西国第八番 豊山 長谷寺
ご詠歌 いくたびもまいる心ははつせでら 山も誓いもふかき谷川
ご本尊 十一面観世音菩薩
開基 徳道上人
朱鳥元年(686)に天武天皇の病気平癒を祈って道明上人が「銅板法華説相図」を初瀬山の西の岡に安置したことがはじまりとされている。
その後、神亀四年(727)に徳道上人が聖武天皇の勅願によって十一面観世音菩薩をお祀りした。
徳道上人は観音信仰に厚く西国三十三所霊場を開いた人でこの長谷寺はその根本道場とされている。
さらに天正六年(1588)に日本全国の関係寺院三千寺を有する真言宗豊山派の総本山となった。
11もの顔を持ち右足を少し前にみ出した観音菩薩像はいつでも助けに来て下さる頼もしい観音様だ。
番外の発起院を出ると門前町でお土産屋さんや食堂が賑やかに並んでいる。草餅や三輪そうめんなどにそそられる。
が、まずはお詣りと進んで行くと正面に仁王門が見えてくる。
この仁王門から長い登廊が本堂まで続いている。人生になぞらえて上中下の三つの廊下で構成されている。

399段の屋根付き階段廊下で長谷型灯籠が吊らされている。
廊下の両側は庭園で無数の牡丹が植えられていて長谷寺が花の寺と称される由縁。
何度か牡丹の時期にお詣りしたことがあるがその競い合うような華麗な美しさに見とれてなかなか先へ勧めなかった。
登廊の終わりを右折すると本堂。清水寺のような懸崖作りで大きな舞台になっている。そこから見える新緑は目に痛いほど瑞々しい。秋には映える紅葉の新芽がかわいい。

本堂の奥には勿論十一面観世音菩薩像が安置されている。
しばしお顔に眺め入った。

境内は広い。とても歩ききれるものじゃない。
定家塚、俊成塚、紀貫之の梅などがあり、万葉集にも詠われているこの寺は歴史の深さを感じさせられた。
昭和になって建立されたという五重塔が木の間隠れに美しい。
ちょっとお高いけどここでしか売ってないというお線香を買ってバスにもどった。

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