IPAの剥がしについては、いろいろ経験の上、今後も続けますが、なんだかんだで樹脂が柔らかくなりやすく、乾燥後はちょっと硬化するのは共通項目と思います。
鉄コレは加温剥離が有効でしたが、ほかのABSではやはりダメだと思います。
また、IPA後の薄め液付着は概ねダメという結果も出ています。
どんな頑固な旧製品車体も痛めつけられています。
そして、なるべく短時間で。
これは賛否あってよいと思いますが、純度の高いIPAでも同じ結果が出ましたから、長時間漬けは危険ではあると思います。
さて、気を取り直して
キッチン製キハ183-500番台部品を使って改造にいそしみます。
分解。
屋根から改造します。
500番台は製品の550番台に比較して、屋根が大幅に異なること。
側面が一部異なることです。
本来、500番台原型にするには、トイレ窓の移設とトイレ点検口の一部削除が必要ですが、今回は便所改造後の500番代になるので、車体はトイレ窓埋めになります。
原型とするには、キハ182-0番台と同じトイレ窓位置にすることと、0番台と同じ場所の点検口を残すことになります。
まず、空気強制換気装置が500番台では不要なので引き剥がします。
このように。
続いて
別屋根を用いて、水タンクを撤去します。
水タンクは500番代においては室内設置だからです。
550番台では男子便所増設取り付けに伴い、水タンクは屋根上に。トイレ窓位置も変わった。ということです。
スコヤで切りたい場所を刺してレザーソウで一気に切りますス。
最終的に長さが戻ればいいのでここは適当に切りました。
水タンクが落ちればそれでよし。
別屋根を接着しました。
ビタッと同じ位置にあわせることがポイント。
強制換気装置の痕はプラ板で埋めてもいいのですが今回はこのようにスコヤで適当に仕切って
ケガいていきました。
このエリアで切り抜いてしまいます。
ざくざく。
くりんぱ!
別屋根で使わないところから
屋根を切り出して
仮板をあてがった上で
はめ込んで接着します。
瞬間接着剤でガッチリ接着。
その後
仮板を削ぎ取ります。
当然、さっき接着した屋根板は長すぎるので
ケガいて
カットしてから、端面を丸やすりとノミで仕上げていきます。
もうちょっとだな。
ここ、本当は屋根がこんなかぶさる形ではありません。
新製品で屋根が別体になったはいいのですが、この仕上げ部分がこのようなキャンバス押さえのような形と同じになり、逆にリアルさを失っています。
ここは屋根一体の旧製品がリアルです。
削り仕上げは最小限で済みますね。
このように改造します。
屋根は前後反対に嵌っていますが、クーラー以外を全て取り去ります。
ツリッと仕上がれば後は一度サフェを吹く順番です。
↑ではまた
今回も樹脂と揮発剤について考えさせられる内容です。
さて、改造を再開します。
キハ182-100とキハ182-500への改造です。
キッチン製キハ182-100改造パーツ。
とりあえず、キハ182-100番台の塗装を剥ぎたいと思います。
窓埋めした部分は完全に接着されているように見えます。
ところが
見て解りますか?
若干内側に反ってしまいました。
ABS接着剤が収縮したものと考えられます。
ま、これくらいなら大丈夫でしょう。
ね?
で、今まで度重なる剥離失敗を見かねた友人MY。
工業用の純度100のIPAを賜ってくれていました。
漬け込みます。
もう一台、のキハ182-0とで2台漬け込みました。
そうすっと。
1台は見る見る剥がれ落ちてくれまして、綺麗サッパリ落ちました。
これの所要時間およそ15分。常温。
で、改造途中のほうはナカナカ剥がれない。
そんなうちにちょっと所用があって3時間ほど家を空けたのです。
漬け込み層は、窓の近くにおいておきました。
で、本日の札幌。
最高気温31度の夏日を記録。
で、帰宅して引き上げると・・・。
なんだこれ━━━━ヽ(゜Д゜ )ノ━━━━!!!!
「また」です。
どう見ても、「逝って」ます。
あーあー・・・・。
めちゃくちゃです。
収縮しているのがわかります。
その代わり、キハ40系で見られた「ウェルドラインの浮き出し」は見えません。
「車体が綺麗に収縮している」んです。
IPA,ほんのり温かかったです。
いままで、鉄コレではIPA漬けを暖めると、直ぐ剥がれるメリットはありましたが、トミックス車体では今度、フニャフニャになってしまうというデメリットが現出。
あーあー・・・。
窓埋め部分も酷いことに。
ドア裾も歪んで縮み、使い物になりません。
見て解りますでしょうか?
裏側の薄い部分が浮き出てきています。
これはダメですね。
ちなみに出かける前に引き上げた車体には異常はありませんでした。
ダメージを食らった車体
ダメージをけ受けていないように見える車体。
艶が違いますね。
奥が異常発生。手前が異常なし。
ただ、この傾向ではIPAは一見異常なしにみえる車体にも少なからず影響を与えているだろうというのが自然な発想です。
「かろうじてギリギリを保っている」のであって、樹脂の内部構造にはある程度侵食しているという発想が自然ですね。
別の失敗例で、このIPA処理のあと、薄め液にちょっと触れたら崩壊したという例もありました。
この友人MYの例です。
良く見るとドアステップの欠け位置が同じです。
ここ、隠れウェルドラインがあって脆いんだと思います。
科学に疎い私ですがあくまで仮定です。
IPAって、樹脂の結合を緩ませる効果があるのではないかと。
こうな感じで、塗装膜が食いついているところに
IPAが浸透したら
樹脂の結合が緩むんじゃないかな?
だから、塗装が食い付から「抜けるように」バラバラになるんじゃないかな?
本来塗料の構造が溶けないIPAが剥がす力があり、更にボロッと剥がれる傾向はこうやったら説明つかないかな?
それを安心だと過信すると・・・
樹脂の構造の緩みが戻らなくなったり
歪んで縮んで硬くなるんではないかな?
で、結局最後まで緩んだ樹脂はある程度は緩んだままなんで、薄め液とかを後から付けると永遠に浸透を許して崩壊するんじゃないかな?
科学化学に詳しい人誰か教えてください。
とにかく、雑誌などのIPA万能論には個人的に警鐘を促します。
また、トミックスの最新樹脂はこの影響を特にランダムに受けやすいという事実?も知っておいたほうがいいのではないでしょうか?
やってしまったものはしょうがありません。
これの反省から、トミックス車体の剥離のときの条件に
「温度は上げない・時間長く漬け込むのは避ける」を追加記憶しようと思います。
ちなみにこれまでの仲間内IPA失敗例
マイクロエース103系 温度上げIPA漬け
同上
同上
トミックス旧製品185系 IPAのあと薄め液
KATO103系 IPA漬け数ヶ月@若旦那施工
【過信の恐怖】IPA・イソプロピルアルコールってグロイのね【一番凄い例】
トミックス新製品特急色183系 IPA漬け剥離の後、薄め液撫で@友人MY
同上
同上
トミックスキハ48 IPA漬けの上から塗装
↑特に厄介な樹脂であることは確かだと思います。