仕事の関係で日米各地の博物館・美術館を数多く観てきたが、絶対に忘れられない展示物が一つある。
建国からまだ241年と若い国・アメリカ合衆国にとって、「古いものを大事にする」という精神は想像を絶するものがある。従って、全米にある無数の博物館・美術館のほとんどが見るからに高額で立派な建物、広大なスペース、無数の展示コレクションで、見学するのに相当な時間がかかるのが常である。展示物は勿論、世界各地での戦争の戦利品も多数あるし、ドルに物を言わせて手に入れたものもる。
自分としては一時期、古代エジプト (Ancient Egypt) の装飾品 (ornament) やミイラ (mummy) に非常に関心があったのでワシントンDCのスミソニアン・国立自然史博物館 (Smithsonian・National Museum of Natural History) やニューヨークのアメリカ自然史博物館 (American Museum of Natural History) などのコレクションに感銘を受けていた。でも通う内に、おびただしい数のミイラを見てだんだんと慣れてしまったので、そういう感情は薄れてしまった。時代は全然違うが、恐竜時代 (Era of Dinosaurs) の展示物も例外ではない。
ただ、シカゴ市で何の気なしに入ったフィールド自然史博物館 (Field Museum of Natural History) で出会った世界一有名なティラノサウルス 『スー』 (Tyrannosaurus Rex "Sue") には衝撃を受けた。恐竜の作り物の展示物が多い中で真の本物である。1990年、サウス・ダコタ州 (State of South Dakota) で発見された、全身の90%以上の骨がほぼ完全な形で残った世界でもまれな恐竜である。約6700年前のもので、全長12.8メートルある。発見者である古生物学者スー・ヘンドリックソン (Paleontologist Sue Hendrickson) の名前を取って『スー』となずけられた。大きな頭部だけがガラスケースに入っていて、まじかで顔・歯などを詳細に観ることが出来、何とも言えない感動を覚えた。まさにスティーブン・スピルバーグ監督の大ヒット作、1993年ユニヴァーサル映画「ジェラシック・パーク」 ("Jurassic Park" 1993 Universal Pictures directed by Steven Spielberg; based on Micael Crichton) のロゴマークに描かれたあの恐竜である。
★ちなみに、このジェラシック・シリーズは1997年の "The Lost World: Jurassic Park"、2001年の "Jurassic Park III"、2015年の "Jurassic World"、2018年公開予定の "Jurassic World: Fallen Kingdom" と5作続く。★
シカゴに行く機会があれば一見に値する。もう一つ行こうとして行けなかったのが、世界でも珍しい、本物の人間の標本を展示しているところが近くのシカゴ科学産業博物館 (Museum of Science and Industry, Chicago) にある。興味のある方は、ぜひ見てほしい。■YS
参考ブログ:『映画「ナイト・ミュージアム」と美術館』 (2010/1/5)
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