階段箪笥といっても古材風を使った模造再生品なんだけれど、松本民芸家具などと並べておくとちょっとばかり居間の雰囲気が僕の好みに合っていて、というわけでその上には節句飾りなどが置かれないときには、土人形などの雑多な小物類と一緒にこういう漆器類も飾っている。
この大型椀は大平椀といって、大きな平たいお椀ということですかね、亡くなった僕の母親はおひらと言っていたが、小さい頃この中におやつの代わりに芋などの煮物が入れてあったそうだ。
これより小さい平ための椀も大平と言っているようだが、母はあくまでもこのくらいの大きいのだけをおひらと呼んでいた、使い方はやはり汁が多い煮物を入れるもので、他には鰻蒲焼をこれで供したらしい。
外側は朱塗に山水の絵が描かれ、このような富士山の図が多いようだが鷹など動物図もあったとか、内側は黒なのは料理が映えるように考えているのだろう。
我家では食事用にはもう使うことはなくて、飾りの置物限定となってしまっている、ちょっと古びた感じの階段箪笥の上には染付や土物より、こういう華やかな赤い漆器や九谷の色絵などの方が見栄えがするだろうということで。
2009年7月からの再掲です、これは今も階段箪笥の最上段が置き場所となっている、そこは僕の目の高さよりも上なので小物類は飾れないこともあって、またこれは軽いものだから