2016年11月発売タイトル第6弾は、SWEET&TEAデビュー作「枯れない世界と終わる花」でした(*'∇')b
内容的にシリアスになるのは分かっていましたが、絵とキャラが良かったので買いました。
店舗特典はこちら。
ハルちゃんですなぁ・・・やはりハルちゃんのおっぱいは素晴らしい(*´Д`*)b
( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!おっぱい!
枯れない世界と終わる花 概要
人の命で生き永らえる世界。その世界で、ハル、コトセ、ユキナの三姉妹は、神様から与えられた天使の力を使い、人の命をエネルギーとして変換し世界を維持するという“役目”を担っています。天使の力を持つには人間にはその力は大きすぎるため、その代償として人としての心が欠けていき、やがて限界がきて灰になって消えていく運命です。ハルたちが命を奪うのは“お達し”が来た人間のみ。その人間は自然とハルたちの下へと向かい、その命を捧げて花となり、天使や世界の糧となります。
三姉妹は血は繋がっておらず、幼い頃から家族として一緒に過ごしてきてきましたが、3人とも流行り病にかかって死にかけたときに天使としての役目を与えられ、生き長らえることが出来ました。主人公のショウはこの3人と浅からぬ因縁があり、三姉妹を救うべく同行者のレンと共にハルたちの住む街を訪れます。ショウたちの目的は、彼女たちの欠けた心を返して役目を終わらせるため。しかし、彼女たちを救うにはある条件が必要でした。
枯れない世界と終わる花 キャラクター紹介
【ハル】
三姉妹の次女。店長兼スイーツ担当。穏かで落ち着きのある雰囲気だが、時々毒を吐くことがある。普段はしっかりしているが朝が非常に弱く遅刻常習犯。
誰に対しても優しいが、あまり自分の気持ちを表に出すことはなく、考えていることが読めないことがある。でも、本当は誰よりも甘えんぼさん。
毎日日記を書いているらしいが・・・。
【コトセ】
三姉妹の長女。紅茶担当。しかし、新メニュー考案の時は冒険しすぎてしまうため、定例会議の時はいつも買い出し担当にされてしまう。
真面目で面倒見が良く、レンやショウのこともよく気にかけている。性格は分かりやすく言うならツンデレ。本を読むのが好きで特に友人であり作家でもあるマヤのファン。彼女の書いた小説は全て読んでいる。
マヤの書いた悲恋の小説を読んで、他の人とはまったく違う感想を抱いている。
【ユキナ】
三姉妹の末っ子。小物担当。明るく元気で細かいことは気にしないサバサバとした性格。いつも笑顔だが、むしろ笑顔しか見せたことがなく、感情を隠すのが得意。よく「にしし」と笑い、悪戯好き。
三姉妹の秘密についてハルやコトセよりもドライに考えており、ショウがそこへ踏み込もうとすると・・・。
【レン】
ショウの同行者。見た目も性格も子どもっぽい。甘い物が大好きでファミーユのマスコット的存在。
三姉妹が持つ天使の力についてはショウよりも詳しく知っており、花になる人物や天使であるハルたちの限界、そして世界の終わりを察知している。
枯れない世界と終わる花 攻略情報
ストーリーはほぼ一本道ですが選択肢によって、Hシーンが挿入されたりエピローグが変わります。
選択肢は3ヶ所。コトセ編に行きたい場合は、最初の選択肢で「俺の、特別な人だから」を選び、ユキナ編に行きたい場合は、2つ目の選択肢で「俺は、ユキナを守りたいから」と選び、ハル編に行きたい場合は、最後の選択肢で「俺は、ハルを守りたい」を選びます。
レン編は3ヶ所の選択肢で上記選択肢を1つも選ばなかった場合に見ることが出来ます。
枯れない世界と終わる花 あらすじ
【プロローグ】
無計画なまま無一文で街へやってきたショウと少女はお腹も空いて困っていました。ショウは少女のことを「お前」と呼んでいましたが少女はそれが不満でした。少女にはまだ名前がなく、ショウに名前を付けてとお願いしてきます。ショウは少女を「レン」と名付けますが、名前の由来を聞いた少女は安直とむくれますが、ショウが付けてくれたんだしと言ってとりあえずはその名前で納得するのでした。
疲れたレンは抱っこしてと言ってショウに急に抱きついたため、ショウは花畑の上に倒れてしまいますが、そこへ1人の少女がやってきて声をかけます。心配した少女に大丈夫だと言うと、先ほどの会話を聞かれていたせいか、お腹空いてるならうちのお店に来ませんかと誘われます。持ち合わせがないショウは断ろうとしますが、少女はお代は要らないと言い、「ハル」と自己紹介をした後、2人を自分の店へと案内します。ハルのお店“ファミーユ”にやってきた2人は、想像以上に立派な店内を見て驚き感動。ショウはお代はないと再度確認しますが、ハルは試作品だから感想さえ教えてくれればそれで良いと答え、レンとの関係については妹ですか?と聞きます。ショウは妹でも娘でもなくただの旅仲間だと答え、出されたパンケーキを食べ終わるとお礼を言って席を立ちます。そして、パンケーキについて感想と助言を言って店を出るのでした。
お金を稼ぐために店番のバイトを始めた2人。すると早速お客がやってきます。噛み噛み口調で元気な客の少女ですが、レンは少女の着てる服を見て、ハルのお店の制服であることに気付きます。彼女はハルの妹らしく、ノリが良いせいかついつい漫才をしてしまいますが、真面目に仕事をして注文の品を渡してお代を受け取ると、少女は「ユキナ」と自己紹介をしてきます。ショウとレンも自己紹介をすると、ユキナはウチに来たら今度はあたしがお返しするからと言って立ち去って行きます。その後、レンの商才(?)が発揮され、商品は売り切れたものの、日銭では宿に泊まることもできず野宿することになり、レンはせめて屋根があるところが良いとダダをこねたため、ショウはひとまず明日には対策を考えると言ってレンを眠らせるのでした。
翌朝、ハルを頼ってファミーユを訪れた2人。お店は開店前だったものの開いていたことから無断で突入を敢行。すると、ハルはいなかったものの、ソファには1人の少女が座って本を夢中になって読んでいました。ハルともユキナとも違う美人系の女の子は、ショウとレンの声に気付きこちらを向きます。戸惑う少女に対し、ショウは自己紹介して、彼女の名前を聞き出します。少女の名前は「コトセ」。訳が分からないコトセが立ち上がろうとすると持っていた紅茶のカップが零れてしまいます。その後、お腹すいたというレンのために朝食を用意してくれたコトセ。しばらく話をしているとユキナがお店にやってきます。レンが3人の関係について聞くと、コトセとハルとユキで三姉妹だとコトセは答え、ユキナが言うには別々に暮らしているようでした。そして、開店時間になりましたが、朝に弱いハルは寝坊で遅刻が確定。店長なのに遅刻率90%を達成してしまうのでした。
その後、昨日と同じパン屋で働くことになった2人は、店長代理のユウと漫才をしていると、そこへ寝ぼけたハルが通りかかります。その時間、既にお昼。寝坊というレベルを超えており、しかも寝ながら歩いていました。ショウが声をかけて起こしてもなかなか意識を覚まさないほどでしたが、何とか起こすと挨拶してきます。ユウはハルの姿を見ると話しかけ、明日からパンを焼けるようになったと嬉しそうに報告。ハルはそれを聞いて明日は絶対に早起きして食べに来ると言いますが、ショウは先程の様子から彼女の早起き宣言については半信半疑でした。その後、ハルの冷たい反応にショックを受けながらも必死にハルのお店に雇ってもらおうと食い下がったショウですが、強引に話を逸らされ、この街に来た目的は果たせたか聞かれます。ショウはこの街に住んでたヤツと前にした約束があって、まだ会ってないけど約束を果たすために遠くからやってきたと話します。すると、ハルはどこか物悲しそうにショウを見返し、初めてショウさんの本当の言葉を聞いた気がしますと言って困ったように微笑むのでした。
夜、寝床を確保できなかったショウは再び川辺で野宿することに。当然レンは不満を漏らしますが、それを打ち切るようにショウは草むらの上に横たわると、ハルがショウの顔を覗き込んできます。そして、再びファミーユに案内すると、ショウのスキルを確認した上で住み込みでここで働くことを提案。ショウも宿と飯が確保できるならとここで働くことに決め、野宿を嫌がっていたレンは大喜び。しかし、ハルがどうしてここまでしてくれるのか疑問に思っていたショウは、彼女にどうしてこんなに親切にしてくれるのかと聞きだします。すると、ハルはわたしにも叶ったら良いなという約束があったと話します。その約束はもう叶わないと付け加えて。だからせめてショウさんの約束を応援したい・・・それが彼女がショウたちに親切にする理由でした。ショウは自分が果たせなかった約束を他人に重ねても意味ないだろと言いますが、ハルはそれが分かっててもそうしたかったと答え、彼女の言葉から強い意志が伝わってきたため、ショウもひとまずそれで納得することにしたのでした。
翌日。ショウはファミーユの従業員として働きますが、あまりの繁盛に根をあげそうになります。お昼すぎになるとお店の方が落ち着いたため、ハルの買い物にレンと一緒に付き添うことにしますが、その帰り道にユウが普段とは違う様子でハルに話しかけてきます。夜、コトセと一緒に風呂に入っていたレンが泣きそうな顔をして部屋に戻って来ます。レンはもう時間がない、ごめんなさいと謝ります。ショウはレンが悪いわけじゃないと励ましますが、レンはわたしのせいだと言い張ります。しかし、元気がないのはそれだけではなく、何かを感じ取っていました。レンがユウちゃんだと思うと言ったため、それがどういう意味か理解したショウは、立ち上がり外へ出てとある場所へと向かいます。そこは廃墟となった教会でした。ショウは教会の裏手にある大きな扉を開けて奥の部屋に行くと、1人の女性が椅子の上に座って眠っていました。ショウはその女性に謝り、代わりに約束を果たすからと自分の決意を話し、別れの言葉を言ってその部屋を出て行きます。
その後、青白い花びらが舞い散る道でハルが1人佇んでいました。ハルはショウの存在に気付くと「まだ“呼ばれて”いませんよ」と言い、振り向き微笑みます。ショウはハルに本当の目的を話します。俺はこの街に“天使”に会いに来たんだと。すると、ハルは“役目”のことを知っているんですねと言い、天使に会ったらどうするんですかとショウに問います。ショウが答えようとすると、ユウがやってきてハルに声をかけます。そして、近づいて来た彼女をハルが膝を突いて優しく抱きしめると、ハルの背中に光り輝く羽が出現し、2人を包み込みます。そして、ユウがハルに感謝の言葉を伝え、もっと生きてたかったと泣き出すと彼女の姿は溶けて消えて行きます。すると、ハルの手の中には小さな白い花が一輪残されていました。ユウだった花を花畑に植えたハルは振り返り、再びショウに問います。天使に会えたらどうするんですか?と。人の命を奪ってこの世界と一緒に生きながらえている、いつかあなたの命もわたしがもらうのかもしれない、ショウさんは許せないですよね・・・そう言うハルに対し、ショウは声にならない声で許すよと答え、彼女たちを哀しませる世界に向けて宣言します。俺は絶対に許さない、だからこんな世界の終わりを願うと。それがショウが戻って来た理由でした。
【コトセ編】
翌日、ハルは特に変わった様子はなく、普段通りでした。その代わり、コトセにはあまり時間が残されていませんでした。ショウはレンからそのことを聞き、彼女に欠けているものは何かを強引にでも探し出すことにします。それは10年も前、コトセがショウの下にやってきた頃の話。独りになって心を閉ざしてしまった少女は何も喋らなかったため、ショウは彼女を“コトセ”と名付けます。既にショウの下にいたハルやアキトはコトセを歓迎しますが、コトセはずっと1人でただそこにいるだけでした。ショウもハルもアキトもコトセを家族にしようと必死で訴えかけた結果、ようやくコトセもそれを受け入れます。元気になって笑うようになったコトセはいつしか1番年上のお姉さんとして今度はハルやアキトの世話をするようになります。それからは貧乏ながらも幸せな日々が続きますが、コトセは幸せすぎてたまに怖いと感じるときがありました。また急に1人になってしまうのではないかと。しかし、きょうだいで唯一の男の子だったアキトがぼくが守るからと言ってショウみたいにコトセを抱きしめると、コトセの中にあった不安は消えます。そして、これからは怖くなったらアキトに言い、コトセが怖くなくなるまでアキトが抱きしめるという約束を2人で交わすのでした。
翌日、コトセに客が訪れます。その人はコトセの友人でファンだという作家・マヤであり、昨日ショウがコトセに無理矢理押し付けられた小説を書いた本人でした。ショウは彼女からコトセについての情報を聞き出そうとするもマヤの洞察力の前に失敗してしまいます。その後、買い出しに出たときにマヤを見かけたため、再びコトセのことを聞こうとしたショウ。マヤはコトセの役目のことを知っていて、彼女は苦しんでいると言い、自分も花になる日が近いけどコトセに看取ってもらえるなら悪くないと話します。するとマヤは一瞬動きが止まり、閃いたと言い帰ってしまいます。取り残されたショウですが、先ほどのマヤの様子から近いうちに彼女が花になるのだと感じ取り、それがコトセの失った心を見つけるカギになるかもしれないと考えるのでした。
コトセの今までの言動、マヤの言葉・・・それらを繋げることが出来ればマヤの失ったものを見つけられるのではと考えたものの、なかなか結びつきませんでした。そんなとき、1人の女性がコトセを尋ねてきます。その人は次に花になる人でした。その日の夜、コトセの下へ向かうショウの前にユキナが立ちふさがり、同情なら止めた方が良いと忠告を受けます。しかし、それでもショウはコトセのもとへと向かいます。ハルのときと同様に花畑にいたコトセに対し、ショウは辛いかと問うと、コトセはそうは思ってないと答え、悲しいかと問うと、今度は覚えていないと答えます。彼女が欠けている心・・・それは悲しみでした。しかし、ショウはそのことに気付かず、翌日マヤと再び会い彼女にコトセの欠けているものが知りたいと聞くと、逆に質問されます。あなたはどうしてコトセをそんなに気にかけるの?と。マヤの問いにショウが答えると、マヤは自分の書いた新作の主人公のモデルがコトセだと話します。ショウがコトセに押し付けられて読んだ悲恋モノの小説。しかし、その小説は悲恋という枠組みには入っているものの、主題は「主人公が悲しみと向き合う物語」でした。つまり、彼女の書いた小説は友人に向けてのメッセージだったのです。近いうちに花になる自分の命。消えることに未練はないけど、自分が生きた意味を作れるのならコトセのためがいい。唯一の友達を救えるのなら、それが自分の役目だと思えるから。コトセが目を逸らしてしまった悲しみを見せて笑って逝きたい・・・最後までマヤでいること、そして、友人のために生きること、それが彼女が固めた覚悟でした。
その後、定例会議のときに出した新メニューの紅茶が不評だったため買い出し担当にされたコトセとその買い物に付き添うことになったショウ。2人は気分転換に川辺でアップルパイを食べていると、近くで泣いている女の子とその子をあやす父親の姿がありました。コトセはその泣いている子の母親が昨日自分が消した人だと言い、急に態度を変え女の子のところへ行って何で泣いているのかと突っかかります。あまりの豹変ぶりにショウは慌てて止めますが、コトセはあの子が泣いている理由が分からないからイライラすると呟きます。そんなコトセの様子を見てショウは、彼女が失った心とはマヤの言った通り「悲しみ」であると確信。レンにそのことを報告しますが、レンはそれだけではコトセの失くした心は見つからないと言います。彼女が強く呼びかけることでようやく分かるもの、だからコトセに「悲しみ」を思い出させてほしいと頼まれ、ショウはマヤの顔が思い浮かぶのでした。
翌日、マヤが店を訪れ、コトセに途中までしか書かれていない新作を読ませます。書いた小説はやはり悲恋モノでしたが、コトセの感想の中にはやはり「悲しみ」はありませんでした。その後、ショウとマヤは2人きりで話をしますが、マヤはショウにコトセを想う理由を聞かせてと問います。しれはマヤがショウは自分の命を賭けるに値する人物か見極めるための質問でした。ショウはお店の前ではなくいつも話している場所にしたいと言い、川沿いのベンチで待ち合わせすることにします。マヤと再び会ったショウは、コトセを想う理由を話します。昔ショウとコトセは家族でしたが、コトセはそのことを覚えてはおらず、ショウはその家族を裏切ってしまったために、命を懸けてでも償いたいと話します。コトセだけじゃない、ハルやユキナにも。それが自分の贖罪だと。すると、ショウが自分と同じ覚悟であることを確認したマヤは、ショウに自分が消えた後のコトセのことを託すことにしたのでした。
その日もコトセは役目を終えますが、そこにショウがやってきます。コトセはショウに自分や妹たちが天使になった経緯を話し、あのとき皆で生きようと約束しなければ幸せだったのかなと弱音を吐きます。レンがコトセはもう限界だと何度の聞かされながら、コトセがここまで言うまで理解できなかった自分に腹が立ちましたが、それでも彼女を励まそうとコトセを抱きしめ、俺が守るから、こんな役目から降りたい、こんな力を捨てたいと願っても良い言います。するとコトセはそんなことを言われたのは初めてと言い、ショウに寄りかかります。天使の力を使い続けた結果、自分の心が壊れていることに気付き、そんな自分を見られるのが怖くて、支えたいと思っていた妹たちに自分から別々に暮らすことを提案してしまったコトセ。そのときがコトセにとって最後の「悲しい」と思った瞬間でした。コトセは自分を守ってくれるというショウに対し、もっと早く会いたかったと言います。そして、ショウみたいな人に最後に会えたのも運命なのかなと笑顔を見せますが、その笑顔は本当に笑っているのか、悲しんで笑っているのかショウには判断つきませんでした。レンの見立ててではコトセが生きられるのは次の満月まで。残された時間はあと1日。そのときがもうすぐのところまで迫っていました。
そして迎えた最後の1日。早朝にマヤがやってきて、完成した原稿をショウに読ませ、自分の全てを懸けて書き切ったと言って後のことをショウに任せます。その日の夜、マヤを迎えに行ったコトセを追いかけたショウ。いつもマヤがに座っていたベンチで休んでいたコトセは、ショウにどうして私に構うのと質問します。ショウが好きだからと答えると、コトセは初めて受けた告白なのにムードがないと言って笑い、その気持ちが本当なら自分が消えるそのときを看取ってほしいと言います。そして、マヤの待つ樹のところまで行くと、マヤは最後の作品と言ってコトセに原稿を渡します。その物語の結末は、ヒロインが主人公を本来の在るべき姿に戻すため、“自分が消える”ことを選ぶというもの。ただ主人公の幸せを願い、“自分のために生きてほしい”と言い残して。それはストレートすぎるほどにマヤからコトセに向けられた最後のメッセージでした。最後のページは空白になっており、マヤは最後の空白はコトセの言葉で埋めてほしいと言います。私がいなくなることで感じてくれたことをここに書いてこの物語を完成させてほしいと。そして、コトセにペンを渡し、コトセだって幸せになるために生きていても良いと伝えると、コトセは、マヤが私のために生きてくれたこと絶対に忘れない、この物語は完成させると約束します。すると、マヤは「ありがとう、約束よ」と言って花へと変わるのでした。
マヤが消え、悲しみを思い出し、欠けた心を取り戻したにもかかわらず苦しみだしたコトセ。マヤに後を託されたショウは彼女を抱きしめ、レンにまだかと心で訴えかけます。そのとき、自分の中にあるコトセの心を探していたレンは、ギリギリ間一髪のところで見つけ、コトセにそれを返します。しかし、その代わりに天使の力はショウが受け取ることになっていました。コトセもハルもユキナも救う、それがショウの役目だから。すると、コトセはようやく天使の力を拒絶し、その天使の力はショウへと移ります。ショウは泣き疲れたコトセを寝かせると、突然激痛に襲われます。そして、消えそうになったところを必死で耐え抜きました。こうして、コトセは天使としての役目を終えたのでした。
翌日、マヤは1日仕事を休み、ショウと一緒に自分の家でゆっくり過ごしていました。夕飯まで一緒にいて、ショウはそろそろ帰ろうとしますが、コトセは今は一人になるのが怖いと言ってショウを引き止め、2人は一夜を過ごすのでした。
【ユキナ編】
「誰も信じなければ裏切られないんだよ」・・・寂しいのにそう言う少女がいました。1人でいればもう悲しい思いはしないでいいと。そんな少女の話をアキトがすると、ショウは親を失くして1人でいるだろうから優しくしてやってくれと言います。その後、再びその少女と会ったアキトは、なんでそんなに働くの?と聞かれます。家族のためとアキトが答えても少女は家族といっても他人と返し、家族がいれば助け合えるとアキトが言っても少女は誰も助けないで済むと返され、どこまでも平行線をたどります。キリがないためアキトがなんでそんなこと言うの?と聞くと、少女は親切で言っただけと答えます。アキトが親切ならありがとうとお礼を言うと少女は驚き、名前を聞いてきたため、お互い自己紹介します。少女の名前はユキナ。ハルともコトセとも違う不思議な女の子でした。
ショウの優しくしてやってくれという言葉を思い出し、今度会ったら優しくしようと思ったアキトですが、ある日仕事の休憩中に貰ったアップルパイを食べようとしたところ、ユキナを発見したため追いかけます。すると、ユキナは酔っ払いの財布を盗んでいたため、それを止めようとすると、ユキナなアキトを人気のないところまで連れていき、邪魔しないでと怒ります。アキトが働いてお金を稼いで生きているのと同じように、自分もこうやって生きているのだからと。アキトは自分たちの住んでいる家にユキナを誘いますが、ユキナは誰も信じないからと言って断ってどこかへ行ってしまったため、アキトは難しいなぁとぼやくのでした。
その日の夜、街の外れにある廃墟に侵入して金目のものを盗もうとしたユキナ。しかし、そこはアキト達が住んでいる家でした。アキトは丁度夕飯作ってるから食べてってと誘い、ユキナは断ろうとしたものの、その後コトセやハル、ショウが立て続けに帰ってきて皆揃って夕飯を一緒に食べようと誘ってきたため、断るのは諦めて一緒に夕飯を食べることにしました。そして、皆が寝静まった後、ユキナはこっそり出ようとしますが、ショウに見つかります。ユキナはずっと笑顔でしたが、ショウから見ればそれは生きる為に身に付けた鎧のようなものだと感じ、彼女を抱きしめそんな生き方をさせてごめんと謝ります。そして、頑なに人を信じず1人で生きていこうとするユキナに対し、もう1度だけ人を信じる機会をくれないかと懇願すると、ユキナは残ることにします。そして、朝になり起きてきたアキトから、自分たちが血の繋がった家族ではないことを話し、ユキナも一緒に家族になろうと言うと、ユキナも”家族ごっこ”にまぜてもらっていい?と言って涙を浮かべます。こうして、ユキナは1番下の妹としてショウ達の家族に加わるのでした。
知っている記憶、自分のではない知らない記憶、そして欠けてしまった記憶。コトセの持っていた天使の力を受け継いだことで身体に影響が出始めたショウですが、約束を果たすため、次はユキナの欠けた心を調べることにします。
翌日、ユキナの買い物に付き合ったショウは、ユキナがいつもお世話になっているというお姉さんの家に連れて行かれます。アカリは足が不自由な人ですが、かつてはファミーユの常連でした。ユキナは彼女の隣の部屋に住んでおり、足が不自由な彼女の世話を焼き、その代わりにアカリからは栞の作り方など色々なことを教わっていました。アカリの部屋を出た後、ショウはアカリとユキナの関係は親子みたいだと言うと、ユキナはいつもと違う低いトーンで「違うよ」と答えたためショウは驚きます。すぐ普段の表情に戻ったユキナはアカリには娘がいたことを話し、その娘はユキナが消したし、もしかしたらアカリさんも私が消すかもとあっけらかんと言います。そんなルールで生きてるんだから腐っててもしょうがないと。ショウはそんなユキナを見て呆気に取られ、何も言えなくなってしまいました。
それから数日が経ち、未だユキナに欠けているものが分からないショウは、ハルに頼まれ買い物に出ますが、途中でアカリと会ったため、彼女の買い物に付き添い、そのまま荷物を彼女の家まで運びます。そのとき、アカリは自分には娘がいたことを話し、ユキナにはたくさん遊んでもらっていたことや、ある日置き手紙だけ置いてどこかへ行ってしまったことを寂しそうに話します。それからユキナが頻繁アカリのもとに訪れるようになったことも。アカリにとってユキナは2人目の娘のようなものでした。そして、何故娘がいなくなったのか最近になって分かり、彼女は看取られるならユキちゃんが良いと言います。その日の夜、アカリが娘だと言っていたとユキナに話しますが、彼女はそれを嬉しいとは言わずむしろ怒っていました。そして、ただのお隣さんだから仲良くなっただけと頑なに認めませんでした。いつも笑顔のユキナ。けどそれは諦めの笑顔で・・・そんな彼女を見て、ショウは“楽しい”と思えないのだと気付きます。いつも楽しそうにしていたのは“嘘”だったのだと。ユキナはかつてショウと同じ名前の人が自分たちを裏切ったことを話し、それから家族と聞くと笑ってしまうと言います。それは、かつてコトセたちと一緒に暮らす前の彼女の姿と重なってみえました。ユキナは自分の言いたいことを一気にまくしあげた後、家に帰りますが、ショウはそんな彼女が去った店の中で“家族”に1番拘っているのはユキナだろと呟くのでした。
ユキナがアキト達と一緒に過ごすようになってしばらく経った頃、ユキナは少し不安になっていました。“家族ごっこ”だと思っていたのが今ではもう“ごっこ”ではなくなっていたことに。また1人になってしまうのではないかと不安に思っていたユキナを見て、アキトは一緒にいるという約束が目に見えないから不安なんだと言い、皆でお揃いの指輪を買えばいいと提案。今はお金はないけど頑張ってお金を貯めて皆の分も買うというアキトの言葉にユキナは嬉しくなり、もしその約束を叶えてくれたら、ちゅーしてあげると言い、アキトをからいます。その日の夜、ユキナは、アキトが指輪をプレゼントしてくれる約束をしてくれたけどいつになるか分からないからと言って自分で作った押し花の栞をアキトにプレゼントします。すると、アキトは改めて指輪をプレゼントすると約束をし、ユキナも待ってると答えます。その後、帰ってきたショウにもずっと一緒というお守りだと言って渡すと、ショウは喜んでユキナを抱きしめます。ユキナは恥ずかしがって部屋を出ますが、ショウはアキトに男の子なんだから皆を守ってやれと言い、アキトも皆を守ると約束します。そして、ショウは自分の代わりをアキトに託します。そして、ショウが姿を消したのはそれから程なくしてのことでした。ユキナはショウに裏切られたことに泣き、自分が作ったお守りの栞を破り捨てました。それはまるでユキナの絶望を表すかのようで、二度と戻らない絆を表すようでした。ユキナが作った栞に使われた花はダリア。花言葉は「感謝」でした。
アカリが娘だと言っていたことについて怒っていたのは、感情の欠落からではなく、自分を裏切った“母親”のことを強く恨んでおり、その傷が未だに癒えていないのを笑って誤魔化していました。そして、次の満月の日。ショウはユキナに助けて言ってくれれば俺が守ると言うと、ユキナはもしも助けられるならコトセやハルを助けてあげればいいと冷たい声で返します。家族を何とも思ってないと言っていたのにコトセやユキナを優先していることから、1番家族に拘っているのはユキナだと指摘すると、図星を突かれてか、苛立ちを隠そうともせずショウに冷たい言葉を言い放ち去って行きます。その後、家に帰ろうとするとレンがやってきて、ハルが倒れたと言ったため、慌ててファミーユに戻ると、ハルはベッドの上で苦しんでいました。ハルの様子からユキナだけではなくハルもそろそろ限界が近いことが分かり、もうあまり猶予は残されていませんでした。ひとまずハルが落ち着いたことから、ショウはまずユキナを救うべく花畑の丘へと向かいます。そして、ユキナはショウが来て再び苛立ちますが、天使と消えゆく者にしか見えないはずの“樹”をショウも見れていることに驚きます。ショウはそんなことよりも今はやるべきことがあるだろうと、アカリの待つ樹の麓まで行きます。
アカリはここに来て全てを理解していました。娘の最期をユキナが看取ったことを。ユキナはずっと騙していてごめんなさいと謝りますが、アカリは騙されていないと返し、ずっと傍にいてくれてありがとうと感謝の言葉を伝えます。ユキちゃんがいてくれたから私は生きていられたと。そうして母親が娘を抱きかかえるようにアカリがユキナの背に腕を回すと、謝らなくちゃいけないのは私の方と言い、最後にユキナにお願いします。私が花になったら、娘と同じ場所に植えてほしいと。例え血が繋がってなくても愛している娘だから。ユキナはそれを聞いてアカリ母娘は血が繋がってなかったのだと初めて知り驚きます。そして、アカリはユキちゃんが愛されているのは見れば分かるからと言います。だから、もう憎しみに囚われないで、誰かを信じることを諦めないでと。きっとユキちゃんのお母さんだった人もユキちゃんを愛してたと思うからと。アカリには何も話してないのに自分のことを知られていたことにユキナは再び驚きますが、アカリは笑って言います。何となく分かっていた、血が繋がってなくても、ユキちゃんだって私の“娘”なんだからと。そして、幸せを諦めないでねと言い残して花へと変わります。アカリが消え去った後、ユキナは、アカリのことを“お母さん”って思っていたことを最期まで伝えることが出来ず、本当はもう憎んでなんかいない、お母さんに会いたいと泣き出すのでした。
ユキナが自分の本当の気持ちを曝け出した後、ショウが自分と同じ名前だったという母親に会いたいか?と言い、アカリの花を植えた後、ユキナをかつて彼女が住んでいた廃屋へと連れて行きます。そして、裏手にある門を開け奥へ行くと、ユキナたちの母親が眠るように座っていました。彼女はユキナたちの“前任者”であり、“天使の力に侵食されきった天使”でした。その事実を知ったユキナは驚き、信じられない気持ちでしたが、眠る彼女の手を見ると、そこにはかつてユキナがプレゼントした栞を大事そうに握っていたため、ユキナの涙は止まらなくなっていました。娘の作った栞を大事に持ったまま1人で灰になることを選んだ先代の天使。ユキナはどうしてショウがそんなことを知っているのかと聞くと、ショウは神様だからと挑発するように答えます。すると、ユキナはショウに対して怒りをぶつけ、あたしの失くしたものを返してと叫びます。そして、それがショウの狙いでした。ユキナの願望を吐き出させることで、彼女の欠けた心を探し出す・・・それが彼女を救う唯一の方法だったから。そして、ユキナが感情を剝きだしにしたおかげでレンは彼女の欠けた心を見つけ出したため、ユキナに心を返します。こうして、ユキナの天使としての役目は終わるのでした。
翌日、謝罪と感謝と別れの言葉を告げるため。再び母親の下を訪れたユキナとショウ。ユキナは母親が大事に握っていた栞を受けとり、それを握りしめながら信じてあげられなくてごめんなさいと謝ります。そんな彼女をショウは後ろから抱きしめ、この人は最後まで皆に感謝しかしなかったから大丈夫だと伝えます。そして、俺が守るからもう1度信じてほしいと言うと、ユキナは信じると答えるのでした。あたしたちを助けてほしいと。その後、ユキの部屋で一緒に過ごしますが、ユキに抱きしめられながら彼女の寝顔を見ていると、彼女の後ろの窓から見える月が赤く染まり、ショウの身体に異変が起きます。それが天使の力の侵食だと気付いた頃にはもう遅く、ショウは意識を失うのでした。
【ハル編】
次に目を覚ますとファミーユの自分の部屋でした。レンから話を聞くと2日経っており、その間の記憶が自分の記憶と一致しておらず、戸惑います。1階に降りるとハルが1人でテーブルに座っていました。その後2人でお茶にしますが、ハルは「ずっとこんな日が続けばいいのに」と呟きます。天使の力に蝕まれていても今のままで良いというハル。そんな彼女に思わず「昔から変わらないんだな」というとハルは「はい」と返事をしたためショウは驚きます。彼女に“その記憶”はないはずだから。
翌日、皆で買い出しに出かけますが、レンがハルからお小遣いを貰ったため、ユキナと一緒にお菓子を買いに行きます。そのとき、ハルも買うものがあると言って抜け出しますが、コトセからハルは日記を書いているから日記帳を買いに行ったと教えられます。その日の夜、ハルと一緒に閉店作業をしていたショウですが、ハルが買い物があるけどそろそろお店が閉まってしまうと言い出したため、ショウが何を買いに行くのかと聞くと、日記帳と答えたため、ショウは背筋が凍りつきます。そして、昼間にハルが買った日記帳を渡すと、彼女はショウからのプレゼントだと思い込み、大喜びします。その後、ハルが心配で家まで送ることにしたショウですが、ハルからどうして羽を集めてるんですか?と聞かれたため、3人を助けるためと答えます。だからハルも羽を渡してほしいというと、ハルはそれを拒絶します。待っている人がいる、絶対に帰ってくると約束してくれた人がいる、それまでは力を失って消えるわけにも、心を失って灰になるわけにもいかないからと。ハルの記憶にいはないはずの約束。しかし、彼女はそれをはっきりと覚えていました。
ひとりになってしまった少年は、見知らぬ少女に声をかけられ、それからというもの、2人で一緒に行動し懸命に生きていました、しかし、辛い現実に少年は心が折れそうになっていましたが、少女から私も君ももう1人じゃないんだよと言われると、少年は少女と一緒に生きていくことを決意します。しかし、そんな2人を引き裂くかのように、少女が病に侵されてしまいます。大人を頼ることもできず、ただ苦しむ少女の手を握ってあげることしか出来ない現実。少年はまた1人になってしまう恐怖に、必死に助けを求めます。すると、1人の大人が手を差し伸べてきました。それが少年“アキト”とショウの出会いでした。
世界にあるルールの下、コトセもユキナの“アキト”のことは忘れているのに、ハルだけが“アキトとした約束”を覚えている矛盾。そして、ハルが覚えていたのは“約束”だけではありませんでした。ハルがまた1人の人間を花にした日、ハルとショウはかつて住んでいた廃屋に来て話をしていました。そのとき、突然ハルが苦しみだし、倒れてしまいます。そして、そのときハルは自分の日記を求め、絶対に忘れないと口にし、本来絶対に記憶にないはずの名前を言います。“アキちゃん”と。アキちゃんの代わりに皆を守るからと。この世界のルールが存在する人の記憶を改竄したため、本来ならばどこにもその存在を確認できるものはないはずなのに、ハルの日記帳には“彼”のことが書かれていたのです。ハルが守ろうとしている思い出と約束。それを知ったショウは俺のせいでごめんと謝り、ショウの頬には涙が伝っていました。するとハルはかすかに目を開け、ショウの手を握り、泣かないでアキちゃん、私達はずっと一緒なんだよと言って微笑みます。そして、帰ってきてくれてありがとうと言うと、ハルはふと力が抜け落ちて意識を失うのでした。
ショウがアキトに後の事を任せて姿を消してから数日。それでも4人は協力して生きていました。しかし、そんな彼らを嘲笑うかのように、ハル、コトセ、ユキナの3人が流行り病にかかってしまいます。アキト1人だけ無事でしたが、苦しむ3人に対しどうすることも出来ず、かつてハルが病で倒れたときのように何も出来ないことを悔やんでいました。けど、今度はただ見ているだけではイヤだと思い、皆を守るんだとアキトは強く願い、ふとショウが言っていた言葉を思い出します。世界の真ん中にある花の丘。そこの大きな樹の一番上に咲く虹色の花。そこに神様がいると。アキトは皆を助けるべく神様のもとへと向かいますが、廃屋を出る直前にハルが追いかけてきて呼び止めます。ハルが置いて行かないでと泣き、最期まで一緒が良いと言ったため、アキトは彼女を連れて花の丘へと向かいます。そして、樹の上にある虹色の花を見つけますが、そこでハルが力尽きて倒れてしまったため、アキトは必死に訴えました。ぼくの大切な家族を助けて下さいと。すると、それは望みかとどこからか声が聞こえてきます。アキトはその声に3人を助けてほしいと願いますが、神様はアキト建ち4人は本来ならもっと早くに死ぬ運命だった、だからその願いは叶えられないと言います。死ぬはずだった運命をその運命の外にいる“役目”が狂わせたと。運命が正しくアキトたちが生きているのは間違いだという神様に対し、アキトはそんなのは運命の方が間違えているんだと反論。皆を守ると約束したから、運命が間違っているというのなら皆を守るためにその運命をぼくが変えると覚悟を示すと、神様はアキトの願いを聞き入れ、運命の外の存在とするためハル達に天使の力を与えます。こうして、ハル、コトセ、ユキナの3人は助かりましたが、願いを聞き入れた代償として、神様はアキトからあるものを奪いました。アキトはハルを背負って自分たちの家に戻ると、コトセもユキナも起きていてハルの無事を喜びます。しかし、2人ともアキトのことを何も覚えていませんでした。そう、神様がアキトから奪ったのは、アキトとハルたちを繋ぐ“絆”でした。アキトは神様が言っていた“代償”の意味を実感し、胸が苦しみますが、ハルを2人に預けて家を出て行きます。その後、目を覚ましたハルが追いかけてきましたが、ハルもアキトのことを覚えていないようだったため、アキトはハル達が困っていたら助けにくるからと約束して去っていくのでした。
既に限界が来ていたハルの代わりに人を花にする“役目”を終えて倒れたショウ。彼が目を覚ますと、ハルが懸命に名前を泣き叫んでいました。“アキちゃん”と。そして、ショウは世界のルールの下で消された存在に気付いてくれたハルにお礼を言い、ずっと守れないままだった約束を果たすときがやってきます。ハルから天使の羽根を切り離す条件・・・それは心ではなく、ハルが“ショウ”の本当の名前〝アキト”の名を呼び、お互いが“天使の力に蝕まれることのない未来で一緒にいること”を願うことでした。だからハルはアキトの犠牲の上に成り立つ未来は望んでいませんでした。アキトがいなくなったら意味がない。だから、例え身体を蝕まれてもアキトに天使の力を渡すことを拒絶していたのです。しかし、1度でも夢のような願いを思ってしまったことで、ハルの意志とは関係なしに、天使の力はショウへと引き継がれてしまいます。その後、天使の力を失くし意識を失ったハルを寝かせ、ショウは3人の天使の力を取り込んだ激痛に苛まれ意識を失いそうになりながらも必死に耐え、自分の目的のためある場所へと歩き続けるのでした。
【最終章】
病にかかった皆を助けるという願いを叶えそれと引き換えに皆との“絆”を失ったアキトは、1人教会の裏手で泣いていました。しかし、そこでアキトは今まで知らなかった大きな鉄扉を発見します。気になったアキトはその扉の奥へと入っていくと、中にはいなくなったショウが椅子に座っていましたが、全身真っ白になって既に亡くなっていました。ショウはその様子と、神様に会ったときの会話、そしてハルが見せた天使の羽根から、ショウも天使であることに気付き驚きます。アキトは3人は助かったけど、ショウのように使い捨てられてしまうのかと考え、大切な人を奪い続ける世界の存在を否定し、世界を変えるために再び神様の下へといき、ハル達を救える力が欲しいと望みます。自分の命を代償として。すると、神様は月虹花の中へとアキトを取り込み、これまで花になった人々の意志を聞き、掛けた望みが世界に肯定されるならば、その願いは叶うと言います。そして、アキトは花になった人々の声を聞きますが、その余りの声の多さに少しずつ自分の意識を削られてしまい、自分の望みを諦めようとしていました。しかし、そのとき、「諦めるな」というショウの声が聞こえ、彼女に守られてアキトは自分を取り戻し、成長した姿で世界へと戻ってきます。そして、母親の名を借りてハル達を救うべく歩きだすのでした。
人の犠牲の上に成り立つ間違った世界を変えるため、全ての始まりである月虹樹へと向かうショウ。そして、そこにレンも同行しますが、ショウとずっと一緒に行動していた彼女こそが月虹花そのものでした。ショウたちが月虹樹へとたどり着くと、月虹樹が限界を迎え赤く染まっていました。2人は急いで月虹花の場所へ向かいますが、月虹花も枯れかけていました。世界に残された時間はあと僅か。世界に肯定されたショウは、レンの天使の力を借りて世界を変えるよう望みます。望みを叶えるため代償として消えようとするショウとレン。レンはショウたちの一緒の時間は家族になれたみたいで楽しかったと言い、こんな悲しい世界しか作れなくてごめんなさいと謝ります。するとショウは謝るなと返し、お前も大切な家族だから俺が守ると言い、レンの羽を奪います。ショウが世界から貰った力は“天使の羽を集める力”。それはレンの羽も例外ではありませんでした。レンは最初から月虹花からも羽を取るつもりでこの力を望んだのです。そして、泣いて縋るレンに、家族を泣かせないという最後の願いを叶えさせてくれと言ってショウは自分の中にある“世界”に向けて望みを伝えます。“俺が最後の役目となる”と。もう誰も悲しませない世界にすることを。
願いを叶え、消えようとするショウを支えたのは、ハル、コトセ、ユキナの3人でした。3人はショウがいなくなったら幸せになれないのだと自分たちの想いを伝えます。すると、世界の一部になったユウ、マヤ、アカリ、ショウたちが、ショウを世界に留まらせることを望みます。わたしたち“世界”だって誰も悲しまない世界を望んでいるのだと。そして、ショウに幸せになれと言って彼女たちは消えていきます。これまで自分の本当の気持ちに蓋をしていたショウですが、皆から幸せを望まれ、ようやく自分の本当の願いを口にするのでした。「何の悲しみも誰の犠牲もない世界でもう一度生きたい」と。
ショウの願いを叶えた世界。月虹樹の丘の上の空は先ほどまでの朱い空ではなく美しい青い空に変わってしました。白い花々も色とりどりの花へと変わり、花びらを舞い散らせます。まるで新しい世界を祝福する紙吹雪のように。しかし、そこにショウはいませんでした。ショウがいなくなったことに悲しむ4人。しかし、ハルは月虹化のあった場所を見てふと何かに気付きます。ハルが近づくと、花々の間から人の身体が見え、あのときのように覗きこみます。すると、ハルは先ほどの悲しみの涙から更に大きく涙を流し、その人へと手を差し伸べ声をかけます。「約束、やっぱり守ってくれたんだね、今度こそおかえりなさい」と。
【エピローグ】
誰も犠牲になることのない世界となり、日常が戻ったファミーユ。その日は皆で母親のお墓参りの日でした。結局、失った命も記憶も戻ることはなく、ハルが“アキちゃん”と昔の呼び方に戻っていること以外、ショウのことを覚えているのは相変わらずレンだけでしたが、誰もそのことを気にしていませんでした。ショウは母親のおかげでこの幸せを守れたからと自分の名前ではなくショウの名前をそのまま借りていました。そして、母親の墓前で誓います。皆は母さんの代わりに俺が守っていくから、だから安心して見守っててと。
枯れない世界と終わる花 個別エピローグ あらすじ
【ハル編】
“アキちゃん”について、ずっと日記を読んで記憶がなくとも忘れないようにしていたハルは、もう一度思い出を作り直すためにショウをデートに誘います。そして、デートの日の夜、ハルはショウを自分の部屋に招き、当時ショウが作っていた料理を日記に書いてあったものを参考に作って2人で食べます。ハルがそんなことをしたのは、“ショウさん”と“アキちゃん”を同じ人物として見ているけど、“アキちゃん”との記憶がない私が好きと告白しても、今の“アキちゃん”に失礼なんじゃないかと思ったから。けど、それはショウも同じでした。昔からハルのことが好きだったけど、今のハルは“アキト”との記憶がないから、出会って日が浅い自分に告白されても説得力がないと思っていました。こうして、2人はお互いに好きと告白しあい、恋人同士になったのでした。
それから2人は周囲にからかわれながら(構ってもらえないレンはだんだん荒んでいきましたがw)、幸せな日々を過ごしますが、ショウは皆に隠れてずっとバイトをしていました。そんなある日、ハルは最近家に来てくれないのにレンから帰りが遅いと聞いていると浮気を疑われます。そこでショウは買ってきた日記帳を渡し、ハルのために欲しいものがあったから今まで外でバイトをしていたと話します。ハルは日記帳を貰っただけでも嬉しいと思っていましたが、ショウからのプレゼントはそれだけではありませんでした。
もう1つ日記帳とは別に袋から取り出した物は指輪でした。ショウはハルが「幸せすぎて怖い」と言っていたことから、ハルを安心させるために自分が出来ることをと考えた結果、指輪をプレゼントしてプロポーズすることを思いつきました。そして、指輪をハルに渡した後、ショウは彼女に「俺と結婚してくれ」とプロポーズ。するとハルは嬉し涙を流し、わたしのこと、アキちゃんのお嫁さんにしてくださいと返事をします。そして、ハルは少しずつアキトの事を思い出していくのでした。
【コトセ編】
マヤから託された最後の1ページ。コトセはまだ何を書いていいのか迷っていました。そんなある日、仕事中にイチャついていたところ、ハルやユキナに「早く子どもの顔が見たい」と言われ、2人は子作りエッチに励みます。
デートの日、レンにイチャついてるところを見られ、彼女のご機嫌取りに一緒に連れていきますが、アイスクリームを売っていた行商に親子だと勘違いされます。その日の夜、コトセはレンを妹としてではなく娘として、少し大きな家に引っ越して3人一緒に住もうと提案。ショウもそれに賛成して、それなら先に夫婦にならなきゃなと言ってプロポーズするのでした。
ショウと一緒に過ごして、ようやく書きたいことを見つけたコトセ。それは、マヤが作ってくれた幸せを書くことでした。“悲しい”という気持ちを取り戻してくれたマヤが私に届けてくれた幸せを書きたい。そして、マヤが書いた小説の最後の1ページには「花びらの雨の後には、空に虹が架かる」と一文が加えられたのでした。
【ユキナ編】
それから一週間後。恋人の部屋を訪れたショウですが、出迎えてくれたのは可愛い彼女の笑顔ではなく、とても不機嫌な顔でした。ショウが理由を尋ねると、ユキナは終焉のとき、何故自分に何も言わずに行ってしまったのかと怒っていました。家族を失いのはもう嫌だと知っていたはずなのに。あのときのショウには余裕がなかったものの、ユキナの言うことはもっともだったため、謝ります。ユキナは謝ってほしかったわけじゃないと言い、帰りたければ帰ればと言って後ろを向いてしまいます。ショウはそれが冷たい空気ではなく、やり場のない悲しみなのが伝わってきたため、彼女を後ろから抱きしめます。そして、もう二度とユキを置いていくなんてしないから、許してくれと言い、愛していると伝えると、ユキナはようやくショウの方を向き、あたしから離れられないくらい愛してあげるからと言って涙を浮かべながら抱きついてくるのでした。
いつの間にかハル達に付き合っていることを知られ、レンもようやく2人が恋人同士になったことを知り、気を遣って自分もショウから卒業して自立しようと言いますが、ユキナは家族なんだから気を遣わなくて良いと言い、自分の部屋からファミーユへ戻ってくることを決意します。こうして、レンも一緒の同棲生活が始まるのでした。
デートの日、2人は両親を“病気”で亡くしたという子どもと出会います。ユキナはその子の両親が本当に病気だったのかと疑問がわき、自分たちは元に戻れたけど、人が消えた現実は変えられなかったと言います。そして、そんな自分に何が出来るか考えた結果、ユキナは母親のようになることを決意。身寄りのない子どもたちを助けてあげたい・・・家族を失くした子どもたちに家族の温もりを教えてあげたい・・・それが彼女の新しい夢でした。そして、ユキナは夢を叶え、かつて母親と一緒に5人で暮らしていたあの教会を修復し、孤児院を作るのでした。
【レン編】
ある日の朝、レンに起こされたショウは弾みで彼女の胸を触ってしまいます。それから数時間後、レンは未だ胸を触られたことについて怒っており、いつの間にか三姉妹にも知れ渡っていて、レンに謝るよう言われてしまいます。そして、レンと一緒に買い物に行くようにハルに命令されたショウは、買い出しでレンにお菓子を買ってあげるとようやく彼女の機嫌が直り、一安心。
レンの機嫌が直ったところで、今まで疑問に思っていたことを聞きます。それは、レンが人間になったのかどうか・・・でした。レンは声も聞こえなくなったし、ショウがそう願って世界がそれを許してくれたから、人間になれたのだと思うと答えます。レンは人間になれたことを嬉しく思い、たくさん楽しいことを経験させてくれたショウに大好きと言い、ショウもレンのことが好きだと言いますが、レンとショウの「好き」の意味が違うことを、この後ショウは思い知らされます。
三姉妹に対し、女性として扱っているのを見て、自分も三姉妹の真似をしてみたレン。しかし、ショウにはまるで相手にされず、またも拗ねてしまいます。レンは大人の女性になりたいと言うと、ショウは彼女の機嫌を直すため、それならデートしてエスコートしてあげようと言うと、レンもそれに賛成します。しかし、デートの途中でレンがアルコールを飲んで酔っ払ってしまったため、デートは一瞬で終わってしまいましたが、デートの最中、レンがしきりに「オトナ」を連呼していたため、何か理由があるのだろうと思い、酔っ払って寝てしまったレンを家に連れて帰り、目を覚ましたときにその理由を聞きます。
レンはショウに自分も女の子として見られたいと思っていました。ショウはそれを聞いてこれまで自分が彼女のことを子ども扱いして傷付けたのだと思い反省しますが、レンが1人の女性としてレンのことが好きだと分かると、彼女の想いを受け止めるのでした。
枯れない世界と終わる花 感想
シナリオゲーだと思っていましたけど、意外と短かったですね。感覚的には、ロープライスとミドルプライスの中間くらい。結構さくさくと進みます。
内容は最後まで読めばとても良い話だったことが分かりますが、世界観の説明がないまま話が進むため、話についていけない状態でコトセ編やユキナ編を見て行くことになるのが残念だったかな。まぁ世界観について説明したらネタバレになってしまうので仕方ない部分はあるのですが、主人公やレンの言ってることはよく分からないことが多くて、モヤモヤする時間が長かったですね。主人公が全てを知ってるくせに情報をプレイヤー側に提供しなかったのが要因ですけど。なんか抽象的というか曖昧な表現ばかりでしたし。
まぁでも、内容そのものはとても良かったと思います。暗めのシナリオですが最後はハッピーエンドになる感動系ですしね。特にエンディングの演出は良かったです。エンディングテーマも良かった。ハルとの出会い、ハルとの再会、そしてエンディング。これらを全て同じシーンにするとか、エンディングのスタッフロールが流れてる間にレンの独り語りがあるところとか。世界観を理解してから2周目を見ると、もっと感動できるかと思います。
イチャラブが少ないだろうなっていうのは体験版をプレイしたときから分かり切っていましたが、やはり少なかったですね(爆) でも、個別エピローグはイチャラブオンリーで良かったし、出来ればアフターストーリーでFD化してほしいくらいでした。それぐらい、エピローグのイチャラブは良かったです。シリアスとイチャラブを両立させるなら、フルプライスにするしかないでしょうねw
ヒロインについては、どのヒロインも好みでした。レンはちっぱいなので興味なしですが、言うほどぺったんこではなかったですねw レンに関しては将来性があったのでやはり数年後のアフターストーリーが見たいですなw 1番好きなのはハルですが、コトセもユキナも同じくらい好きになれました。特にコトセの世話焼きっぷりと尽くしてくれる感じが良かったです。ユキナは少し子どもっぽいところがあるけど、母性を感じさせるところがあったし、ハルはとことん甘えてくるところが可愛かった。甲乙付け難いので、おっぱいでランク付けして、ハルが1番好きということにします(爆)
Hシーンはハル、コトセ、ユキナの3人はそれぞれ3回ずつ。レンだけ1回です。ハルのHシーンは不満ばかりでした。何故おっぱい見せなかった・・・?1番おっぱい大きい子だから期待してたのに最初のH以外、本番で見せることがなかった・・・すごくガッカリ。最初のHも男のアレが大きく映ってて微妙だったし(あの角度の体位は例えおっぱいが見えてても嫌い)、2回目はバックで後ろからのアングル、3回目はだいしゅきホールドとおっぱい見せる隙がなかったです・・・。パ○ズ○フェ○があったのがせめてもの救いだなぁ・・・。逆にコトセのHシーンは良いですなぁ・・・おっぱい見せてくれるので満足でした。やはり巨乳っ子はこうやっておっぱい見せなきゃダメですよ!結構エロかったし、満足でした(*´Д`*)b これでパ○ズ○フェ○があれば完璧だったんですけどねw ユキナはおっぱいこそ2人と比べると小さ目ですがおっぱいは3回中2回見せたのでそこそこ満足w やはり声優さんの力は大きいなぁ・・・。レンは1回目は着衣Hなので論外ですが、連続2回目のHではおっぱい見せたし、見た目の幼さの割におっぱいが大きかったので満足でした。最後に生理が来てないというオチがあったのはウケましたw
そういえば、ユキナの「お兄ちゃん」が1度だけ聞けたのが嬉しかったですねw 一応、妹だしあの人の声だし、期待してましたけど、言ってくれて私は満足しましたw やはり、この声で「お兄ちゃん」は最高である!w
まぁそんな感じで。最後まで読めば感動できると思いますし、シリアス一辺倒のシナリオでもOKという人や序盤の訳分からん展開でもキャラさえ良ければ構わないという人にオススメです。そのためにも体験版プレイは必須かな。体験版の内容でも大丈夫って人なら楽しめると思います。
さてさて、お次も2016年11月発売タイトルになります~。
「枯れない世界と終わる花」の公式サイトはこちらから↓
内容も良かったけど、おっぱいもそれに負けないくらい良かったですw ( ゚∀゚)o彡゚おっぱい!おっぱい!