徒然刀剣日記

刀剣修復工房の作品・修復実績と刀剣文化活動のご紹介

信長拵写しの鞘下地

2012-04-09 22:41:02 | 拵工作
鞘の下地が完成しました!
収まる刀身は、写真下のお刀です。



柄前制作時の投稿は、以下のリンクより:
「肥後拵」(2011年07月25日)

ちなみに現状の鞘は、規格鞘などと呼ばれる既製品です。
特徴は、均等な反り具合のため、納刀時に鳥居反りの刀身のように見えることです。
また、鯉口部の径とコジリ部の径が一定のため、ノッペリとした外観になります。
そして、これが一番問題ですが、鞘の形状が使用時の配慮に欠けています。

上記の特徴は、規格鞘に限らず現代拵えのほとんどに共通する特徴です。



本来は、刀身にあった工作、外装だけを見ても刀身がイメージできるような拵え、が理想です。
無理に、写し拵えを着せることが良いとは限りませんし、刀身のための拵えでなければオーダーメイドの意味がないのです。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ご多忙! (北の村から)
2012-04-12 18:52:18
こんにちは、日が長くなってきましたね。

同時進行でいくつもの仕事を進めてらっしゃるご様子。
さすがですね!

信長拵ですか、羨ましいなあー。
自分も拵師さんに、そういうオーダーしてみたいですね。

最近、柄や金具を見ていて、
どうも片側に寄っているな、という印象を抱いていました。
白鞘ばかり眺めていると気付きにくい工夫ですね。
いやはや勉強になりました。

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貧乏暇なし (拵師)
2012-04-13 22:31:30
北の村からさん、こんばんは!

>同時進行でいくつもの仕事を進めてらっしゃるご様子。

常に数件の工作を掛け持ちしています。
当方では、恐らく業界最安価にて仕事をお受けしております関係上、生活していくために必要な最低限の数をこなす必要がございます。

多く手がければ手がけるほど、勉強になることも事実ですので、今しばらくこの形態の営業方針を貫きたいと思っています。
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