こんばんは。
秋田県横手市十文字町の地産地消デリカテッセン「紅玉」の「何にも専務」です。
3年前、東日本を襲った「東日本大震災」は未曾有の大災害をもたらしました。
その傷跡は深く、今も多くの人々に大きな影響を与え続けています。
特に福島県を中心とした原子力発電所の事故の被害は酷く、故郷に帰ることも出来ない人々がいることを考えると心が痛みます。
あの日、私は農家さんとのミーティングをしておりました。
大雪害で大変なダメージを受けた農家さんと善後策を考え、今年はやるぞ!と盛り上がった直後、今まで聞いたことの無い様な音が携帯電話から鳴り響きました。
そして携帯電話の画面に出た表示は「緊急地震速報」。
その直後に今までに体験したことの無い様な強い揺れを感じました。
直ぐに立ち上がって、「厨房の火を消して!」と指示し、2階の客室に上がりました。
幸いにしてお客様はいらっしゃらなかったのですが、もう立っていることも危うい程の揺れで、家内とともに柱につかまっていました。
そして停電。
その日は各社員を帰らせて、自分も自宅へ帰りました。
ついにその日は停電が復旧せず、ろうそくの一晩を過ごしました。
情報はほとんど入りませんでしたが、カーステレオをつけてると三陸地方が壊滅的な被害を被っている様子が伝えられました。
ラジオのアナウンサーが何度も繰り返し「皆さんと声を掛けあって下さい、支えあって下さい」と言っているのを聞きながら、今この東北が尋常ならぬ状況にあるのだと悟りました。
自分には何が出来るのか。
明日から自分に何が出来るのか。
それを考えると一つしか思い浮かびませんでした。
「お店を開けて、お客様を暖かくお迎えする」
スーパーもコンビニも閉店する中で、自分達が人の役に立つことはそれしか思い浮かばず、明日はお店を開けようと決心しました。
もしかしたら自分の不安を押し殺すためにやったのかもしれません。
もう商売人の本能で、お客様が困ったら大変だという一心で翌日からお店を開けました。
立ち寄って下さったお客様から「ここだけは開いていると信じてやってきた」との声を掛けて頂いたときは、自分達のやったことは間違っていなかったと思うことが出来ました。
★★★★★
デリカテッセン&カフェテリア 紅玉
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