ということで長浜を切り上げて次は彦根に、ここは10年以上前に城の北側の藩主庭園の玄宮園の中にある八景亭という江戸時代建築らしき建物に泊ったことがあって、この庭園の整備を請負った人に代わりに屋敷を自由に使って良いということになっていて、宿泊施設にしていたのだそうだが、もう建て付けが悪くて冬場は寒々するような感じ、宿泊は一組だけにしていたのか我々二人だけ、そこに初老に入ろうかという世話係の仲居さんが一人付きっきりには、何とも逃げ場がないなと参った記憶がある。さすがにこの時ばかりはなにがしかの心付けは出しましたです、ハイ。
池を望む広い座敷でポツンと我々だけで食事、殿様もこんな風に孤独だっただろうかと、これはまた貴重な体験をさせて貰いましたよ。その時の朝食中に池の向う岸に青鷺の姿がと仲居に教えられ優雅なものと思ったものだが、それがなんと、今回は駐車場から佐和田門に歩いていけば、お堀の内側の大木の上にその鷺の巣が一杯で、密集で群がって留まっているのにはビックリ仰天。ズームで写真に収めてきたがこんなにもいたんですねぇ、こんな一大コロニーは初めて見た。最近は農薬などの使用を控えるようになったし、浄化施設も一般的になって川が奇麗になったんで、白鷺などもよく見かけるようになりました、結構なことではあるけどねぇ。
堀際からは彦根城天守がやっと見える
アオサギのコロニー
次に訪れたのが数年前のこの連休の時で、佐和田門近くの駐車場では骨董市が大規模に開催中、続く多聞櫓の中では見事な山野草展も開かれていて印象深かったので、昨年にも6日の帰り掛けに立寄ってみたのだが、5日迄だったということで終ってしまっていてアトノマツリに。今年は3日ならということで来てみたのだが、骨董市の方は一番離れた大手門側の駐車場の一郭に移って、テントを2列に並べただけの細々としたものに様変わりしているのにはガッカリ。山野草展の方も前より数は少なくなっていたものの、見事な寄せ植え鉢なども並び見応えがありましたよ。ここでもいろいろな野草の苗が安く販売されていたのでお好きな御仁には嬉しいでしょうな、この展示会は10月にもあるそうでまた別の草花が楽しめるはず、でも横浜からは遠いからオイソレとは来られないけど。
骨董市
山野草展
見事な鉢がいくつも見られた
あとは井伊家により最初に町割されたという場所に、そこは数年前に修景工事が完成した夢京橋キャッスルロードなる観光商店街で街路を往復一巡り。女房の目的の店ではまずは和菓子のいと重で、こちらは全国に名の通った店とか、首都圏では売っているのを見たことがないけれど、一度だけ大山豆腐祭の際に饅頭屋の良弁の全国和菓子サービスという催しで見かけて知ったそうだ。もう一つはたねやという店で、こちらはキャッスルロードを少し外れた所にあり、本店は近江八幡で洋風ケーキから始めた店だそうだが東京のデパートなどでは和菓子屋のイメージ、ここは和洋菓子の販売と喫茶室にパン工房も加わって繁盛していた。キャッスルロードでは近江牛料理の伽羅、鮎のきむら、ワインレストランのたすとヴぁん、招福猫グッズの招福本舗などが有名のようで、特に招福猫については江戸時代初期の直孝公の豪徳寺の逸話が有名、鷹狩の折に招猫に誘われその猫を可愛がっていた和尚の寺に立寄ったことで、その直後の落雷の難を免れることができたという話で、その因縁で幸運を呼んだ招福猫の人形が生まれたとか、ここ井伊藩はその因縁深き土地なのですね。
キャッスルロード(冒頭写真も同じく)
彦根たねや
店内
そんなこんなブラブラしているうちに時間もよろしいようでとなって、国宝の天守閣や博物館、直弼の埋木舎などは今回はパスして信楽の宿に向かうこととなった。
店データ
たねや 美濠の舎 彦根市本町 1-2-33 079-24-5511
いと重 彦根市本町 1-3-37 079-22-6003
彦根城周辺マップ