・故人さまへの
・あるいはご先祖さまへのお供えには、花が選ばれます
・お墓にも、お仏壇にも、お位牌堂にも
・時と場所を選ばず、亡き人を尊ぶとき、人は花を手に取ります
・数千年前の縄文時代の遺跡、特に棺の周辺からも花の化石が見つかったように
・一部のサル科の動物たちが群れ内の友人の亡骸に花を持ってくるように
・やもすると弔いの気持ちには本能レベルで花と言う美しさを添えるのが搭載されているのかもしれません
・育ち、咲き、朽ちる
・人の一生を凝縮したかのような儚き性質に、何か想い重ねる部分もあるのかもしれません
・一方でその自然の当然の摂理に対して煩わしさを感じるのも人間
・造花の増加がそれを顕著に顕します
・生花に比べ美しさが継続する造花は、その管理の容易さから供花としてもはや主流の赴きです
・生花はいずれ朽ち、異臭を放ち、捨て、新しいものと入れ替えられます
・万象の定めと同じく
・命の定めであるからこそ、手間がいることが必然となります
・生花からは、美しさによる癒し、開花を見たときの喜び、しなびゆく様を見ての儚さを、美しき無常を感得させてもらえます
・だからこそ、お供えは生花であってほしいと、仄かに心中において、しかし強く願うものです