濃い緑が打たれているアフリカのサハラ砂漠の南端や、ロシア北部やヨーロッパ、インドで特に緑化が進んでいる(画像:Remote Sensing of Environment(2024))。

《ニュース》

2001年から2020年までの観測データによると、世界の植生は2020年に最も増えており、地球温暖化が大きく影響している、という研究結果が発表されました。

 

《詳細》

この研究は米農務省森林局やデューク大学の研究チームによるもので、2020年まで20年間の地球観測衛星データを解析したところ、世界の森林や草原、農地などの植生が20年に最も増えていたことが分かりました。とりわけ緑化が進んだ地域として、アフリカのサハラ砂漠の南端やユーラシア大陸の北部、インドなどが挙げられます。

 

2020年に最大になっていた理由として、チームは当初、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で人為的活動が減少し、大気汚染が減少したり、日照が増えたこと、人間による撹乱が減ったことの影響を検討していました。しかし、実際にはコロナの影響はわずかであり、気候変動、CO2濃度の上昇、気温上昇が重要な役割を果たしていたといいます。

 

特に、温帯と寒帯における影響が大きく、例えば寒帯の針葉樹林は、気温が上がったことで植物の生育期間が長くなったといいます。

 

なお、24年にはイギリスの研究チームが、温暖化の影響により、南極で緑化された地域が過去35年で14倍に増えていることを発表していました。南極の土壌は、存在しないかやせているため、植物のほとんどはコケ類ですが、コケが増えるうちに土壌が豊かになり、他の植物が成長する可能性もある、としています。

 

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