<第一日目> 今年も東北道は白河で降りて猪苗代西を通る道筋を走る、直前に甲子道路が開通したのを知らなかったので次回はルート比較してみましょうね。まずは喜多方にて朝ラー、その後いつもの店を回ってお買物、そして会津若松に回って七日町あたりを散策、昼食はネットで調べたら評判が良い洋食屋で、その後漆器店や会津木綿織元を巡り、最後はまだ見物していなかった末廣酒造嘉永蔵に立ち寄り、さぁお時間と猪苗代町の中ノ沢温泉にという行程。
・まこと食堂
今回も喜多方まで一直線で朝食はまこと食堂の中華そば、いつもの親父が居なくて作り手は威勢のいいお姉さんでちょっとばかり戸惑っちゃいましたが、味はいつもよりやや油が多めで透明感がなくて醤油味も少し濃かったかな。
壁に先代お爺さんの写真パネルが飾ってあるのを始めて見たから、お亡くなりになったのかな。出発二日前だったかNHKの夕時ネットワークで喜多方ラーメンを紹介、朝ラーというものを始めたという板内食堂と喜多方ラーメン発祥の店源来軒が出ていたが、地元では板内派とまこと派に大別されるということを昔聞いたことがある。僕はまこと派です。有名店は昼には大行列となるので朝ラーしたほうがいいですよ。
・清川、はすぬま製麺、会津桐工芸館、木之本屋、あづまさ
蔵元清川の銘柄太左エ門酒は無くなって古酒清川がそれに代わったそうだ。漆器と工芸品の木之本屋の桐粉人形は種類がいくつか増えていた。昔は雰囲気が良かった中町あたりはうるし蔵やまとが無くなって寂れた感じがします。近くには米問屋蔵を改装した食事・土産・漆・会津木綿のあづまさがあって観光バスが入っていましたがそちらからは中町通に人は流れてきていないようですね。このほかにも蔵造の観光名所は豊富なのですが新たな企画でも無いかぎり我々はもう見飽きていますから素通りになっっちゃいました。蔵の町喜多方は甲斐商店や大和川酒造、三谷の煉瓦蔵などの観光名物だけでなく多くが街中に残っていて、表通からは商店建築を付加して隠され見えなくなった蔵造の建物を前面に出し、会津若松の七日町みたいに特徴ある店を集約したらいいのにね。
・会津若松 七日町通
観光客用無料駐車場に停めて散策、でも水曜日は多くの骨董店などが休みで残念でした、女房は古布を扱う笑家が閉まっていたのを悔しがっていましたよ。蕎麦のきよ彦花もお休み、有名店の満田屋や渋川問屋、七日町駅カフェは定休日無しで開いています。この通りに直行する道路工事に関連して一部の建物を和風に建替え中だったから益々よくなる予感がします。最後に満田屋の手絞胡麻油を購入して昼食に向う。
・葡萄屋
昼は一軒家の欧風料理の店、葡萄屋の4台の駐車場に運よく最後に滑り込む。この店は地元客で満席、我々のあとは諦めて帰るありさま、この日のランチセットはハンバーグ、カニクリームコロッケ、ボルシチの3種で850~890円、美味しいだけでなくボリュームもあってこれは人気があるはず。夫婦二人だけで切り盛りしているので食器類の片付けが間に合わない様子、アルバイトがいないから奥さんは忙しそうで、愛想をふりまけないのは仕方ありませんか。
・山田木綿織元
ここは最近では女房が端切だけ買いに行く織元で、いくつかまとめて買えば多少負けてくれるのが嬉しい。会津は製造元だとオマケしてくれる店がかなりあるので訪ねてみるといいですよ。
あづまさで買った和紙と山田木綿端切です。
・末廣酒造嘉永蔵
観光バス客と一緒になって中を見学、主人らしきに天井まで吹き抜けた大空間に豪雪地帯なのにこれで屋根がもつのかと問えば地震でも雪でも今まで大丈夫だったと。よく見ればトラス梁になっているので古い建物なのに珍しいなどと話せばこちらを建築関係者と看たようで、立ち入り禁止の看板の先、2階の大広間などにも案内してくれ当家の由来なども説明し、野口英世との関係など聞かせてもらい古い写真などまで見せてもらった。2階には徳川慶喜、松平容保、野口英世の書額や吉田茂、大平正芳の書まであって、他にもお宝があるらしいが吹聴すると泥棒が怖いからと笑いながらちょっとばかり自慢する。古い酒蔵の方の2階仕込部屋などからクラシックカメラ博物館や主人の居場所を改装したという1階の喫茶室まで案内され、思いがけずにいい見物をすることができました。
・中の沢温泉 西村屋
高原列車がゆくのモデルになったという中の沢温泉にあるこの宿は昔の木造湯治場棟がまだあって客が入っているらしい、温泉団体旅行華やかなりし頃前面道路沿いに建てたと思われる古くて間口の広い鉄筋コンクリート造2階建てがメインのロビーと一般宿泊棟になっている。部屋数は平面的に奥にも別構造らしきが連なってかなりあるらしいが、覗いた厨房の人数など従業員は少ないようでそんなに多くの客は取れない様子、もっぱら家族的な経営のようだ。食事などは廊下を挟んだ道路側の部屋で用意され、こちらの方は食事専用部屋となっているのでしょう、磐梯熱海に通じる道路を走る車両の音がかなり大きく寝るのには問題ありそうですからね。風呂は男女入代わる大きな岩風呂と隣接二つの小型板張り床の内風呂に、外に独立する男女別露天風呂で、特にこの露天風呂の先には渓流が流れてその向うは森林と表向きからは想像できないような山中の風景で内風呂より温めの湯にゆっくりと入れるのがよい。飲泉もできる殺菌効果が高いという透明な酸性含硫黄鉄(Ⅱ)硫酸塩硫化水素泉はいずれの浴槽も掛け流しでどんどん流れ出ていて泉質もなかなか素晴しい。食事は野菜などが多い素朴な家庭料理風ではあるものの熱いものは熱く供され、品数もかなりあってこれはこれで好ましいもの。泉質効能といい食事内容といい、我々老体の身には嬉しい温泉じゃないでしょうか。またこの宿の厨房は女性陣で、配膳はオッサン一人というアンバランスも面白い、自宅飲泉用に持帰りペットボトルサービスをオッサンに頼んでおくことができますよ。 翌朝の食後のコーヒーはコーヒーメーカーのままで好きにスイッチを入れて作って下さいと食事膳と一緒に持ってきたのには笑っちゃいました。
夕食にはこの膳に加えて天ぷらと鮎塩焼にフルーツも出ました。蓋してあるのは鯉こくです。朝も一人二膳でタップリですよ。