電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

ジャッキー・チェンの必殺鉄指拳

2015-01-01 00:00:00 | 成龍的電影

ちょっと懐かしくなる1本です。この映画は劇場ではなくテレビで放送されただけだったのですが、映画雑誌ロードショーにも放送予定が載っていて、当日の放送を楽しみにしていました。(もちろんナイターの代わりではありません。。)
本編終了後、ミニ番組「ジャッキー・チェンの魅力のすべて」も放送してジャッキーの簡単な紹介をしてました。当時はこんなおまけまで放送してくれるのかと喜んで見ていたのです。ナレーターは石丸さんでしたね。(某伝説に書かれていた「ジャッキー・チェン魅力のすべて」は惜しい、”の”が抜けてた。。)
ちなみに今、ニコ動にアップされてるのは初回放送時のものですね。(時間は8分間でした!)いろいろ探してみると、予告編とかもあって面白いですね。

予告編より

あと、吹き替え入りのDVDもあとから格安で発売されましたけど、その前は北京語の夜バージョンが特典に入ってるのとかもあったりして、昼と夜のバージョンがあるなんてこんなの他にはないですね。胡散臭いある意味特別な映画ですからね(笑)

そういえばこれのVCDに入っている音声の右のチャンネル(広東語の方)には、聞き慣れたいつもの曲とはまったく違うBGMが使われいて違和感があったりしました。「酔拳」のフィルムが挿入されている特訓シーンでは「八つ墓村」(77)より「惨劇・32人殺し」の曲が使われていますね。

「必殺鉄指拳」いま見るととても懐かしいですが、昔はこんな放送もあったということで・・・。今じゃ、ありえないありえない。当時の豪華な声優さんによる月曜ロードショーの映像を引っ張り出してと。(終)


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ジャッキー・チェンが端役出演。邵氏『黒店』(1972)について

2015-01-01 00:00:00 | 成龍的電影

今回の記事ですが、『黑店』という作品について書いてみます。

この『黑店』という映画は1972年に製作され、邵氏にて葉榮祖が監督、女優シー・ズーや康華名義の董力(トン・リー)が主演した映画です。

 

ロシア語音声、日本語字幕バージョン

董力が主演と言いますと、帝國影業の『過關斬將』(74)や蛇女ゴーゴンのような美女が登場する蛇群拳~殺人スネーク対飛剣カンフー(74)がありますね。私が最初に彼を見たのが「少林寺秘伝拳」(76)というヤツでして、ボスのタイコーが繰り出す毒龍掌が印象的で、序盤にそのボスの魔手にやられてしまった董力の黒い手形の付いた背中を治療するオババが現れてダラダラと黒い血が流れ落ちて見事に復活するというシーンがとにかく強烈でした!。全体的にまとまっていて同時期の少林寺モノとしてはカーター・ワンが不在でもそれなりに楽しめましたし、なかなか良く出来たカンフー映画でした。面白くてハマっちゃいますよ!(笑)

この董力ですが、私は昔から井上順にそっくりに見えてしまったので、勝手に順さんと呼んでいましたね(笑)

井上順トンリー

ちょっと似てませんか?顔の造りがそっくりなんです。特に鼻がね(笑)。もしかして年齢的にも近いんじゃないでしょうか。

冒頭、”酔楽酒楼”で一杯やっている連中。ここで飲んでいる輩の大勢いる中で目立つ剣士・査小魚(この董力)と張彩屏(シー・ズー)の前に、酔いどれ和尚(石天)が登場します。

『黑店』という映画は、内容としてはキン・フーの『龍門客棧』(67)のエピゴーネンと思われがちですが、実は同じキン・フー監督が邵氏で撮った『大酔侠』(66)から受け継いだ要素も相当盛り込まれていたりしますよね。キン・フーを相当意識した、つまりキンフーが気に入らなかった要素も存分に持ち込んだミックスしたような映画になるのではないでしょうか。

そもそも”黑店”とは、旅人を殺したりその金銭を奪うために開いた宿屋・・・と辞書には書いてありましたが、この映画では金銀財宝を持って任期を終えた省の長官が帰郷する噂を聞いて、獲物を狙う店側の人間と”黑店”にやってくる多彩な訪問客のドラマが展開されます。

それではちょっと、馴染みのある顔ぶれから紹介してみたいと思います。まずは午馬演じる白塗り浪人ですが、これは『大酔侠』で陳鴻烈が演じた玉面虎を意識したキャラクターでしたね。午馬は今年の2月に肺癌で惜しくも亡くなってしまいましたが、(葬儀にはサモ・ハン夫妻や成龍、張徹一家の姜大衛やティ・ロン、そして石天の顔もありました。)この映画では役者として出演していました。キョンシーもどきの湘西五通鬼を引き連れていましたね。

 ピョンピョン跳ねる湘西五通鬼の連中

今回、鄭壽山という名のボスとなった谷峰も『大酔侠』では盗賊の一味に扮していただけだったので相当出世しましたね(笑)。あと例の「空中必殺・雪原の血闘」(71)では雪の上を歩いても足跡が残らなかったのですが、今度は逆に客棧内の階段を昇ると足跡がつくという、何という術なのか分からない点は同じと言えば同じですね。今回は剣をムチに持ち替えた神鞭鬼王となって堂々とした”ムチの鬼”ぶりを見せつけています。

ところで石天さんは、一見何者か分からないのですが、ひょうたんを持った和尚ですね。冒頭から登場しストーリー的には重要な役目を果たしますが、最終的にどんな人物だったのかは読めてきます。見た目は『大酔侠』の酔猫(岳華)をややイメージした感のある乞食のような役柄となっています。

七小福のメンバーだったユン・ワーもちょっとだけ顔を出します。先の湘西五通鬼の一人としてですが、キョンシーのようなのにまだキョンシーとは呼ばれていないのが特長で、このキョンシー軍団(ニセ)を使ったアイデアは時期的にも驚異ですし、どこで仕入れたネタなのでしょうか?

 不気味な顔のユン・ワー。どこから持ってきたの??

そして、何と言っても同じく『大酔侠』で悪和尚を演じていた楊志卿が、今回はストーリー上、最重要人物の海剛峰に扮しているのでニヤニヤせずにはいられませんでしたね。

この映画のように客棧を舞台にした映画は、キン・フー監督が何本も撮っていたように最も得意とした映画であり、監督曰く客棧を用いれば脚本さえ要らなくなるとかで、映画が撮りやすくなるパターンなのでしょうね。つまり客棧はキンフー映画のジェネレータの役目なんですね。

そして、当然ながら葉監督はキンフーの影響を受けたということになると思うのです。客棧を使うものは大抵は京劇の立ち回り代表作である『三岔口(さんちゃこう)』から来ているそうですから、この黑店も多分そうなのでしょうね。あと、鍾馗嫁妹という姉妹の話を扱った京劇もあったりしますが、要するにみんな最初は京劇からとなっちゃいます。セリフが少なくて映像を見せるという作劇方は京劇の影響を受けたキンフー映画の特徴だった訳です。京劇ってやっぱり凄いですね。

王侠扮する初代店主・高三風の店、”高家客店”にやってくる客は多く、この店の料理も有名らしく料理人が作る料理は、なんと人肉饅頭であるのでした!

人肉饅頭というとアンソニー・ウォンのスプラッター映画『八仙飯店之人肉饅頭』を連想してしまいますが、シナリオライター葉逸芳(葉榮祖監督の父上様)は人肉好きで、『女侠賣人頭 』(70)でも女剣士が斬った生首を売ろうとするビックリ仰天映画の脚本を書いていたりしています。『黑店』劇中にも名前が出て来た『鍾馗娘子』も同氏の書いたシナリオですね。(葉逸芳は引退間際だったのですが、この『黑店』で初めて親子共同製作が実現しました。)

この人肉饅頭プロットの元ネタとなっているのは、古くは伝奇小説の「西遊記」にも似たようなものがあるようですが、おそらく「水滸伝」に出てくる母夜叉と呼ばれた孫二娘がモデルとなっていると思います。孫二娘は武芸の達人という設定で、夫の張青と経営している店にやってくる客に痺れ酒を飲ませ、果ては人肉饅頭にしてしまうという恐ろしい人物です。『黑店』においては、于楓が二娘ではなく三娘という役名で登場していますので、これはもう明らかですよね。葉親子はキンフーが好まなかった人肉饅頭を使い、つまりキンフーとはまったく逆の描写をこの『黑店』で持たせた訳なのです。

店にやって来た鉄腕ゴールデン・アイこと劉通(演じているのは李皓)。どこで噂を聞きつけてきたのか席につくなり「人肉饅頭を出せ」と言うが、そんなものはある訳ないときっぱり否定されてしまう。このあとのセリフが重要で、誰が店にやってくるのか、またどんな宝を持っているのかを彼が説明しています。

鄭壽山の一行が到着し、店を乗っ取り、店主になりすまします。店主らが変わった事を不審に思う輩もいたりするのですが、そして付き人と2人の守衛を連れた一行の馬車が店に・・・。そこから降りてきたのは噂の人物・海剛峰だったのです。という具合にあとから続々と登場する客人たち。姜南のおっさんやら、三頭蛇(小麒麟ら)に続いて胡(フー)というバイキング・ヘルメットをかぶった男が現れます。周りが”大哥”と呼ぶ実力者です。しかし、これらの登場人物たちはあまり重要ではありません。大して重要ではない人物を次から次へと登場させてハラハラさせられるという具合。ムチの餌食となってしまいますが。

そして、忘れてはならないこの人。小鍾馗こと張彩屏を名乗るシー・ズーは、チェン・ペイペイ正に”鍾馗娘子”のあとを継いだ素晴らしい武侠女星です。(この映画では痛々しい姿でしたので見ていられませんでした。)

 

残酷な相手の攻撃に歯を食いしばるシー・ズ-!!!

もう一人、まったく良いところを見せずに結局、董力の剣士に倒されてしまう意外な人物が!途中から店の番頭さんに扮していた衛子雲ですね。荊虎という役でしたが、2人の娘も荊緑、荊紅と同じ荊が付きますから兄弟の設定なのかも知れません。衛子雲は当時、おそらく本名の章恆と呼ばれており、(私が見た功夫片ですと『中國人』(72)や『一條龍』(73)という主演作もありましたね。)台湾のTVドラマで活躍した武侠明星であります。現在は、台湾截拳道アカデミーにて總館長としてジークンドーを指導されています。

若き衛子雲

そして物語後半、海大人の付き人としてマースとのペアリングでジャッキー・チェンが出演していますね。これは『金毛獅王』と同じパターンであり、『黒店』でも武術指導している徐二牛の下についていた時期であることが分かると思います。

最終的に胡大哥の相棒(陳贊剛:右)に殺されてしまう役であるのですが、途中のアクションを含めた登場シーンでは相変わらず顔を極力映らないようにする姿勢は変わっていません。この点、マースは顔映りがジャッキーとは対照的ですね。剣を使ったアクションシーンや素早い動きのシーンもあり、しっかり仕事してるよなぁジャッキー!

ラスト、政府の役人たちが黑店にやって来ます。罪人の二人の娘を捕まえるためです。『黑店』の時代設定はおそらく明代ですから錦衣衛ではなくて青い服を着ていることから東廠の人間となるのでしょうか。石天にしてもそうだったと想像できますね。そして、謎の人物・海剛峰は何者だったのでしょうか?

男女の剣士をうまく引き込んで、悪者を退治して民衆を守るという、すべては海大人が計画した一掃策であったのではないかと。また、巡撫という地方官だったのではないか(?)と思っています。

 長々と書いてしまいました邵氏『黑店』。キン・フーのアレンジにして、葉親子のコラボレーションの映画ですから面白い訳ですね。

おまけ:

徐二牛関連作品で火星が出演しているものをリストアップしておきます。
”火星の近くにジャッキー在り。”by醒龍

★金毛獅王 The Golden Lion
★黑店 The Black Tavern
洋妓 Virgins of the Seven Seas 
★埋伏 Ambush 
鬼太監 The Eunuch 
★惡虎村 Village of Tigers 

注)★は出演確認済み作品。 

 

 

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蛇鶴八拳

2015-01-01 00:00:00 | 成龍的電影

いきまっせー。怒濤のジャッキーの拳シリーズ!!

今回は「蛇鶴八拳」です!
この作品は「イイ!」と評する人も多くてある意味「笑拳」なんかより優れた映画であるかも知れませんよね。

劇場版予告編より

究極の秘伝”蛇鶴八歩”を考案した8人の長老たちが突然消息を絶ってしまったなんて、このミステリアスな展開が受け入れられるポイントだと思います。

ツルが生きてるみたいなあの動き


蛇鶴といえば、やっぱりコレ!

上から見たポーズが実にカッコよかった!

主人公が修行なしで最初から強い設定で、犯人を探し出して対決するパターンでしたね。

監督はこの映画で割と有名となった陳誌華です。そして脚本はあの『南拳北腿活閻王』や『旋風方世玉』、そして「少林寺への道」のシナリオも共同で書いた張信義という人ですからスタッフは文句なしですね。

タイプとしてはカンフー主体の時代劇(”蛇鶴八歩”という拳法がテーマの映画)で秘伝書、蛇拳(または鶴拳)がキーワードです。
この映画が時代劇として完成前に影響を受けたとすれば、割と近い時期なら協利の『萬法歸宗一少林』や『大武士與小[金票]客』や『江南八大侠』あたりがそうなるでしょうか。
複数の流派が関係する話としては、郭南宏の『八大門派』(邦題:「少林寺への道3」)と続くハーベスト作品の『四大門派』が挙げられますね。

一つ言えるのは、この頃人気が高かったのがジュディさんでした。
羅維も相当ジュディさんを使いたかったらしく(ジミーさんとの共演も一時考えていたそうですから)もしかしたら中影の『水玲瓏』(1976)を見て、蛇鶴をやらせたいとか考えていたのかも知れないですね。(半分冗談!)
『水玲瓏』から

蛇鶴っぽい動きのジュディさん


まぁ蛇と鶴を使った映画があったらベストなんですけども。

映画の作りそのものは同じ羅維影業の「少林寺木人拳」や同監督の『龍蛇侠影』などの影響も考えられますね。

背景としては、75年に羅維影業で『蛇鶴八歩』を、何と!チャーリー・チャン主演で撮るという話がありましたので、蛇鶴の企画自体はかなり早くからあったということになります。(チャーリーの映画は結局『鉄拳小子』に変更しちゃいますけれども・・。)
羅維が邵氏時代に自ら脚本を書き、監督していたことを考えると、自分のプロダクションで時代劇を作ろうというのは不思議ではありませんが、ジャッキーの『新精武門』以前に『蛇鶴』という時代劇の制作を考えていたようですね。

羅維影業では台湾でヒットした『少林寺十八銅人』のあとに作られた『少林木人巷』が76年度58位と振るわず、その『少林寺十八銅人』などで定評のある脚本家・張信義を呼びつけ、『蛇鶴八歩』を完成、78年に公開させたんですね。
ただその「蛇鶴」は彗星の如く登場した呉思遠の「蛇拳」の前に惨敗、さらに『飛渡捲雲山』よりも悪い結果に終わってしまったという皮肉な結果に・・・。

完成した『蛇鶴八歩』は最初に77年12月のはじめ、台湾で公開されました。
オープニングの羅維影業の旧ロゴ使用はこれが最後となります。(新ロゴは『拳精』から)

キズだらけのロゴ

もうボロボロのプリント


蛇鶴並用のタイミングは明らかに異なる


あと『満州人』の記事でも書きましたが、金振八が布にパンチして穴を開けるシーンと同じような場面がありますが

コレって、おそらくジャッキー考案のものでしょうね。

77年という事で、この映画の序盤やラスト、ボスの金剛との対決の前などにかかる音楽は、御存知”007”からBGMが流用されていましたね。タイムリーなのですが、「蛇拳」のオープニングでもおなじみの「私を愛したスパイ」からのものだったと思います。
ちなみに香港で77年7月に公開されたのが、そのボンド映画『鐵金剛勇破海底城』。これが超ロングランの大ヒット!!

何が言いたいのかといいますと、ヒットした映画をすぐに利用するということで、映画の完成時期を裏付けていることにもなると思います。

そういえば蛇鶴ラストは追加撮影とか噂があるようですね。じっくり検証はしていませんが、私の素直な見解としては撮影中の激しい動きによる発汗で髪質が変化したもの。それにより、見た目が変わっただけではないかと思いましたね。
ラストのシーンは画面上、小さいながらも金剛さんがピクピクと動いているので、とどめを刺された訳ではなさそうでした。この後、どうなったのかなって想像してみるのも面白いのではないでしょうか。

あと参考情報ですが、ちょっと前にメーカーの公式ページを見てみたのですが、
こちら
声の出演にちょっと違和感が。
石丸さんはいいとして、他の人に驚愕。。どこがですか?
と言いたくなる内容でした。(注:現在は削除されています)

例えば、

>>>クム・コン(滝口順平)

え?!滝口順平って赤い鼻の乞食のじいさんじゃないですか。

>>>ノラ・ミヤオ(太田淑子)

これも。。。
昔のヤッターマン見てた人ならたぶん分かるでしょうね。

最後にちょっとメモを書いておきます。ご参考まで。おわり

(付録)

役名(劇場版カナ表記)俳優名(中文名)声の出演

徐英風(ヒュー)・・・ジャッキー・チェン(成龍) 石丸博也
黄珠(ヒュアンジュ)・・・キム・チンラン(金正蘭) 太田淑子
百爺さん(乞食党パク)・・・リー・マンチン(李文泰)滝口順平
錢獅(黒竜党チェンティ)・・・カム・コン(金剛)仁内建之
唐萍兒(タンピンエル)・・・ノラ・ミャオ(苗可秀)小山茉美
黄振中(飛虎党)・・・タン・ラム([イ冬]林)千葉耕市
魯老怪(鷹の爪党ルー)・・・ウー・テーサン(武徳山)上田敏也


【作品DVD】

日本語吹き替えです。是非とも石丸ジャッキーをご堪能ください!!

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龍拳(日本劇場公開版)

2014-12-24 22:22:24 | 成龍的電影

『龍拳』はご存知のように笑いの一切ないシリアスな復讐劇です。

この映画のセリフはひとつひとつ重みがあり、広東語ではあるけれども、心の奥に響くセリフなのです。セリフをそっくりそのまま今でも覚えていますが、それ以前に劇場版のフィルムの編成は本当に素晴らしい出来でした。オープニングは、ラストバトルのダイジェストで、武術大会そのものはカット。

不要と思われたファッツォのシーンを削除し、質を高めていました。

これに小清水氏のオリジナル主題曲をはじめとする音楽が挿入された完璧な編集であったのでこれ以上言うことはありませんでした。

今回の商品化パッケージが届いたので早速見てみました。一箇所だけ気になる部分がありましたが、当時の記憶が鮮明によみがえって来たようでした。(旧友との帰り道での会話など。)なぜかクラスでは話題にならず、観た人間が極少数であったんですね。

しかし、ヒーローは間違いなくそこにいたのです・・・。私の懐かしい忘れられない思い出です。

是非、ゆっくり堪能してもらいたい映像ですね。12/24(記)

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ヘビ!!なんです

2013-01-08 21:16:27 | 成龍的電影

こんばんは、醒龍です。皆様、今年もよろしくお願いします。
(しばらく更新をお休みしていました。どうもすみません)

2013年がやって来ましたね。干支は「ヘビ」。巳年です。
今年はヘビ年ということで最初は「蛇拳」がいい!と思っていました。

蛇・蛇・蛇。。本物のヘビは気持ちワルいですけど、縁起は良さそうですね(笑)。ガラガラヘビなんて好きだなぁ。映画だといろんなヘビ映画も作られてますが、ヘビを使う拳法ってことで、ここはもちろん「スネーキーモンキー蛇拳」(1978)でしょう!(もう、これしかないっ!!)


SNAKY MONKEY。いやぁーカッコイイ!!!
右から読んでね『蛇形?手』。

”SNAKY MONKEY”って言ってもサルっぽい感じはあまりしなかったけど、流派の争いに巻き込まれる気のいいお兄ちゃんって感じ。相手が爺さんとはいえしっかり教えてくれた恩を返そうと強敵・黄正利を倒すのだ。



蛇拳のジャッキーとじいさん(ユエン・シャオティエン)の会話。ここのシーンとか、二人のやり取りがとってもいいんだよね。(結局、約束破っちゃうんだけど・・・。)


キビシイおじいさんだけど、この「蛇拳」の時がとっても良かった!ちゃんと蛇拳教えてくれるし。(実はネコ舌なのじゃ~)



ジャッキー(成龍)の修行シーンが素晴らしかった。(音楽も最高!) タマゴを飲みこむ手が”ヘビ”だよー!!こんな蛇拳見せるのはジャッキーだけだった(と思う)。


2013年は、このジャッキー・チェン主演映画「蛇拳」がふたたび脚光を浴びて世間の注目の的になってくれたりしないかなと密かに思ったりしています。たとえば、BDソフトの発売なんかもいいかもね。(もちろん日本語音声入りで!)


そういえば、つい最近キャッチした情報ですが、石丸さんの声に似ている人がいるらしい。動画が観てみたい・・。(どんな声なのだろう??)

ということで、遅くなりましたが、今年の1回目更新はおしまいです。 


 

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「ヤング・マスター/師弟出馬」

2012-09-11 00:00:00 | 成龍的電影

先日、ゴールデン・ハーベストのチョウさんがやってくるという大ニュースを知り、ビックリしましたが、やっぱりハーベストと言えば『師弟出馬』を忘れてはいけませんね。 

今週もうすぐ、「ヤングマスター」などのブルーレイ発売ということで、再びジャッキー・チェンのヒット作を見る機会が到来!またこの映画もどぉーっと普及しはじめることでしょう(笑)。
ジャッキーとキムことウォン・インシックとの激闘はもう忘れられない名勝負として語られていることと思います。
コレのファンは多いと思いますので、またさらにドーンと増えていって欲しいですね。 


ここで、ひとつマメ知識を。

ユン・ピョウの使ってたイスってなんて名前だかわかりますか??

漢字2文字で板ともう一文字が
登の下に几って書いてバンドンって読むみたいですが、このバンドンをつかった武術大会で演技するようなちゃんとした種目としてあるそうなんですよ。

 バンドン・カンフー

・・・ってなわけでマメ知識のコーナーでした。

あと、BDには日本語吹替も初めて収録されるそうですのでこちらも要チェック!
最近は当時のテレビの音声が入るというケースが確実に増えてきていると思います。(ニーズがあることがメーカーサイドにも浸透してきた証拠ですね)。
「ヤングマスター」にもここのメーカーさんの売りである復刻版が入るということで、出来についてはみなさん気になるところだと思います。

珍しくカナダ製のメディアに収録されていたのがいわゆる国際版の本編というヤツですね。違う尺のものがいくつも入るなんてソフトもテレビのように多チャンネル化してますが、時間があれば比較してみるのも面白いでしょうね。(そういえば台湾版なんてのもありましたっけ。)

ただ国際版のように海外のソフトに需要が集中し、買ってみないと何とも言えない、買ったら買ったで期待していたものとはかけ離れている。でも確かめてみたくなる…みたいな、もうそんな時代は終わってしまったのかも知れません。(去年ぐらいからでしょうか、私はパッタリと輸入モノを買わなくなってしまいました)

 国際版タイトル・カット

ワイドなんだけど画質はあまり良いとは言えませんので、キレイなプリントで見てみたいですね。

 

 

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カンニングモンキー天中拳

2012-08-08 00:00:00 | 成龍的電影

 

今回で取りあえず終わりとさせていただきますが、拳シリーズの最終回は「カンニングモンキー天中拳」についてです。きっとまた記事を書くでしょうけど(苦笑)、その際は単発でレポートしますのでよろしくおねがいします。

さて、一気に参りましょう!今回はチャプター毎に分けてみました。それぞれテーマを決めていろいろ書いてみました。つまらなかっらゴメンちゃい。

第一講 ~タイトル考~

「天中拳」完成後の78年、香港ではしばらくお蔵入りして80年に公開されるまで、いつの間にかタイトルが『點只功夫[口甘]簡單』に変更になってしまったんですが、この『點只功夫~』ってヘンですよね。なんか取って付けたみたいなカンジで。ジョセフィーン・シャオの『林亞珍』をパロってるつもりでしょうけどいかにもローウェイらしいと思いました。

韓国では『烏龍大侠』と言われていた「天中拳」は製作当初のワーキングタイトルが『烏龍大侠』となっていたようですので韓国ではそのままそのタイトルが使われたことになります。(“まぬけなヒーロー”の意。)
劇中で主人公のジャッキーがヒーロー柳になりすまし、テッペンハゲの爺さんから「おまえはウーロン大侠だ」と言われてしまいます。これがタイトルにもなったそもそもの由来ですね。

「天中拳」が影響を受けたと思われるオリジナルの『烏龍大侠』(1951)は李海泉(ブルースリーのおとうさま!)主演の広東語喜劇でありました。
この格好がそう!(たぶん)
李海泉は喜劇俳優として香港で有名でしたから、やはりコメディー映画として手本となる映画であったことは考えられそうです。

一方、『一招半式闖江湖』は台湾で付けられたもので、これが一番知られているタイトルですね。(江湖を渡り歩く半人前男の物語…みたいな意味になると思います)確かに腕は半人前ですが、キャッチコピーにもあるように食欲三人前、色気一人前だそうです(笑)。

話はそれますが、邦題で「天中拳」って言うと実はもう一本「フラミンゴ殺法・天中拳」という映画もあるんですけどね(笑)。これも好きな一本です!
私が好きになった理由はコレ。その昔、秋田書店から出た「ドラゴン大全科」という書籍。カンフー映画好きは、ここからはじまった!
「フラミンゴ殺法 天中拳」

「続・嵐を呼ぶドラゴン」ほか

ユンピョウの「モンキーフィスト猿拳」が好きなのもこの本にしっかり掲載されていたから…というのも理由の一つ。
それと、コレを忘れてはならない。「Mr.ノーボディ」。 
 「Mr.ノーボディ」
いま私が思い出の一冊を選ぶとしたら、この本を真っ先に選びますね。(あー、もっと書きたい内容が…。)
ここらで天中拳に戻らせていただきます(笑)。

第二講 ~映画の分類~
「天中拳」を70年代の映画として分類するならば、これはヒョウ局&喜劇カンフーアクション型に分類されるでしょう。

ヒョウ局型とは?
これは、ヒョウ局(注)という機関が登場し、そのヒョウ局が警備保障して荷物を輸送するヒョウ客と盗賊との攻防などを描いたものを指します。

「天中拳」では重要アイテムを警備する隊長の一行と、その部隊を支援するためにあとから加わったのが主人公・コウで、そのコウが面白おかしなカンフーを見せて笑わせます。
オープニングではジャッキーが七変化。「木人拳」っぽいセルフパロディや座頭市、ダメダメ剣士などをユーモラスに見せています。(個人的にはここが一番面白いと思います)

そして「天中拳」ではカンフーの師匠がいる設定になっていますが、ここは弟子入りする場面に注目していただきたい。
ポパイみたいなヒーローを夢見るジャッキーがひょんなことからムチのヒーローに間違われてもすっかりその気になってしまうという具合に主人公はヒーロー願望を持っていて、弟子入りを頼み込むと老いた師匠からキツイ一言をもらい「弟子になりたいんだ」ともらす。この辺りの主人公の持つ人間らしい部分の表現は映画の本編でよく現れていると思います。

第三講 ~シナリオと追加撮影~
追加撮影についてはいろんな説があるようですが、 77年の秋頃にローウェイ監督らスタッフがもめていたようです。「天中拳」がどこまで撮影されたのかハッキリしませんが、ローウェイとの関係が悪化し、ジャッキーの「蛇拳」レンタル出演をついに許した監督。天中拳完成後の試写を見て激怒したというローウェイの話はもちろん「蛇拳」撮影後しばらくしてのことでしょうね(直後ではない)。これは映画としての未熟さをベテラン監督として見抜いていたのかも知れません。

「蛇拳」でジャッキーと共演するまで石天はいなかったと推測してますが、 シナリオの方も確実に変化していってますね。脚本家の湯明智が打ち出したオリジナルのストーリーは大筋は変わらないと思いますが、ヘッコキ風太郎は当初設定されていなかったと思うのです。

参考までに、なぜそのような話になるかといえば、ヘッコキ風太郎は日本で付けた役名であり、オリジナルの中国語・役名は無く、あれだけの大役なのになぜか設定されていなかったのです。これは後から追加されたからなんでしょう。
そうなると、ラストや天中拳を石天から教わるシーンなど、当初はすべて無かったことになるのです。(石天は「蛇拳」では厳しい師範代でしたがこれ以降、カンフー作品のコミカルなキャラクターを歴任します)

また、コウが大金を手にしていい気分になり、町で天中拳のポーズ(ツッパリ拳)を取りますが、ここが不思議なのですが、石天に天中拳を教わる前なんですよね。

赤い毛の男も中途半端なままだったようで殺されるシーンがあとから追加されたように見えます。この男は鉄腕ルーと一緒に出てくるので弟子または部下という設定かと思っていたら(国内のどの資料を見てもそうなってました)しっかり本当の名前も存在していました。

その場面をもう少し詳しく解説してみます。 

 コウ「太沖の二の舞になりたいか」
日本語字幕ではタイチュウ。つまりヒーロー柳と相討ちになった賞金首の男が、鉄腕ルーの弟子という解釈になっています。
 ルー「お前が弟子を殺したのか」
これはおそらく誤りで、赤毛の男(林照雄。役名:ウェイ(衛天鷹))がこのシーンより前に田俊に倒されるシーンが挿入されていることからも分かる通り、ルーが仇を討とうとするウェイという人物とは赤毛の男(しかも弟子ではなくて弟)のことなんですね。

このあたりの展開(鉄腕ルーとその弟のポジション)がシナリオとして未完成、または分かりづらくなっていたので翻訳した人も登場人物の多さもあってか混乱していたと考えられます。

赤毛の男は本来、途中で倒されるのではなくて、もう少しストーリーに絡むような役で(主人公をしつこく付け狙っていた割にはあっさりと倒されます)、ラストにも登場する予定だったのかも知れませんね。
二十面相にしても付けヒゲをむしられるのであればその前に何か別の変装があると分かり易かったのではないかと思います。以上が、未完成か完成を急いだような印象をどうしても受けてしまう理由です。

第四講 ~劇場公開~

「天中拳」が劇場公開されたのは今から三十年ほど前になります。
雑誌広告。8月6日公開になっています

モンキーシリーズ第4弾として公開され、 夏休みの子供たちをターゲットにした作戦が成功したのでした。(こういう映画会社の戦略って勉強になりますなぁ)

劇場版タイトル

JACのメンバー総出演の「伊賀野カバ丸」とのカップリングでかなりの相乗効果があったと思います。(ジャッキーよりも黒崎輝の方がモンキーっぽいですね(笑。ジャッキーが食欲三倍ならカバ丸くんは10倍はありましたね!面白かったなぁ。)
当時は天中拳のシナリオ完全採録とかの書籍も出版され充実していました。
ちょっと忘れてましたけど、オープニングは別編集のショートバージョンでしたね(テレビも同様)。ここで主題歌「カンニングモンキー」が流れますが、編集はこの曲に合わせたかのようになっていましたね。(今思えば、せっかく面白い映像が入ったオープニングをカットすることになってちょっともったいない気もします)


第五講 ~噂~
最後は噂について。以前から天中拳には幻のシーンがあると噂されていましたが、動く映像というのはまだ発見されていなかったりします。
どんな噂かといいますと、あるシーンの後に竹やぶでジャッキーが登場し、天中拳を練習するというもので、 イメージとしてはこんなヤツです↓

83年5月の時点では邦題はまだ決定せず。

また、他にも賞金を手にしたあとの祝賀会などが幻のシーンであるとされています。

以上は単なる噂だけの話である可能性も高いのであまり期待しないほうが無難でしょう。(終)


【作品DVD】

日本語吹き替えです。是非とも石丸ジャッキーをご堪能ください!!

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「プロジェクトA」上映会

2012-07-21 00:00:00 | 成龍的電影

京橋のフイルムセンターで『プロジェクトA』を観賞して来ました。

ジャッキーの雄姿をスクリーンで、当時のままのフィルム上映!!

当時の少年たちの心をワシ掴みにしたのはやはりジャッキーですね!!

この京橋ってところは、私にとっては思い出のある場所なんですけども、ひさしぶりに足を運んでみました。

会場のフィルムセンターは職場からかなり近いところにあるので、仕事帰りにちょっと寄ってみるなんてことも容易いですね。
正面から

今回というか今月フィルムセンターで開催されているのが『ロードショーとスクリーン』上映会。ポスターにありますように「エレファントマン」とか懐かしい洋画もいっぱい上映されるんですけど全部で17本もの洋画がフィルム上映されるんだそうです。

人間が持っている若返りたいという願望。その潜在意識をくすぐって、それこそ「ロードショー」誌や「スクリーン」誌を買って読んでたような人たちに猛烈にアピールした企画だと思いました。

誰だってそっとしまっておきたい。静かに記憶の底にとどめておきたい。そんな気持ちがあると思います。

でもしまったままで本当にいいんでしょうか。

ひょっとしたら何かの拍子に忘れてしまうかも知れません。もう一度だけでいいからまたいい夢見させてよ。

そんな遠い記憶を甦らせてくれる絶好のチャンスが巡り巡って今年2012年、夏。ついに到来です!


ちっとも遅くなんてありません。 こうやってまた目にすることが出来たんですから。

まわりの男連中の気持ちはみんな一緒。30年近く前だなんて思わない。
サモハンやユンピョウも若くて活き活きしてる。そう、いまがまさにそうなんだ…。
終わって外に出たらみんな満足した同じ顔してて、今日が平日なんてことも忘れて、きょう一日の疲れも吹き飛んだ気がしました。

ありがとうございました。アンケート書いとこ(笑)。

 

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少林寺木人拳に意外な人物!?

2012-07-19 00:00:00 | 成龍的電影

今日の記事ですが、またまた登場の「少林寺木人拳」です(笑。

動画も用意しましたので、あわせて御覧くださいませ。

ところで、この木人拳でのミャオ・ティエン(苗天)はなかなか
いい味を出してますよね。
私の好きな場面は、食堂で友人のスーリンを殺した犯人が使っていたというワザを
周囲に見せるというシーン!!
これを見たジャッキーがその型に反応して
すかさずミャオに挑戦するという場面ですね。

これがそのシーンです。
 独特の型を見せる苗天

この場面で、外野に一瞬映りますが
どこかで見たような人物がテーブルにすわっています。
これはマース(火星)ではないでしょうか。
 クリックして拡大→

ジャッキーのスタント時代の作品などでは同じ映画に関わる機会も多かったマース。

拳シリーズではもちろんジャッキーと一緒に現れることなど無かったのですが、たまたまなんでしょうけど、こんな形でカメオ出演していたらびっくりですね!(これは今まで気づかなかったなぁ。)

「ドラゴンロード」以降は、マースもジャッキーとともに活躍して楽しませてくれました。羅維時代になぜいなかったのか不思議なくらいでしたね。

 


 

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成龍拳

2012-07-12 00:00:00 | 成龍的電影

今回は残念ながら来月発売のラインナップから外れてしまった「成龍拳」について。ちょっと残念ではありますが、またそのうちリリースされる機会もきっとあるでしょう。

最近台湾では古龍や金庸の小説もスマホなんかでも読めるそうで、武侠小説も手軽にスマホで楽しめるなんてなんとも羨ましい限りですね。 

映画と小説についてですが、当時、監督のローウェイが古龍の原作を費用が莫大となってもどうしても使いたいとかそんな話があったそうです。 
人気があるといっても映画化するとなると『風、雨、雙流星』のようにかなり複雑なシナリオだと本編の構成に失敗したり、解釈が難しくなって要するに安心して見ていられなくなりますね。原作に忠実にするか、多少のアレンジをしてみるかそこはスタッフの力にかかっていると思います。この「成龍拳」は前半部分はかなり原作に忠実に作られています。

『劍・花・煙雨江南』は一度映画化されてもその後全くリメイクなどされなかったりするところからみれば人気の高い小説という訳ではなかったのかも知れません。
何度もリメイクされているものとは違い、ポピュラーなものではないかも知れませんが
劇場公開当時、日本初登場だというシー・フォンの潔い演技!
彼女がこの映画で魅せた女盗賊・丁錢艶という女性はとても素晴らしい。 

ちょっと今回は、ストーリーをじっくりと観察、振り返ってみようと思います。

※以下、ネタバレします

三月には霧のような雨が降る江南地方。ここ奇峯山荘はここ一帯を治める総督・雷奇峯の屋敷である。人望の厚い総督は人々に親しまれ、今晩も還暦の祝いの席では沢山の人々が集まり、大広間で宴会が開かれていた。 

屋敷内の静かな庭園に一人大樹の下に横たわる青年がいた。何かを想って深く沈んでいるのか、その顔は険しい表情をしている。この青年は総督の一人息子、小雷(シャオレイ)であった。 
暗闇の中を駆けてきた一人の乙女が彼にそっと寄り添った。
侍女の役目を終え、抜け出してきた小雷の恋人の千千(チェンチェン)の美しく可憐な姿だった。
しかし、小雷の表情は少しも動かない。千千は愛する人の異様な様子に戸惑った。
よく見ると小雷の脇腹には血が滲んでいた。 
「また喧嘩したのね?」 
心配する千千を他所に小雷の言葉は冷たかった。
「女房気取りはよせ。召使いのくせに。おまえをどうしようと俺の勝手だ。」 
「でも私のおなかにはあなたの子が・・。」 
いきなり平手打ちを食わせる小雷。 
「誰の子だか分かるものか。」
小雷の酷い仕打ちに泣きながら走り去ってゆく千千。
その姿を見届けて大広間に戻った小雷は、暴言を吐いて客人たちを追い返してしまった。 
激怒する父の総督。その時、小雷は静かに言った。 
「父上、客人に巻き添えを食わせないためです。今晩、花蜂党が襲ってくるという情報を耳にしたのです。」 
証拠に取り出したのは人間の手首。小雷の服を血で染めていたのは蜂の入れ墨が彫られたこの手首から出たものだった。 

総督が花蜂党一味を壊滅させたのは今からちょうど15年前の今日であった。
一族の血を絶やすまいと一人息子を逃がそうとする総督。
しかし、小雷は意外なことを口にする。 
「私は逃げはしません。跡継ぎはすでに千千の体内にいます。わざと酷い仕打ちをして別れたのです。あとのことは親友の金川に頼みました。」 
そうとは知らない千千は泣きながら走り続けていた。
 
やがて山荘には不気味な風が吹き、夜空から5つの棺桶が舞い降りると中から盗賊たちが姿を現した。桃の花の仮面をつけているのが女首領の丁錢艶(ティン)である。 
仮面を取ったティン。
しかし、顔の半分は緑色のヴェールにつつまれている。

「15年前の恨みを思い知るがいい。」 
忽ち始まった大乱闘の中で小雷の父と母はティンに殺されてしまった。 
怒りに燃える小雷。 
ついにティンを追いつめて喉元に剣を突きつけた。
「両親の仇だ。覚悟しろ。」 
平然としているティン。その瞳は氷のように冷たい。 
「私も親の仇を討ったまでのことよ。」 
「おまえの父は盗賊の首領で、悪党じゃないか。」 
「おまえの父は何だと言うの。5つの時、切りつけられたのよ。見るがいいわ。」 
ヴェールを取ったティンの頬には無惨な傷跡があった。
一瞬、たじろいだ小雷の隙をついて、ティンの手刀を受けた小雷は気絶してしまう。

 
気を失った小雷をそっと安全な場所に移すティン。 
どうしてこの青年を殺すことが出来ないのか。こんな気持ちは初めてのことだった。
「復讐だけを生き甲斐にしてきた私。人を愛する心があったなんて・・。」
夜が明け目覚めた小雷は真っ先に千千の名を呼んだ。
「このまま生きて苦しむがいい。」と言うと、ティンは去っていった。 

一方、金川の家に向かう途中、千千は三人の男に襲われるが小雷にそっくりな男に助けられた。その男は金川であった。
山中の金川の家は身分の違いの恋に身を窶した小雷と千千が逢い引きを重ねた思い出の場所でもあった。千千は、そんな昔を思い出すのが辛かった。「どこか遠くへ連れて行ってください。」 小雷が金川の家に駆けつけたときには二人の姿はなかった。

もう何日も飲まず食わずでこうして金の家に横たわっているのか。 千千に会いたさの余り、体が衰弱していく小雷。
そこへティンが現れた。 
意識が朦朧としてティンと千千の見分けがつかない。
うわ言でさえも千千の名を呼び続ける小雷を見たティンはかなわぬ恋だと知る。 

しばらくして血雨党3人組の刺客が現れ小雷を襲う。敵の睡眠ガスを吸って気を失ってしまう小雷。
そこへ現れたのは、飛龍隊の隊長・龍四であった。
刺客を雇ったのは彼らだったが、人違いであることがわかって血雨党は引き上げた。

やがて小雷が目を覚ますと龍四がいた。龍四が自分の宿に連れて帰っていたのだった。
人違いを詫びた龍四は意外な事実を告げる。
彼らが追っているのは金川で、ある王族から預かった宝石を盗んだ犯人が、その金川だというのだ。
「そんなはずはない。親友だと信じていたのに。それでは千千はどうなる?」
荒れた野原を歩き一人泣く小雷。
遠くの木の上から降り立ったティンは言い放つ。
「両親の埋葬もせず、裏切り者も追わず、ただ泣いているだけ。千千だけが女じゃないわ。あなたは私の名前も知ろうとしない。」自分の名前を繰り返し叫ぶティン。
だが、千千を探しに立ち去った小雷の耳にはそのせつない声も届かない・・・。

その頃、千千は金川とともに町の宿に泊まっていた。
あんな酷い仕打ちをされても小雷を想う心に変わりは無かった。
翌日、小雷は龍四を訪ねると仲間に加えて欲しいと頼んだ。喜んだ龍四は小雷を兄弟と呼んで歓迎した。森の中の広場にたどり着いた龍四一行が休んでいると、一人の老人が近づいてきた。龍四に贈り物があるという。それは一枚の絵だった。
体を切断して苦しむ龍の血を老人が番傘で受ける奇妙な絵。
「江南の龍。ここに死す。わかるかね。」
老人のこの言葉を聞いて嘲り笑うと、七人の血雨党が襲って来た。
「ここは私にまかせて。」と進み出る小雷。
懸命に戦うが敵のからくり仕掛けの武器に振り回され、絶対絶命。
そこへ空を切って現れた人影。
愛する小雷の危機を察知して駆けつけたティンであった。
ひらりと飛びながら瞬く間に敵を全滅させ、凄まじい力を見せるティン。

何がなんでも小雷を助けるつもりだった。
息も絶え絶えの小雷。運び込まれたのは龍四の屋敷で小雷は生死を彷徨っていた。
「私は小雷を救える唯一の人間。彼を私に渡すか、ここで死なせるか、選ぶがよい。」ティンは龍四に決断を迫る。
龍四は彼女を信じて小雷を預けることにした。
彼を運ぶ馬車の中でお供の女が本当に治るのだろうかと聞いた。
「分からない。でも死ぬのなら、私のそばで死んでほしい。」
女盗賊は悲しく泣いていた。
それからしばらくして龍四は弟とともに盗まれた宝石の持ち主・小候のいる王宮を訪ねた。
「宝石は取り返したか?」
「いいえ。申し訳ありません。私の命に代えて償います。」
「人間の命にどれだけの値打ちがあるというのだ。」
そういって小候が振り返ると、この男はなんと金川だった。
「宝石の護送を依頼して自分でそれを盗む。さては図ったな。お前こそが血雨党の首領に違いない。」
「よく分かったな。我々が江南を手に入れるには総督と飛龍隊が邪魔なのだ。」
身構える龍四。しかし、金川は武芸の達人。たちまち隙をつかれ、殺されてしまった。

そして、金川は千千に悪い知らせと「小雷は死んだ。」と言ってしまう。
「生まれてくる子供のことを考えて私の妻になるといい。」
しかし、小雷は死んではいなかったのだ。
山にある小屋でティンの手厚い看護によって一命を取り留めた小雷。
だが小雷の目はウツロで生きる意志を失った抜け殻のようだった。
「龍四と弟の欧陽急が殺されたわ。犯人は血雨党の首領よ。」
小雷の表情が変わる。
「血雨党の首領と、その王族は同一人物。」
「同一人物?」
「親友の金川よ。」
執拗に小雷を引き止めるティンだったが、このままでは無駄死にしてしまう。
「私を倒せるようになったら行きなさい。」と厳しい修行が始まった。
最初の挑戦にあっさり負けを喫し、火鉢の中の炭を食べさせられる罰を与えられた。

2度目の挑戦でも到底敵わない。ティンは小雷の顔を焼いてしまった。
再び修行に戻る小雷。一日も早く復讐したい。
3度目の挑戦で「これが最後よ。」と言われ必死になる小雷。
しかし、この挑戦にも負けてしまうのだった。

するとティンは毒入りの葡萄酒を用意した。
復讐できないのなら生きている意味もない。
その酒を一気に飲む小雷。
「死をも恐れないその覚悟があるのなら望みを叶えてあげるわ。
それは毒じゃない。私の血よ。今までの罰は我が家に伝わる秘伝、成龍拳を会得するためのものだったのよ。」
差し出された秘伝書を持って先を急ぐ小雷。途中で戻って礼を言う。
「ご恩は一生忘れません。」
小雷の後ろ姿を見て一人泣くティンであった。

小雷は山を降り、金川の屋敷に忍び込んだ。
金川は千千と一緒にいた。
「よくも裏切ってくれたな。龍四の仇も討つ。」
こうして戦いは始まった。
千千が見守る中、二人の戦いは続く。 
すると小雷は金川の腰帯を使って首を絞め、ついに金川の息の根を止めた。
愛する千千が駆け寄ってくると二人は抱き合った。
そして一人、馬に乗って去っていく、ティンの姿があった。

 


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