米最高裁が規制をめぐる政府の権限を縮小させる画期的な判決 政府の権力乱用を許してきた「シェブロン法理」を覆し、「小さな政府」に向けて前進
2024.07.11(liverty web)
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《ニュース》
米連邦最高裁は6月末、曖昧な法律を政府が解釈できるとした法理(シェブロン法理)を無効にする判決を下しました。トランプ前大統領をはじめとする「小さな政府」を求める保守派は、約40年にわたって続くこの法理を無効にして、米政府の権限を縮小するよう主張してきました。
《詳細》
シェブロン法理とは、連邦法が曖昧だったり、明記していなかったりする場合は、裁判官は政府機関の解釈に従うという原則のことです。
訴訟は、政府の規則に不満を持つニシン漁師らが起こしました。米海洋漁業局は乱獲を防ぐために、船上に連邦監視員を派遣することがあり、その費用を漁業者に負担するよう規則で義務付けています。この規則を義務付けるにあたり、議会の承認を得る必要はありませんでした。
連邦法は、政府が監視員を船に同乗させることは認めていますが、費用の負担については明記していません。下級審はシェブロン法理を根拠に、政府の規則を容認。漁師らは最高裁に上訴し、同法理を無効にするよう求めたところ、勝利を手にしました。
最高裁は判決で、「裁判所は、政府機関が法定権限の範囲内で行動しているかについて、独自の判断を下さなければならない」「法律が曖昧という理由だけで、政府機関の解釈に服従するべきではない。シェブロン法理は却下する」と述べています。
シェブロン法理が覆されたことで、今後、裁判官は、政府の解釈に従う代わりに、自身の法律解釈に従うことになります。これによって、政府が法律を解釈して規則を定めるのが難しくなり、またアメリカ人の生活の幅広い分野に課されてきた規則を覆すことが事実上容易になると、米メディアは報じています。