源に指定されており、給水量は市全体の22%に上るため、市民の不安は高まった。
このため、市の水道局は10日以降、取水口付近と水道水の検査結果を公表。「水質は国家基準に合致しており、大腸菌などは未検出」「豚サーコウイルスは人間には感染しない」と沈静化に努め、水道局の副局長自身が「(問題地域の)浄水場の水を飲んでいる」と強調してみせた。
だが、専門家の中には「プールにハエが数匹浮いているようなものだ。気持ちは悪いが、水質に影響はない」と“暴言”を吐いて反感を買う者も。さらに、「豚の死骸よりも、違法に垂れ流される多量の工場排水の方がよほど毒だ」と指摘する専門家も現れ、不安に拍車をかけた。
■犯人は誰?
死骸の大部分は“身元”を示す耳の標識が切り取られており、不法投棄の疑いが濃厚だった。上海市は残っていた標識17個などから、南東部に隣接する上流の浙江省嘉興市が流出源とみて調査を求めた。嘉興市は養豚農家13万戸が約730万匹を飼育する豚の大生産地で、ほぼクロとみられた。
地元紙の報道によると、同市は1戸当たり50匹以下の小規模農家が9割を占め、狭い豚舎で密集して飼うため衛生状態が悪く、大規模な養豚場と比べて豚の死亡率が高い。加えて2月の天候不順で多量の子豚が死亡、捨て場に困った多数の農家が黄浦江に流し続けた死骸が、3月の水温上昇で一度に水面に浮上したのが真相だとした。
だが、嘉興市の副市長は15日の記者会見で、大筋は認めつつも、耳の標識は「予防接種の際に付けるもので、その後、転売された可能性がある」と強弁し、流れ着いた豚すべてが嘉興市のものとは認定できないと責任を回避した。嘉興市の公安当局は17日、標識17個のうち8個が市内の農家のものだったとして、動物防疫法違反で8戸に各3000元(約4万6千円)以下の罰金刑を科すことを決めたが、「氷山の一角」にも及ばないことは言うまでもない。
■別の疑惑も
共産党機関紙、人民日報(電子版)は19日、事件に関する調査報道を掲載した。記事によると、浙江省には以前から病死豚を回収・加工して市場に出す闇ネットワークがあり、一定量の病死豚がそれによって“処分”されていた。ところが、昨年4月から規制が強化され、年末に3人が無期懲役の判決を受けたことから需要が急減。さらに嘉興市の養豚農家は、病死豚を正規に処分した場合に費用が補助される制度ができたことを知らされておらず、“無料”の不法投棄に走ったことが死骸が増えた原因の一つだとした。
疑惑の輪が広がる一方、責任を問われたのは農家8戸が軽微な罰金刑となっただけ。メディアには水質汚濁防止法など厳罰を伴う法規の適用を求める記事が出ているほか、ネット上では上海市や浙江省当局の責任を問う声が上がっている。
光の「カナタニ」行くぞ!
怖いネタが尽きない中国にあきれるばかりです。PM2.5の大気汚染、水質汚染、農薬汚染、添加物汚染・・・中国製品は最近は食品以外でも買うのが怖い感じがします。しかし、加工食品、調味料、酒の原料に中国製品が入っており、知らない間に食べてるのが実態です。中国、韓国の輸入食材には、徹底した検査体制が必要です。
FTAやTPPの推進により、今後、他国のさまざまな食材、食品が氾濫してきます。安全基準、検査基準の体制強化が望まれます。