このツアーの最後の観光は数年前から始められたという新発田の花嫁衣裳の展示イベント、これは村上と時期は微妙に違っていてこの日は最終日前日ということだ。 岩船港鮮魚センターから海岸沿いに少し走ってから内陸側に入れば日本海東北自動車道が出来ているから、新発田までの以前みたいな一般道の渋滞にハマルことはない。村上を出てすぐ胎内ICから胎内川を過ぎていけば越後平野が広がって、やっと雪は止んでやや明るくはなってきた。
胎内川
内陸側には雪山が
越後平野でも雪解けが進んだ田園には白鳥たちが餌を啄んでいる姿がアチコチに見えて、こういう風景は関東では見られないからやはり見つけてはシャッターを切ることになってしまう。こちらでも我々が良く来る夏場には見られない光景だということもあるしね。
白鳥の集団が落穂ひろいを 飛び立つ二羽の姿を
新発田にも村上同様に寺町通りがあって、その一郭で元藩主下屋敷近くの観光駐車場にバスが停まる。事前に催しの案内パンフレットを見たら、駐車場近くの市島酒造と清水園の展示案内が別格のようなのでまずそれらを見物して、時間が許す限り繁華街方面の展示場をいくつか自由散策で回ってくるのがオススメというのに従うことに、どんなものか分からない初めて見る催しだからね。花嫁衣装となると雛人形とは展示スペースが違うから、一般の店ではそんなには豪華なものは期待できないだろうということもあるだろうと予想して、街歩きは少しだけにしましょうやと。その最初が藩主の下屋敷だった清水園、ここは庭園も見事なもの。
花嫁衣裳展示の催し案内チラシ
清水園庭園入口
下屋敷内の展示会場
飾りつけはこれだけ
広くて見事な回遊庭園
清水園の道路を挟んだ隣には足軽長屋が幕末当時のままに残されていて、こちらはもう2回も見ているからと外から眺めただけ。新発田藩は溝口家が外様ながら江戸時代を通じて移封されずに続いたという珍しい藩だそうだが、藩主の下屋敷のすぐ傍に身分が低い足軽の長屋があるというのが面白いね、何か理由があったんだろうか。
足軽長屋
清水園からはほど近い場所に鎮守の諏訪神社があって、その目の前に造り酒屋の市島酒造がある。市島家というのは本間様に次ぐ豪農だったそうで、米どころの豪農は有り余る米を使って蔵元を兼ねるというのはよくあること、ここの銘柄は王紋というが首都圏にはあまり出荷していないということだ。
正面に諏訪神社、右手に市島酒造
酒造り資料館
こちらは旧家だけに衣装展示は花嫁衣装だけでなく各所に付き人の衣装や子供たちの晴れ着まであって、ここ一ヶ所だけ見物すれば十分にも思われてしまう。さすがに豪農の旧家は違いますなぁ、これだけの衣装が残っていること自体がエライもんだ。冒頭写真はケースに入れて展示の時代物の衣装展示である。
花嫁衣裳ですか晴れ着ですか
付き人衣装やひな人形も
子供の衣装
更に衣装展示を見たあとは酒蔵の説明付き見学をしてきた団体の一団とともに利き酒をすることになって、これが種類を多く用意してくれているから飲みごたえがあってなかなかよろしい。全部を飲み比べてみたが大吟醸が思いのほかシッカリ味で旨い、普通は淡麗過ぎると僕は敬遠することが多いのだがこれはいいと女房と意見一致、四合瓶ならそんなには荷物にならないだろうとお買上げ。店内には面白い金魚の玩具みたいなものもあって、どういうものか説明書きを見たら新発田の祭りの山車である台輪の一つだそうで、これはちょっと買いたかったのだが女房の目が険悪そうで諦めておいた。
利き酒コーナー
買った大吟醸 金魚台輪もお土産用に
本棟の蔵から出てきたら別棟にはひな飾りもあって、こちらは見る人は少なくてハブレもの扱いみたいで可哀そうじゃないでしょうかね、我々はチャンと見物していきましたよ。
別棟のひな飾り1
別棟のひな飾り2
そのあとはまだ時間があるからと、新発田中心部の商店街のいくつかの展示場所も回ってみようかと地図の案内の半分ぐらいを歩いてみたが、ご多分に漏れずここもシャッター街になっていて寂しい感じで、こういう状況を打破しようと村上のお人形めぐりが盛んになるのに見習って花嫁衣裳展示なるものを始めたんだろうと推察することとなった。
シャッター商店街
街歩きで見掛けた変なものに、何の商売かは分からない店のショーウィンドゥに熊の毛皮と爪を並べていて魔除けとあった。毛皮は苦・魔を除ける、爪は苦・魔を詰めるということなんだそうで、こういう語呂合わせお守りは初めて見たが、こんなヘンテコものに出会うのも旅の御利益かなと。それと一部の横断歩道信号に待ち時間表示があるのにも驚いた、新発田の人はセッカチでこうでもしないと信号無視が激しいんですかね、それだとニューヨークでも見たからアメリカ人並みということになるな。ドウダとばかりに赤信号皆で渡れば怖くないというのよりマシにというのですかね。
熊の毛皮と爪のお守り アメリカではこれに似たものがあったが
展示場所にはいくつか町のたまり駅という観光接待場所みたいなものがあって、これらも町興しのためなんでしょうな。寒かったので途中で街歩きは止めてしまって、バス駐車場近くの寺町たまり駅というところで一服することに。この寺町たまり駅の花嫁衣裳展示は今だけだろうが、新たに作ったという祭りの台輪の常設展示もあって観光案内施設にはなっているが、この辺りは同じ城下町村上同様に立派なお寺さんが集まる地域で昔の面影が残っているから、それらも活用して点より面での展開を図ったらいいのにね。
寺町の通り
歴代藩主の菩提寺宝光寺
寺町たまり駅
花嫁衣裳は一つだけ
展示用に作ったという子供台輪
かくてこのツアーの観光は終了、再び高速に乗って新潟南部を通過して信濃川を越えて三条燕ICまで、新幹線は呼名が逆になる燕三条駅となって、発車時間までは余裕を見ているからと駅すぐ近くの地場産センターに立寄って最後のお土産タイムとなる。以前にこの辺りにツアーで来た時は何処かの会社の金物センターに案内されたが、名前通りにこちらの方が展示内容がさすがに豊富で、切れ味鋭そうな包丁など見るだけでも楽しくなっちゃうものが見つかる。でももうこれ以上刃物などを買ってもしょうがないと見るだけでおしまい。
信濃川
地場産センター
展示場
売店
燕三条駅は駅舎は大きいのに越後湯沢駅みたいな大型の観光売店施設は無くて、地場産業の刃物や洋食器類などだけの展示と販売コーナーはあるもののその他の売店はキオスクぐらいだから、お土産に新潟名産品を買いたいならここに来るまでに購入しておく必要があると分かった。女房が唯一見つけて買ったのは以前に買って飲んで調子が良かったという百草水なる漢方みたいな健康食品なるもの、効能を訊いたら僕には必要はないものでゴザンスね。
燕三条駅
駅の地場産品展示スペース
健康飲料になるんだそうだ
新幹線は時間通りに帰って来られるのがいい、それと夜だと外の景色は見られないからMAXの一階席でも文句はないと、つまみと缶ビールに村上のうおやで買った笹むすびを一つ食べて帰りまでの小腹をなだめて、帰ってからも買ってきた惣菜でワインを飲んでと、寝たのは午前様とは我ながら元気なものだと。ゴン太はお留守番がシッカリできるようになっていて元気なもの、この晩は我々が寝るまで付き合ってくれたね。