「良かった。なんとか間に合って。恐ろし
いめにあわせてごめん」
宇宙船から降りたったニッキが、かけ足で
メイのもとにやって来、はあはああらい息を
吐きながら言った。
頭を守るヘルメットを左手に持っている。
髪の毛はざんばら、ひたいにかかった髪の
毛から汗がしたたり落ちる。
「どこもけがしなかった?」
急いでふたつめの言葉を発して、ニッキは
ケイとメリカがいるのに気づき、あわててふ
たりのほうに顔を向けた。
「だいじょうぶだったよ、なんとかね。あ
ぶないところだったけどね。来てくれてほん
とに助かったよ。だけどよくわかったね。わ
たしらのことが」
メリカおばさんはていねいにお礼を述べた。
「われわれの攻撃からのがれたのが一台い
たんです。でもなかなか見つからなくて。メ
イの家に何気なくモニターの照準を合わせた
ら、なんと家の屋根に覆いかぶさっているじゃ
ありませんか。驚きました」
自分の汗が口に入ったのか、ニッキは顔を
ゆがめた。戦闘ズボンのポケットをまさぐる
と指にからまって黒っぽいハンカチが出てき
た。それはくしゃくしゃのままだったが、か
まわずにニッキは顔をぬぐった。
「大変だったね。おつとめご苦労さま。タ
オルを持ってきてあげようか」
「いいえ、大丈夫です。あまり時間もあり
ませんし。自分のことなんかいつだって後回
しです」
そう言って、ニッキは笑った。
ケイは暗い表情をし、うつむいたままだ。
「どう、ケイ、元気でやってる?」
ニッキは気軽に声をかけた。
ケイは顔をあげ、こうべを一度下げてから
にこりと笑った。
メイはくるりとまわれ右をすると、すたす
たと歩き出した。
「これこれ、メイや。一体どこへ行くんだ
い。こうしてニッキが来てくれてるっていう
のにさ」
メイは、メリカの呼びかけに、応じようと
はしない。
かまわず、歩きつづけた。
一本だけ焼け残ったけやきの木が、モンク
の家から少し離れたところにあった。
その木の根もとのあたりで、連れ出した三
匹のヤギが草を食んでいる。
メイは彼らと合流する気らしい。
「ニッキ、ごめんね。メイったら、一体ど
うしたっていうんだろね。あとで叱っとくか
らね」
メリカはすまなそうな顔をニッキに向けて
言った。
「いいですよ。彼女もいろいろとわたした
ちに応援してくれたんだし。彼女がすばらし
い力を持った石の存在を知らせてくれなかっ
たら、ほんとこの闘い。先行きどうなってい
たわからなかった」
「まったく手のかかる子だからね」
メリカがあきれた顔で言った。
ニッキはメイの方を向き、手に持ったヘル
メットを、笑顔とともにあげた。
いめにあわせてごめん」
宇宙船から降りたったニッキが、かけ足で
メイのもとにやって来、はあはああらい息を
吐きながら言った。
頭を守るヘルメットを左手に持っている。
髪の毛はざんばら、ひたいにかかった髪の
毛から汗がしたたり落ちる。
「どこもけがしなかった?」
急いでふたつめの言葉を発して、ニッキは
ケイとメリカがいるのに気づき、あわててふ
たりのほうに顔を向けた。
「だいじょうぶだったよ、なんとかね。あ
ぶないところだったけどね。来てくれてほん
とに助かったよ。だけどよくわかったね。わ
たしらのことが」
メリカおばさんはていねいにお礼を述べた。
「われわれの攻撃からのがれたのが一台い
たんです。でもなかなか見つからなくて。メ
イの家に何気なくモニターの照準を合わせた
ら、なんと家の屋根に覆いかぶさっているじゃ
ありませんか。驚きました」
自分の汗が口に入ったのか、ニッキは顔を
ゆがめた。戦闘ズボンのポケットをまさぐる
と指にからまって黒っぽいハンカチが出てき
た。それはくしゃくしゃのままだったが、か
まわずにニッキは顔をぬぐった。
「大変だったね。おつとめご苦労さま。タ
オルを持ってきてあげようか」
「いいえ、大丈夫です。あまり時間もあり
ませんし。自分のことなんかいつだって後回
しです」
そう言って、ニッキは笑った。
ケイは暗い表情をし、うつむいたままだ。
「どう、ケイ、元気でやってる?」
ニッキは気軽に声をかけた。
ケイは顔をあげ、こうべを一度下げてから
にこりと笑った。
メイはくるりとまわれ右をすると、すたす
たと歩き出した。
「これこれ、メイや。一体どこへ行くんだ
い。こうしてニッキが来てくれてるっていう
のにさ」
メイは、メリカの呼びかけに、応じようと
はしない。
かまわず、歩きつづけた。
一本だけ焼け残ったけやきの木が、モンク
の家から少し離れたところにあった。
その木の根もとのあたりで、連れ出した三
匹のヤギが草を食んでいる。
メイは彼らと合流する気らしい。
「ニッキ、ごめんね。メイったら、一体ど
うしたっていうんだろね。あとで叱っとくか
らね」
メリカはすまなそうな顔をニッキに向けて
言った。
「いいですよ。彼女もいろいろとわたした
ちに応援してくれたんだし。彼女がすばらし
い力を持った石の存在を知らせてくれなかっ
たら、ほんとこの闘い。先行きどうなってい
たわからなかった」
「まったく手のかかる子だからね」
メリカがあきれた顔で言った。
ニッキはメイの方を向き、手に持ったヘル
メットを、笑顔とともにあげた。