木漏れ日の雑木林

金剛山の西山麓で里山の保全活動を行っています。自称若者集団ですが、実態は?

ミスターX

2024年12月05日 05時09分05秒 | 耕作放棄地

「戦わずして勝つ」と言うのが孫子の兵法の神髄らしいが、同様にして「リスクを負わずして戦果を得る」というのも同じ発想かと思える。何でこんな箴言に拘るかと申せば、農園の一角に設置した捕獲罠で摩訶不思議な現象が見られたのだ。下手人というか挑戦者というか、仮に当事者をミスターXと表現しておこう。現在のところは正体不明なのだ。

画像を眺めつつ状況を把握してもらえたら、と。害獣防止に箱罠を設置することは良くある手法である。クマやイノシシの捕獲でも箱罠を使用するケースは多い。アライグマやハクビシンにしても然りである。箱罠には中に入らせるための動機付けとして各種の餌を設ける事が多いだろう。つまり周辺への撒き餌、入口への導引餌、メインの罠餌、と言った品々である。各種の餌に惹かれつつ最後の罠餌にかぶりつくと入口が締まる仕掛けだ。

摩訶不思議な現象と書いたが、この手順を踏まずして最後の罠餌をかすめ取ろうとする生物が現れたのだ。無論、撒き餌や入口への導引餌は遠慮無く奪っている。そして最後の罠餌だが、中には入らず外部から手を差し込んで引っ張り出そうとしているのだ。

状況から見えてくるのは、ミスターXは設置された物が箱罠である事を理解しており、罠餌に食いつくと捕獲されることを解っている模様なのだ。従って閉じ込められるのを避け、外から手を伸ばしたのだろう。力も強力と見え箱罠を設置箇所より1メートル程引きずっていた。孫子ではないが、生死を掛けた体験の蓄積から生まれた知惠なのかも知れない。

ホモサピエンスとはラテン語で賢い人間との意味だそうだが、果たしてそうなんだろうか。何だか自然界に存在する害獣達に適当に遊ばれてるような気がしてならないのだが。それにしてもミスターXの正体は何者なんだろう。

 

 

 

 

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