仲間内の最高齢者である大御所だが、足の調子が芳しく無く、農作業に支障を来しているようだ。ザクッと見渡しても彼の耕地は雑草だらけ(失礼!)といった状態で、他の仲間達に比し遅れ気味のようだ。とりわけ彼の中心課題でもあるサトイモの栽培畑が緊急事態のようで、見るに見かねる・・・・・・と言った案配だ。反して子狸の方は月内にタマネギの植え込みを終了すると、ほぼ大きな作業は無くなってくる.彼の支援にも回れそうだと判断した。
たまたま彼の出動中に遭遇出来たので、思い切って声がけしてみた。12月に入ると多少手が空くので、草刈りなど手伝いましょうか・・・・・・と。返ってきたのは、イヤ有り難う結構だよ、俺の方で十分出来る。との回答だった。どうやらお好みのトラクターで一気に耕耘したいらしく、チャンスを覗ってるようだ。彼の気持ちも解るのでそれ以上の提案は避けたが、チョット困難な見込みのようだ。というのは他でもない、トラクターのエンジン不調で修理待ちの状態のようで、動かせない以上エンジニアに来訪して貰うしか無いのだ。
エンジニアには個人的なツテがあるらしく、タイミングを図ってる時期なんだろう。刈払機で草刈りし、ミニ耕耘機で耕したら早いかと思うのだが、農作業には好みのスタイルがある。ご本人の選択によるしかないだろ、余計な口出しは控えておこうかなと。
そうこうしてアタフタしていると、長老からの声がけも。何でも師匠のミカン畑が害獣に荒らされているので捕獲罠を仕掛けたとのこと。俺が出動できない折には箱罠を覗いてくれとの要望だった。ご存じかと思うが罠には目的外の生物がかかる場合もありうる。取捨選択が必要なのだ。幸い師匠のミカン畑は子狸の耕地から左程遠くは無い。程よく覗くなど造作も無いことだ。
かくしてご了解のように、農作業は仲間同士の助け合いでもある。決して完全な個人作業では無いのだ。ここらが解っていないと田舎暮らしには大きな失敗が付きまとう。