小梅日記

主として幕末紀州藩の学問所塾頭の妻、川合小梅が明治十八年まで綴った日記を紐解く
できれば旅日記も。

11月14日 36番、35番

2016-12-16 | 四国遍路 土佐(高知...
11月14日 36番、35番
仕事で北九州へ行った。それを機に残った札所を廻る決意をした。
小倉駅から朝一番の新幹線で岡山へ。高知まで乗り換えなしの予讃線特急アンパン号に乗車。岡山で買った駅弁を食べながら景色を楽しむ。大歩危という駅があった。亡兄と川下りしたことを切なく思い出す。









高知駅に着いたのは11時半。右も左もわからない。ショッピングモールはあるけれど観光案内風な所がない。地図で見ると36番から28番までは固まっているように見えるので一番橋の遠そうな36番を今日の目標としていた。36番の青龍寺の近くには評判のいい国民宿舎があるからそこで一泊もいいけど翌日からの行程を考えると無理だろう。高知市を起点にした方が効率良さそう。
やっと「高知よさこい情報交流館」という粋な建物を見つけた。散々調べてきたことはなんの役にも立たない腹立たしさを呑み込んで教えられたバス停へ。
天気は悪い。混んでいたバスも終点の「宮前スカイライン入口」ではわたし一人になっていた。誰もいない漁港の町。遠くに赤い橋が見えた。あれが宇佐大橋なのね…気を取り直して歩き始める。橋まで長く、橋も長く、あの後はもっと長かった。海なりの道。曇天までを背負っている感じだ。浜辺に降りて波と戯れているお遍路さんがいたが羨ましくもそんな気にならない。
ようやく仁王門に辿り着いたがなんと長い石段が待っていた。




36番 独鈷山 青龍寺(しょうりゅうじ)
ご詠歌 わずかなる泉にすめる青龍は 仏法守護の誓いとぞきく
本尊 波切り不動明王
36番札所青龍寺は標高40m。仁王門を潜り階段を登り詰めると本堂。その左に太子堂。納経所は仁王門手前左。
遣唐使として唐に渡った大師は長安の青龍寺で恵果に師事して密教の奥義を学んだ。帰国した大師は恩師の恩に報いるために日本にも青龍寺を創ろうと四国巡礼中にこの地に感じるところがあってお堂を建て石像の不動明王を安置して開創した。大師が唐に渡る折に船が遭難し不動明王が暴風雨を鎮めてくれたからだという。青龍寺は航海の安全、豊漁祈願、世間の荒波を鎮めてくれると信仰を集めてきた。愛染明王は国の重要文化財。







やっとお参りを済ませると14時を廻っていた。交通の便を甘く見ていた罰か、これからどうしたものかと悩む。バス停まで戻ってきたバスに乗る?しかし、降りたバス停はあまりにも遠く、近くのバス停にバスは来ない。バス停には大きな温泉旅館があって客の送迎をしていた。歩いてるときは誰もいなかったのにかなり大勢のお参りがあるのも納得。
行程を考えると今日中にもう一寺は廻らなければ。納経所でタクシーを呼んで貰った。奥の手である。

35番の清瀧寺はツアーでもタクシーに乗り換えるほどのくねくねした細い山道が続くらしく難所である。ネットでは清瀧寺送迎タクシーというサイトがかなりあり、マイカーの人もここではタクシーに乗ることを推奨されている。ああ、降り出しそうな空に迫る夕刻。

車は速い。
35番 医王山 清瀧寺(きよたきじ)
ご詠歌 澄む水を汲はむ心の清瀧寺 波の花散る岩の羽衣
本尊 厄除薬師如来
寺伝によると行基が薬師如来を創り堂を建立したのが始まりとされている。のちに大師が五穀豊穣を祈願して阿迦井権現と竜王権現を勧請するために壇を築いて法を納めた。その満願の日に杖で壇を突くと清水が湧き出た。その水は今も周辺をうるおしていて土佐和紙つくりも盛んとなった。
仁王門の天井には見事な龍が描かれているらしい。車で来るとこういうのは見損なう。







山の上にこじんまりと本堂と大師堂が並んでいた。真ん中に大きな観音像が立っている。晴れていたら太平洋まで見えるそうだ。文旦発祥の地らしく人の頭ほどの実がたくさん実っていた。美しい。歩きであれば仁王門までとそこからの長い石段が待ち受けているようだ。駐車場は石段を上がった所だからありがたいような勿体ないような感じ。



待っていてもらったタクシーで高知駅前のホテルまで行く。雨が降り始めた。
ビジネスホテルは事前にネットで予約してあった。
取りあえず一休み。そういえば朝の駅弁しか食べていなかった。
傘を借りて外に出た。はりまや橋の方まで行けば無数に飲食店があるらしいが傘を差してそこまで歩く元気がなかった。
明日の行程を考えなければならないので高知に着いたときに尋ねた「高知よさこい情報交流館」に行った。実に親切だった。たくさんの時刻表をくれ「My遊バス」の説明をしてくれた。路線はたくさんあるがともかくも本数が少ない。
それらを持って駅の食堂でカツオたたき定食を食べた。空腹なのにおいしくなかった。土砂降りの雨のせいかもしれない。




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