米ロが主導する停戦交渉をゼレンスキー氏らが批判 しかし、船頭多くすれば停戦はズルズルと引き延ばされ、停戦する気がないゼレンスキー氏にも期待できない
2025.02.19(liverty web)
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《ニュース》
ウクライナ戦争の停戦交渉をめぐり、アメリカ・ロシアの外相率いる両国代表団が18日、サウジアラビアの首都リヤドで初めて協議しました。
《詳細》
協議には、アメリカからルビオ国務長官やウォルツ大統領補佐官、ウィットコフ中東担当特使が参加し、ロシアからはラブロフ外相とウシャコフ大統領補佐官が参加しました。協議は4時間半に及び、米ロ双方が今後の和平交渉における「高官級の交渉団を指名する」ことで合意したといいます。
またアメリカ側は、問題が解決すれば、「対ロ制裁」を解除する方針を示したことが注目を集めました。ルビオ氏は、「この紛争の結果として我々が発動した制裁措置がある」とした上で、「いかなる紛争も終結に導くには、すべての当事者による譲歩が必要だ」と述べました。
ルビオ氏は協議後、「今日の目的は、トランプ大統領が行った電話会談を受けて、意思疎通の手段の確立を始めることだった。作業はまだ残っている。長く困難な道のりの第一歩だが、重要なものだ」と語りました。
トランプ政権発足以降、ウクライナ戦争の停戦をめぐり、さまざまな議論が沸き起こっています。そうした中、西側メディアは、"ヨーロッパやウクライナを抜きにして、米ロ主導で停戦交渉を進めようとしている点"を一方的に批判しています。
しかし、トランプ政権が交渉役を一手に引き受けざるを得ないのは、ヨーロッパが中心となった交渉は後述するように失敗し、開戦後も全く進んでいない上に、船頭を多くすれば交渉がズルズルと引き延ばされ、結局、妥結するのに相当な時間がかかった「朝鮮戦争と同じ轍を踏みかねない」からです。
アメリカのウクライナ・ロシア担当特使であるケロッグ氏は、独ミュンヘン安全保障会議で「ヨーロッパは(交渉に)参加するのか」と問われ、「答えはノー」「あなたたちには実行力がなく、無残に失敗した。我々は同じ道はたどらない」などと語りました。
ケロッグ氏が挙げたヨーロッパの失敗とは、2015年にフランス・ドイツが主導した、ウクライナ東部の紛争合意(ミンスク合意)を念頭に置いています。結局、ミンスク合意は失敗し(当時のメルケル独首相は「ウクライナ武装化の時間稼ぎが目的だった」と衝撃発言)、ウクライナ戦争に発展したことを考えると、ヨーロッパには平和を構築する能力と意思が欠けていたことになります。
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