<えごのき>
「玄関(げんかん)」という言葉。
西洋の言葉だと、エントランス(the main entrance)とかドア(front door)とかいうらしいけれど、
漢字の表現している意味、考えるほどよく分からない。で、調べてみると、これ、仏教語だ。 「深遠な
悟り(=玄)に入るための関門」ということらしい。特に、禅門のお寺では、悟りを開くための道場という
意味合いで、そういうことから、お寺の入口を指すようになったとか。それが武士社会に取り入れられ
るようになり、次第に、一般化していったようだ。
そういえば、昔(中世)の日本の一般住宅では、縁側のようなところから出入りするのが一般的だった
と聞いたことがある。今の玄関に当たる進入口は存在していなかった。だからわれわれ僧侶の習慣にも、
一般在家の自宅へ赴く場合、縁側から進入して仏壇に座る、という習慣が残っていたのかも知れない。
(これは、キリスト教伝来の歴史的背景を持つ地域に限定されるかも知れないが)実際、私も十数年前
までは、縁側からにじり上がっていた。もっとも、現在では、縁側の存在が希薄になってしまったけれど。
いまやったら、・・・怪しまれるに違いない。