僕はお小遣いでしかこういうものを買わないから必然的に人間国宝作家の作品とは無縁であったが、この盃は原清がまだ認定されるかなり以前に買ったもので、作風も今のものとは違うが高台裏に清の文字印がある。
これは富岡八幡宮だったかの骨董市で、こういう市に出店するのは初めてみたいな新人君が作家者ぐい呑のみ10点ばかり並べていて、その中に女房共々好きな作家の原清の名に惹かれて買ったもの。
今見る作品は黒っぽい鉄釉のあいだに黄色の鳥などの文様を浮かび上がらせる作風のものがほとんど、この盃は白線之酒盃と箱書きがありそのまた師匠の石黒宗麿の作風なのだそうだ、これが石黒作だったらもっとスゴイんだけれどと丁寧に説明するのに対して、僕は昔のまだ未熟時代のものじゃないかと値引き交渉して購入したもの。
この人が人間国宝に認定されて改めて運よく安く買ったなぁと、かなり前の作品だとしてもこれが認定後だったらこんなお値段では買えなかったでしょうね、案の定認定後にはバンと値上りしましたよ。
この細い白線はイッチン風に盛り上がっているのがいいですねぇ。
2009年4月からの再掲です