中日新聞 2010年9月19日 P19面より引用
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ゆっくり温度を上げて
ようやく猛暑も収まり、秋の涼しさ
を感じるようになりました。「天高く
馬肥ゆる秋」。これから普段にも増し
て、なぜかいろいろなものがおいしく
感じる季節です。今回は「秋といえば
!」の食材であるサツマイモを科学し
ます。(中略)
サツマイモのおいしさ、つまり甘さ
は、加熱の方法が鍵を握っています。
サツマイモはでんぷんが多く含まれて
おり、加熱でそのでんぷんが糖に分解
され甘味が出ます。この分解のときに
大事な役目を果たすのがアミラーゼと
いう酵素。この酵素の働きで、でんぷ
んが糖に変化します。この酵素は熱に
弱いので、70度以上になると効果を
失ってしまいます。この現象を「失活」
といいます。電子レンジによる加熱は
食品中の水分子を振動させて温度を上
げるので、効率よく短時間で加熱でき
ます。でも、一気にサツマイモの温度
を高くしてしまうと、甘さをつくる役
目の酵素が失活してしまいます。です
から電子レンジは甘いサツマイモ作り
に不向きなのです。(中略)
自宅でも蒸し器やオーブンで「ゆっ
くり温度上昇」を守れば甘いサツマイ
モを作ることができます。
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▼この間も電子レンジを使ったサツマ
イモの料理を作りましたが、砂糖をた
くさん使うレシピでした。なるほどア
ミラーゼという酵素は熱に弱いわけで
電子レンジで加熱すると、便利だけど
今少し甘さが足りないということにな
る。やはり昔ながらの蒸し器でじっく
り蒸すのがいいというわけですね。意
外にキッチンは科学そのものです。今
度は蒸し器でじっくりとやってみます。
そうすれば砂糖の量も随分と少なくて
済みます。
こめぞう