ちょいボケじじいの旅・酒・エーとそれとね

毎晩酒を愛で古き日本と温泉を愛す、少し物忘れも出始めた爺が、旅日記やコレクション自慢などと、時々の興味のままを綴る。

会津で遊んで土湯の山奥1軒宿でじっくりしみじみ温泉に その3(最終)

2011-07-21 15:45:00 | 旅日記

 車の底が擦りそうな山道悪路を逆戻りして温泉街に出て、あとはまた土湯峠を越える一般道で会津若松にまた戻る。途中は道の駅つちゆに立寄り、雄大な吾妻連峰の山々(冒頭写真)の雄大な景色を楽しみ、峠を越えて下って行けば中ノ沢温泉入口手前の道筋には農産物や今は天然キノコなどが目玉の直売所小屋が並んでいて、そこだけが買物の出入りの車でやや渋滞している。さっそくとばかり我々も空いた小屋前の駐車スペースを見つけて立寄る。

 マツタケはさすがに無いしマイタケは栽培物だけ、しかしその他の天然物雑キノコは豊富で、クリタケ、天然ナメコ、白シメジ、ホンシメジ、ムキタケなどが1パック500円前後で並べてある。やはり炊込みご飯とキノコ汁にと少しばかり買おうとすれば、天然は掃除するのが大変と女房はエラクご機嫌ナナメ、でも買っちゃたものね、天然キノコは僕の大好物なんだからさぁ。さらに降り切って猪苗代町では稲川の蔵元で本醸造を買込み、紅葉の先に聳える磐梯山の眺めを楽しみながら車を走らす。
 会津若松では、元は干魚乾物問屋だったという重厚な建物を活用した郷土料理(中でも小ツユが旨かった)と旅館兼業の渋川問屋くらいだった七日町通りあたりが、数年前に駅舎を喫茶ショップにしてから話題になって、後を追っていくつかのレトロ風建物を改装した工芸店や骨董店から喫茶、飲食店などが集積してきて、随分に面白く変身しつつあると聞いていたのでブラブラ歩きしてみることに。有名店である満田屋の少し先に観光客用無料駐車場が出来ていたのでそこに停め、まずは満田屋に寄れば奥の田楽の店は昼ちょっと前というのにもうかなりの混みよう。手絞り菜種油の辣油だけ買って、昼は久し振りに新そばでもと七日町駅舎の方に歩き出す。

                  満田屋の奥の蔵が食事処

 七日町通りに出る交差点角の公園では骨董市の旗を立てて3店ほどが品物を並べている。これはと思った本郷焼の富三窯の箱書きがある玉露用お茶セットは細密な染付の濃淡を生かした絵が素晴らしく、確か4代目は色絵が得意だったからこれは3代目かと聞けば、その通りとの返事。お値段は急須に茶碗5個で8万5千円というのにはビックリ。なんでも3代目より2代目と遡るほど絵が上手くて値段も高いという、昨日の地場産業ブースに5代目というのがあったが、薄手の磁器ではなくなり絵も模様風になってまだ下手だねと言えば、やっぱりそう思うとニッコリ笑う。地元ではこういう品は評価が高く逆に高いものになっていることはしばしば、そういえば昨夜の宿の部屋に伊万里風花模様の染付一升徳利が飾ってあったが、絵は伊万里より凝った薄いぼかしも入れた奇麗なものだったのを思い出し、あれも本郷焼のかなりのお宝だったんじゃないかと。

 駅舎喫茶ショップの駅カフェで水出しコーヒー350円を注文、有名な蕎麦の桐屋は歩いてはここから遠いしでこのあたりで地元御用達の旨いそば屋はと聞けば、すぐ出て左側にあるきよ彦というそば屋さんは美味しいですよとの太鼓判に昼はそちらにしようかと。駅カフェ店内には地場農産物なども置いてあり、会津地方28市町村の逸品揃いの面白い土産屋にもなっていて、工芸品など存外に安くてプレミアを付けていないようだ。高級品よりやや小振りな会津名産のみしらず柿が60円というので、これは安いと買って店を出た。

                  駅カフェ

                  駅ホームに列車が

 さてきよ彦・花というまだ新しそうな店はあの着物作家きよ彦のプロデュースで彼のデザインの器を使い、店舗の設計は昨日の坂本漆芸が手掛けたと書いてあった宣伝パンフレット風メニューには、十割蕎麦だけとも書いてある。一度に打った蕎麦が無くなると次が打ちあがる迄20分は待ってほしいと、我々の次の客からはことわりを言っていた。ざるは730円、大盛はプラス250円で、ざるといっても海苔は載っていないのには拘りを感じる。やや透き通った細い蕎麦には腰があってカチッとしていて、久し振りに旨いという蕎麦に出会った。汁も江戸前風にやや辛めのもので、後の蕎麦湯を飲めばかなりいい出汁が出ていてこれまた結構と、十割でこの値段なら大いに合格点を進呈。

 向いにはとうふ茶屋があって玉梨豆腐茶屋がやっていると聞いていたのだが、その名が消えていてどこにもその看板が見当たらなかったのはどうしてだろう。2軒ばかり覗いた骨董屋はかなりの高め値札に冷やかすだけ。郷土工芸品では会津木綿を使った小物などを扱う店もあるし、漆器や七宝、絵ローソクを並べるところもある。祈りの資料館などというのも出来ているし、渋川問屋横も公園風に整備されてきているからまだ変って行く予感が。レトロ骨董屋の奥には座敷で喫茶をという店もあるし、これらのいくつかの店はマイカーの駐車場もあるので観光客には便利だろうね。小路に入ったところには会津物産を置きながら半分は日本酒バーといった店まで出来ているのはご愛嬌か。これからもっともっと集積してくれば益々良くなることだろうね、今後にも期待しましょうか。

                  渋川問屋周辺

 この近くには資料館併設の洋風レトロ建物の老舗漆器店白木屋もあるから、そのあたりまでは歩き回ることをお薦めしたい。もっと脚を伸ばすなら無料駐車場の前にレンタサイクルがあったから、それを利用して会津復古会会員の店巡りするのもいいだろうが、我々はほとんどご挨拶が済んじゃっているんで。また市内のホテルに泊まって夜をここで飲みかつ食べるのなら、新聞でもスローな店と紹介していた蔵を改造したというぼろ蔵という店に行ってみたいのだが、それは定年退職後の楽しみにしておきましょうかね。
 最後に女子供のお土産をと、そうはいっても女房が大好物の会津葵という和菓子をかの復古会会長の店で買って、昨日の往路そのままを逆に戻る帰途につく。途中天栄村物産直場所では夕食の野菜など買込み、R4への出口まで来たら右手前角で白河JAまつりが開催されている。駐車場が混み合っているらしく待ち車の列が長くて、ちょっとばかり未練残りながら遅くなるからとこちらは諦めて右折でICに向かえば、反対方向が大渋滞していてあの祭のせいかなと、罪作りだねぇ。僕らは脇道から入ったから助かったねと女房と話しながら、R4の上り方向はずっと順調ですぐに高速に乗れて。

 東北自動車道は途中矢板付近と加須あたりでやや渋滞ノロノロはあったものの、思ったよりスムースに帰ることが出来たのにはまずはヤレヤレでしたねぇ。二日間これだけ走るとやっぱり会津は二泊ぐらいしたいよね。


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