ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

おわら風の盆と立山黒部アルペンルートを廻る健脚を試される旅 第一日目 9/1(水) その1

2010-09-14 10:49:00 | 旅日記
 今回の団体ツアーの第一日目は夜の越中おわら風の盆を見るだけが目的だから、東京駅集合時間は9時5分と遅め、この時間帯だと通勤客もまだ多いから、我々は大きな荷物を抱えて迷惑者になっちゃうから避けたいんだけれどね。
 この前東京駅に来たのは梅雨時7月上旬の八幡平の秘湯に入るツアー以来、旧東京駅の復旧工事は進んでいないようだったけれど、集合場所の日本橋口までの通路の大丸デパート側の仮囲いはほぼ無くなっていて、こちらはほとんど仕上がっている、約2ヶ月で様子が変わってしまうもんだと。建築でも古いのものほど手が掛かるわけで、それも文化財だから無理も無いなと。
 集合場所に集まった参加者以外にも上野と大宮で乗車する人がいるとかで総勢は40人に添乗員が1名、かなり人気のツアーではあるようだ。乗った新幹線は9時28分発のMAXときの1階席で、これは以前に佐渡旅行で新潟まで乗ったのと同様窓からはほとんど外は何も見えない。新潟への新幹線ではこういう格安団体ツアーはこれが決まりなのか、1階席なんて言わずに地下階席と言ったほうが誤解が無くなるぞ。でも今回は越後湯沢までだから本など読んでいればあっという間の1時間ちょっと、バスに比べたら格段に早いしそんなにブータレることもないか。
 10時40分越後湯沢駅に到着、迎えの富山地鉄観光バスに乗り込んだ全員をさりげなく見たら全員がロートル組で、中には相当な高齢者もおられるようだ。乗って10分も掛からずに昼食の場所である国道沿いのドライブイン、温泉施設、錦鯉販売を兼ねたレストハウス越後に入る。この道筋は自家用車ではもう何回も通ってはいるが、個人的にはまず入らないという施設というか店というか、恐らくドライブインだけでは商売できないから温泉と錦鯉もやっているんだろう。昼食は甘エビ食放題ということだったけれど、皮を剥くのが面倒だからか、皆さん老人組のためか、別盛の大皿にあったエビは半分ほどしか捌けていなかった。食べ終わってから錦鯉の水槽をいくつか見たけれど、プラチナと金色の一色だけの鯉2種は高価だそうで値段は書いてなかったが、そのほかのものはまだ小さいからか1500円からと、泳ぐ宝石と言う割にはそんなに眼が飛び出るほどのものではないんだね。
           レストハウス越後
           甘エビ食放題昼食
  
  入口側には観賞用の錦鯉が         室内の水槽に黄金とプラチナの錦鯉が
 バスは石打ICから関越道に乗って長岡からは北陸道に、日本一という塩沢コシヒカリの産地では稲刈はまだ先のようだったが、長岡からはもう刈り取られた田圃も混じってきて全体の黄色みが濃くなっている。
           塩沢付近は稲刈はまだ
           長岡付近は一部刈取済み 
 上信越道との分岐上越JCTを過ぎて、いくつかトンネルを抜けてすぐの海岸沿いにある名立谷浜SAで一回だけのトイレタイムをとっただけで、続けていくつものトンネルを抜けて親不知の海岸線高架道を通過すれば富山県に。
           名立谷浜SA前の海
 天童よしみ似を自称するバスガイドから翡翠海岸などとロマンのある場所、名水の黒部、蜃気楼の魚津、ホタルイカの滑川などの説明を聞きながら立山ICで降りて南の山のほうに、田園地帯からやや山道に入れば立山主峰に本殿を祀る杉木立が欝蒼とした雄山神社と昔の立山登山の宿坊を過ぎればまもなく、立山黒部アルペンルートの富山側基点の立山駅にはほど近い、立山山麓温泉は立山国際ホテルに午後3時半前と予定より早めにチェックインする。ホテルの前にはスキー場がお決まりのようにあって、見れば周辺の山の木々には赤茶けて葉っぱが枯れているものがいくつか、きっとこれも今夏の猛暑の影響だろう。
                 雄山神社はバスから
           立山国際ホテル
           ホテル前のスキー場と山
 玄関にはこの日は6組の団体客歓迎の札があって、このお祭りが盛況なのがよく分かる。八尾で停まるのは至難で周辺に分散しているのだろうが、このあと金沢方面にというグループや、このあと祭りのバス駐車場で飛騨高山というのも見つけたから、旅行会社もいろいろな組合せパックを工夫しているんだね。このホテルは本館、別館、南館、西館とある大型リゾートホテルでかなり古いようだが、改装されていて内部はキレイ、トイレもウォシュレットなのがいい。我々夫婦の部屋は和室で、二人だとかなり広めながら眺めは悪いほうだったが、部屋は寝るだけだから文句は無い。冒頭写真にはホテルにあった周辺案内の地図を載せておいたが、雄山神社から室堂までの範囲を紹介していて、八尾は地図になくて風の盆はこのホテルの臨時収入扱いなんだろうね。
           この日は7団体ツアーが
 おわら風の盆の八尾にはバスでここから1時間ほど掛かるために、夕食は4時からでバスはホテルを5時に出発と言う。それまで30分ほどしかないのだが、2箇所ある浴場の一つ南館の極楽の湯に入れるのは夜11時まで、翌朝も10時からというので、今入っておかないともうアウトと、強引に30分でドボンと浸かってやった。その代わりにこの風の盆のあいだは本館の浴場の美人の湯は24時間可としているということだが、泉質は同じでも眺望が利く極楽の湯に明るいうちに入って正解だったね。湯上りに着替えたのは以前に焼津で買ってあった魚河岸シャツ、偶然にも焼津から来たというお爺さんが一緒になって、焼津の名物シャツを着てくれていると喜んでおった。風の盆には甚平がいいかと考えていたのだが、女房がそれでは恥ずかしいからお揃いで魚河岸シャツにしようって言うものだから、でもこれもかなりハデではあったなと。
 我々のグループはアンテロープという洋風レストランで日本料理、畳の和室レストランもあるようだが女房は椅子席がいいと喜んでおった。肝心の料理はかなりの品数でそれも手が込んだものが並べられ、お品書を見たら10品もだと、格安団体ツアーとしては充分過ぎる内容でしょう。さすがに富山は魚の宝庫、お造りは新鮮で身が引締っていてなかなかよろしい。メインは飛騨地方に近いからか味噌味の朴葉焼で牛肉は富山牛、合掌造りで有名な五個山豆腐というものもあった。富山産では黒部名水ポークがブランド豚であるがこれは富山ポークだというチャーシューや、おぼろ昆布によるシロエビ翁〆、ホタルイカ甘露煮、鱒寿司など少量ずつながらオツなものが、それとモロヘイヤうどんとあったのは氷見うどんなのかな。最後にご飯も一杯で量も充分でご馳走様でした。でもこれから暑い中を歩き回るとなると、アルコール類を飲んじゃうと大汗をかくこと必定で我慢することになって、これは唯一残念であったなぁ。
            夕食お品書
  
        これだけ品数が並べば充分でしょう          すまし汁にはとろろ昆布が
 越中おわら風の盆は江戸元禄時代に始まるとあって、台風襲来が古来より一番心配されるという二百十日となる9月1日に、風鎮めのためとお盆の踊りの風習が合体して生れたと、そしておわらとは八尾のおわら地区の名や豊作で大藁収穫とか大笑いするとかが転化したという。この踊り自体は一般の盆踊りとは一線を隔するものであくまで優雅、唄はハイヤ節などから派生したとかいうことだが、胡弓の響きとともに哀愁を帯び独特に洗練されたもの。詳しく由来を調べるといろいろな説があるらしいが、はっきりしたことは分からないらしいとここまでは予備知識を。
 バスは5時に出発、田舎道を通って八尾市街に入って交通規制がある中を地元のバスだから優先でフリーパス状態、JR八尾駅から歩いて10分ほどの自社のバス営業所の駐車場に6時前に。この道中ではバスガイドが、ここからだと旧町内の反対側末端までは1時間弱、でも大勢の見物客の間を縫って歩くから余裕を見てと言う。そして祭り見物の要領を講釈、まずはパンフレットにある特設ステージでは時間通りに踊りが見られるからそれから見て、そのあと本来の町流しをやっているのを探して見るか、それとも唯一の有料の小学校グランドの演舞場で各町内の20分毎のステージを見るか、但し有料のほうは行ってみないと混み具合が分からないけれどと。それと観光パンフレットには、記載されていないステージ場所で、寺など3箇所があるということも教えてもらう。とにかくこの風の盆の町流しは、町内毎に観光客を意識しないで自分流に気儘に始めるから、ちょうど具合良くそれにぶつかるにはかなり歩き回る必要があるらしい。それもアテ無しではダメで、本年の案内パンフレット(ガイドマップ)はとても丁寧になってきていて、町内毎にステージなどに出ない時間帯で自分の町内に踊り手が居る時間を書いてあるので、その間ならいつかは町流しが始まるだろうから、その町に目星を付けて廻るといいという。
                   今年のパンフレット表紙
 これについては横浜に帰ってからの新聞に、観光客にはいつ町流しが見られるのか分からなくて、見られずにバスの帰り時間になっちゃうという不満が多いと、こんなに観光客が増えて、観光と地元伝統とどう折り合いを付けていくのかが今後の課題という記事が載っていた。そういうこともあって案内パンフレットも丁寧になってきているんだろうね。その町流しも、もし雨が降るようだと町流しは一切中止、見た眼以上に高価だという羽二重の祭り衣装や胡弓などの楽器がダメになっちゃうからだそうで、団体の観光となるとかなり前からこの三日間だけの本番を狙って予約することになって、お天気だけはバクチみたいなもの。最近は前夜祭や後からのステージも開催されているから、本来の町流しも人混みで満足には見物できないこともあって、それらのステージだけでお茶を濁すことに割り切るのも、観光業者と地元の思惑にはまるのを許せばいいのかもね。最近は深夜まで見物できるツアーもあるようだから、一般の団体ツアー客が帰ったあとの時でも、ずっと踊り続けるという町での踊りをゆっくりと見るのもいいのではないかな。とにかく一度はこの本番の雰囲気だけは味わっておきたいよね。
 それだけレクチャアがあればあとは各自狙い場所と時間を決めてイザ!と、我々はまず5時から7時までの全体の夕食休憩中ではあっても、6時から始まる八尾駅前特設ステージの見物からスタートさせる。ここでは越中おわら節の演奏と唄に合わせて女性3人の女踊りがもう始まっていて、途中からこれも3人の男踊りが加わり20分間ぶっ続けのステージ、唄い手だけは次々に替わって男性が3人に女性は一人だけ、哀調溢れる胡弓に三味線の伴奏であの甲高い男の裏声は独特かつ長い息遣い、越中おわら節って難しい唄なんだねぇと、これには女性陣の優雅な踊り以上に感心してしまった。おそらく眼一杯の息だろうから歌詞はあんまり頭に入ってこない、これは事前に調べて来ればよかったな。男踊りは勇壮というけど、案山子の真似をした振り付けでキビキビはしていても豪快というものではなく、静の中の動という感じだね。踊り手の皆さんは編笠で顔は一切見えないから、奥ゆかしくもあるが、ハテ?美男美女だろうか。
          薄暮の八尾駅前特設ステージ

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