読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

空白の桶狭間 加藤廣 オール読物

2008-07-15 23:02:02 | 読んだ
オール読物の5・6・7月号といわゆる短期集中連載されたものである。

桶狭間の合戦について大胆な解釈というか今までにない物語としている。

ネタバレになるので詳細は記さないが、大雑把に言ってしまえば、桶狭間では今川軍と織田軍は戦っていない、というものである。
それではどうして歴史では織田が勝ったことになっているのか?

まあその辺が最も興味深いところである。
そこは、そういう考え方もあるのか、というふうに思わされてしまう説明というか解釈である。

カギは「秀吉」である。

織田信長以降の歴史は概ね正解であるとはおもうのであるが、なかなかどうして、いろいろな解釈があるものである。
それから秀吉についても、裸一貫からあそこまでいけるものだろうか、という疑問があったが、そのことについてもこの物語では一つの考え方を示している。

なかなか面白い物語である。

ところどころこの挿話は要らないのではないか、と思うところもあったが、なかなかに面白い物語であった。

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