ちょっと前からしつこく布をネタに話をつなげてきたが、日本三古布と云われているこの前のシナ織に続いて、これもその一つである葛布製のブラインドをもって今回は一区切りとすることに。
日本三古布とは山形県温海地方のシナ織、静岡県掛川の葛布、それに沖縄の芭蕉布をいうとか、この中で僕が持っているのはこの前のシナ織と本日の葛布だけ、沖縄の芭蕉布は細い繊維の本物は一番高価で、まとまった大きさのものには手が出ないからと至って単純な理由です。
東南アジア製の粗い布地の染めならかなり安いのだが、やはり本物とは品位で別物に見える、国産はいずれももう手間を掛けて作る人が少なくなって芭蕉布職人など人間国宝にも、それで貴重品扱いでかなりのお値段となっているのは仕方ないかと、葛布だけは掛川に会社組織のメーカーがあって、欧米への輸出用の大型タペストリー風クロスなど見事なものを機械製作していたが。
布地ではほかにも苧(カラムシ)繊維による織などは上布として特に高価なもので、奥会津昭和村でもその伝統を守ろうと織姫さんを募集した事業はTVでも紹介され、今は軌道に乗っているとか、ほかの各地の手仕事による伝統産業はどれも根強い人気があるようだ。
布地ではないが、植物繊維を使った編み物でも伝統工芸品として今や人気が高まっているものは全国にまだ多くある、各地の山ブドウやサワグルミの皮を使った手提げ籠や奥会津地方のヒロロ細工のバッグなど、さらに竹細工などは立派な美術品扱いのものまである。
これを世界に目を転じたらもうキリがないということになるでしょうな、でも何処かにそれらをあまねく集めている人物が居そうな気もする、世の中にはものすごい人が必ず居るもんだからね、そんな真似はできないし、日本だけでも各地を訪ねるのも大変だしで、広く収集公開する博物館など何処かにないものだろうか。
2009年からの再掲です