岡部にはおさかなセンターからすぐの焼津ICを通り越してR1に向かうことになる。そのICを越えた場所に福一という水産会社が経営しているスーパーがあって、今回初めて立ち寄ってみた。
こちら焼津福一流通センターは鮮魚の種類も多くておさかなセンターよりも安めだからか、どう見ても地元の人達だという客で賑わっている。以前にサスエ前田商店の鮮魚がいいと地元の人に聞いて、並べられた魚の値踏みをしたら、いい魚はあるがそれらは結構なお値段、地元の人はそれぞれその日の懐具合でいくつか選択肢があるんだろうね。でも今回は田子重のキンメが大きさを比較しても一番安かったんじゃないかな。
焼津福一流通センター
こちらは地元客で賑わっていた
岡部は初亀醸造の少し手前の街並みが修景されかかっていたが、まだ観光客を呼びこめるような目ぼしい店は無いらしい。米と味噌と麹のかど万米店など麹屋がいくつか目立ったぐらい。目的の初亀醸造では今だけの生酒の荒ばしり、本醸造では初亀本醸造とちょっとだけ値段を安くしたサービス品だという縁というのを買う。蔵元の近くには東海道中膝栗毛の主人公である弥次・喜多が岡部宿に泊まったという記載から、その人形が当時の宿の情景を演じる天保7年築という大旅籠柏屋があって、玉露の里と共に岡部では数少ない観光施設となっている。大旅籠というのは本陣、脇本陣に次ぐ格式の宿だそうだから、庶民の弥次さん喜多さんは泊まれなかったはずだ。こちらは2年前に見たからと、外から写真を撮っただけで岡部にサヨウナラ。
初亀醸造の貫録ある店舗建物
大旅籠柏屋は天保7年の建物だという
すぐにバイパスで静岡に入り、丸子で一般道に出て市街地に向かおうとしたら渋滞になっている。ノロノロ行ったら反対車線で事故があって車がひっくり返っていて、こちらの車線はまだマシであった。反対側は大渋滞らしく我々の車がそこを抜ける直前に、交互通行を反対側で最後に急いで抜けた車が目の前で追突事故を起こしちゃった。すぐに2台が停まって事故処理中のお巡りさんにオーイと手を挙げて、でも呼んでもすぐには来れないよなぁ。これでまた渋滞が長くなりそうでお気の毒です。場所はこれも膝栗毛にも出てくるとろろ汁で有名な丁子屋のすぐ傍であった。
昼は静岡で駐車できるいつもの回転寿司でと走っていったら、ハテ待てよ、輸入ワイン販売で有名なヴィノスやまざきには広尾店でも磯自慢を売っていたからもしかしてと、静岡駅近くの本店に回り道することに。幸いに数台ある駐車場の一つが空いていてラッキーと、しかしこの店は全国区で大きくなっているのに本店はむかしのままでこじんまりと、ただ駐車場を挟んで新しくフロマージュミナミという店が出来ていた。早速にワインが並ぶその奥の日本酒コーナーを探したら、新潟の銘酒に混じって静岡の地酒も並べられてありましたよ、その中に磯自慢本醸造が1ダースほど。一人一本限定と貼紙があって女房とで2本をゲット、回り道した甲斐がありましたねぇ、それと磯自慢の酒粕も。結構遠方からの車も来ていて、見ていたら日本酒では越乃寒梅、八海山、〆張鶴、久保田など一般店ではプレミアム付きものを買う人が多いようで、磯自慢が残っていてよかったね。
ヴィノスやまざき フロマージュ ミナミ
左から磯自慢本醸造、杉錦山廃、初亀は本醸造縁、本醸造、荒ばしり 磯自慢の酒粕
昼はもう2時近くになってしまって、JR静岡駅からは東名静岡IC方面にちょっとばかり走った場所にある徳兵衛緑ケ丘店に入る。ここは駐車場が広いから静岡中心部みたいに駐車に困ることがないし、回転寿司でも静岡のレベルは高くてかなり美味しいから。もう2時になろうというのにかなりの客が入っていて、休日はやや遅めでも混んでいるから次々に流れてくるのがいい。もちろん注文ですぐに握ってももらえるが、あんまり客が少ないと安いネタばかりというのも頼みにくいじゃないですか。僕は白身魚やイカ、タコ、その上ゲソなんて一番の安物なんぞも好物で、マグロなんかもネギトロぐらいなら食べるという、こういう店では全く売上が上がらない客だからね。朝に食べ過ぎたから二人で14皿まででもう腹がよくなってしまった。しかし二人ともここのヤリイカは旨いなぁと、会計はいつも二人で3000円まではいかない、ケチな客だよな。
回転寿司の徳兵衛
本当はこのあと芹沢介美術館が見たかったのだが、12月6日から展示替えで長期閉館だという、これだけは毎年みたいで何とかならんでしょうかね。静岡県立美術館のロダンの彫刻ももう見ちゃったしで、これでもう帰ってもいいのだが、老人のためにヘルパーさんを頼んでいたので、あんまり早く帰っても悪いということで、石垣イチゴ畑や東照宮などある海岸線側を走って清水までもう一か所梯子することに。
久能山東照宮へは1159段の石段を登る
こちらの河岸の市は清水駅からは歩ける距離にあって、魚介類中心の店が入っていて地元客で賑わうから、焼津よりも多少安いと思う。もう3時を過ぎていたのにマグロ料理で有名なおがわ(この店ではココとココに食べた記載が)にはまだ長い行列があるのには驚いた。もう鮮魚や干物類など買う気は無かったので、一軒だけある豆腐屋で旨い豆腐とエビ湯葉巻など、それと食事処も併設する鮮魚店で帰っての晩飯にともう値引きしていたにぎり寿司を買っただけで切り上げる。今が漁期のサクラエビの生冷凍物の値段だけは見ておいたが、店でかなりの違いがあるのは持越し品かどうかの違いだろうか。確か由比港の直売所では生は100g当り550円ぐらいだと思うが、ここでは700円から1000円ぐらい、焼津のツナコープにあったら買ったんだけれど、遠州で安い台湾産の乾燥物大パックを仕入れちゃったからまたの機会にしようと、あんまり生ものを買っても冷凍庫が溢れかえっちゃうものね。
清水河岸の市全景、奥の三角屋根が売場
魚の市で買ったのは豆腐とえびの湯葉巻 早速に自作の豆腐用小鉢で食す
清水ICから乗った東名は休日でも順調で、富士川SAだけに立寄って、暗くなってきたばかりの6時には我が家に帰還。富士川SAの上りにあるハイウェイオアシスは、この時期にはお正月を意識した盆栽類など販売していて、十両(ヤブコウジ)の小盆栽鉢を買ってきた。これは来年の春にこの前JAで買った百両と共に庭に地植えしようかなと。ここまで来たら雲一つなかった富士山に少しだけ雲(冒頭写真が富士川SAからの富士山)が、この旅行中は雪で美しく飾られた富士山の姿を十分に楽しませてもらいましたよ。
左百両、右十両
夕飯は買ってきたばかりの刺身を切り分け、豆腐は冷奴で、あとは寿司などと冷蔵庫の残り物で、イトヒキアジの刺身は初めて食べたが旨かった。 今回旅した大井川付近から安倍川を超えて富士川ぐらいまではこれまでも何回か訪ねているが、丹念に調べれば旧東海道の名残の姿を見つけることができる。もっとも車では無理な石畳の古い街道の残欠やいくつかの峠道などには、まだまだ古くからの佇まいをいくつか残す場所があるようだが、そこまではなかなか行かれなくて、いつかは出会えるかな。
この日に食べたのはバチマグロとイトヒキアジの刺身に寿司、キンメ煮付は次の日、アラはブイヤベース出汁に