この旅の第一日目の宿は中野から山側に入った山ノ内町にある渋温泉、こちらには大昔に五色温泉に泊まった時にどんな温泉なのかと温泉街を覗いたことはあるが、 宿泊しないと外湯に入いれないということでガッカリした記憶がある。信州では山荘があるのでその開け閉めの時期は寒いので、冷えている山荘は避けて近くの温泉宿に泊まっているが、それ以外にはあまり旅館を利用することは無くて、20年以上も前に秋山郷から新潟へと大回りする旅に何回か行ったときに経由地として木島平や奥志賀に泊まったぐらい、今回は閉める際だが二泊することにして北信地区ではメジャーなこの温泉地に初めて泊まってみようかと、外湯にも興味があったので。
宿は四階建ての木造建築が文化財という金具屋、楽天のサイトで安いプランで予約を入れて、ということで部屋は奥のほうにある別館みたいなところであったが、中庭が見えるこちらも純和風のレトロ感がある広めの造りで古くからの温泉街に相応しい感じで文句はない、しかしそれなりの規模があるので歴史ある旅館にありがちな廊下が長いことと階段が多いことから歳を取ったら大変かな。
四階建て建物が文化財となっている金具屋
中庭のある二階建ての棟の客室に
客室
客室から見える中庭
この宿だけでも男女別の内湯と露天があるほか、空いていれば自由に使えるという家族風呂が五つもあるという、それも泉質が多少とも違っているというのにはビックリ、これに外湯も加わるからどれだけ入ったらいいのと、家族風呂は案内パンフにあった写真を見て二ヶ所ぐらい浸かってみればいいかなと。
男女別の内湯は日付が変わると入れ替えとなります
建築と源泉の説明、見学会の案内もあったが連泊でもしないと
昭和初期の建築の旅館ではこういう床仕上げは多かったようですね
渡り廊下も似た造りに
レトロな洗面と奥には湯たんぽがあったが、もう使っていないと思いますが、正面の壁柱の電話も飾りとして
食事はこちらも文化財という大広間の飛天の間で、舞台付き130畳もあって格天井という格式ある造り、暖房にはあとから加えたと思われるパイプが壁側にあって温泉を流しているらしい、この日は別部屋で宴会があったようで広間の半分ほどに客が、これだけ広いと少しばかり寒々しい感じとなりましたかな。夕食の内容は高級な食材は使ってはいないけれど、種類が多くて少しずつでも腹いっぱいに、蕎麦とご飯の両方は食べられないだけでなく蕎麦だけでも半分以上残してしまった、年寄り向きの腹八分目メニューがあったらいいのにね。
大広間の飛天の間
夕食膳
ビールと地酒の冷酒
お品書き
安曇野わさび漬け
胡麻豆腐
季節の八寸
しぶのじぶ煮 信州仕立て
信州サーモンの昆布〆と湯葉
凍み豆腐の炊き合わせ
山伏茸の土瓶蒸し
あげだし木の葉隠し椀
信州とろろそば
ナメコと原種エノキの汁 香の物
秋の水菓子
宿の温泉では内湯では鎌倉風呂とローマ風呂は当然として家族風呂では岩窟風呂と和子の湯にだけに、そして露天にもとそれぞれ一回だけと5湯を、温泉分析書を見たら泉質の基本はナトリウム・カルシウムー硫酸塩・塩化物温泉で、弱酸性から弱アルカリまであって構成成分量がやや違っているようだ、源泉の泉温は高いので利用温度は冷ましているはずだが、使い方頻度の違いでかやや熱めからぬるめまで、宿だけでも確かに温泉三昧できます、さらにの外湯については別稿で。
鎌倉風呂の前に金具屋の由来が
鎌倉風呂
ローマ風呂
和子の湯 岩窟風呂 露天風呂
朝食も飛天の間で我々は早い時間帯の7時半から、その前には早朝6時から利用できるという外湯巡りで、前日に入れなったところを制覇しちゃっていたから、腹も空いたとバッチリ食べることとなりました。
大広間の反対方向の舞台側を
朝食膳
とろろ汁は僕の大好物、この場合は本当は麦飯のほうがいいのだが
サラダ
山のものを使った副菜
すいとん
とろろ飯と味噌汁
朝食を早めにしたのは込み合うことが予想される野猿公苑に真っ先に行きたかったから、食べ終わったら早々にチェックアウトしたが、この温泉地はいかにも昔からの温泉街の賑わいに多少の鄙びたところもあってなかなか面白かった。信州では野沢温泉もこんな感じだったかなと、草津ほど大きくなくてこのくらいにまとまったところで外湯巡りができるここと野沢温泉には、車が運転できるうちにこれからも行きたいですね。
冒頭写真は宿の専用駐車場に送ってもらって、そこから渋温泉方面を遠めに眺めて見たところを。