えーっと。
昨日も大きくやらかしたんですが。
どーも、やっぱIPAは万能じゃないってことが少し解ってきました。
ABS樹脂に色をつける顔料の骨材となる「バインダー樹脂」なるものが深く影響しているらしい。
イソプロピルアルコール はABS本体には浸漬試験でも変化なしとの公式試験結果が出ていますが
↓クリックするとPDF
http://www.umgabs.co.jp/jp/qanda/p08_chem.htm
http://www.kayo-corp.co.jp/common/pdf/pla_proof.pdf
どうも私たちが見慣れた「着色された」ABSにする「バインダー樹脂」なる混合物が深く影響するようです。
高分子の世界なので、思い切り化学式の世界であり・・・よくわからなくなりますが、ABS着色に際する媒体に関わる樹脂で、このバインダー(樹脂成分)の種類で顔料の違いによる樹脂粒子径が大きいと、分子鎖が複雑になる模様。
で、ABS本体にはIPAは影響しないけれど、完全攪拌されてるバインダー樹脂にはIPAにより変質や膨らむ性質のものがある・・・「ようです」
個人的には樹脂柔軟剤になる界面活性剤の乳化作用安定状態が、アルコールによる水分離により乳化不全となって脆さに影響するのかと思っておりましたが、ちょっとそれはメインではない様子。
やっぱり、もやもやはしますが、その着色された色の粒子の傾向によって、IPAは極めて深刻なダメージを与える事はある模様です。
ある知恵友人は「ペレット製造元はそもそも、こんな(アルコールに浸されて)膨潤しそうな使われ方を想定しては いないでしょう。」。
と。
私たちが製品塗装を剥がして喜んでいたのは、ひょっとしてある偶然。
または変質しているにも拘らず気が付いていなかっただけなのかもしれません。
また、スチロール系では加温使用も「あり」でしたが、ABSは加温するとほぼ間違いなくダメージを蒙るようだということ。
膨潤変化を促進するようですね。
IPAに一度漬けた車体は乾燥しても他溶剤や塗装溶剤の浸入を許しやすく、保形性を著しく落すこともまた、間違いないようです。
これはやはり内部組成に変化を及ぼしていることの模様。
スチロールにもバインダー樹脂を骨材に顔料が入っているはずですが、どうも結合性が異なるようです。
トミックスの旧製品でもマイクロのDD16のときも起きましたけど、IPAで剥がれない時に、数日乾かして放置してから薄め液に付ける(漬けるまで逝かなくても)だけで、必ず表面崩壊は起こってますね。
塗装をしても崩壊が起こるときがありました。
繰り返しますがつまり、薄め液が浸透しやすい材質にどんな状態でも変質しているんだと思います。。
それがABS射出整形時で起きる「ウェルドライン」など若干弱い部分に応力を集中させ、「ストレスクラック」や、「ケミカルクラック」「収縮」「硬直」「崩壊」になって現れる模様です。
・ABSにおいてIPAで落ちないときは「諦めましょう」なのかもしれないです。
・ABSで暖め漬けは厳禁。
(今回は偶然、暑い日に窓際においてしまって温まってしまったんだけど。)
・灰色もクロのABSも顔料による着色だけど、特に中間色顔料はその分子の大きさがごついか絶対量が多いのか、組織が変質しやすいと考えられます。