今回はこちら「キラードラゴン流星拳」(原題:『風雨雙流星』)。最近の映像ソフトでは「ファイナル・ドラゴン」のタイトルに変わっています。
オープニングはモノクロの「キングコング」より。元は早回しだったのをピッチを変えてゆっくり再生したようなアレンジになってます。(でしたっけ??>Aceさん)
そもそも『風雨雙流星』というのは、なんだろうと考えてみればこれは登場人物から取ったものなんでしょうね。
“風”は、タン・リンが演じた風七の“風”を表し、“雨”は、ジャッキーの相手の夫人役、花雨から。そして“雙流星”とは、必殺兵器“奪命流星”のジミーさんともう一人の流星、ジャッキーが演じた“天魔星”こと花無病の二人を指していると思われます。
それから『新精武門』以降(76年以降)、「○○拳」と名の付くジャッキー作品の中で唯一、日本語版が無かったのがこの「キラードラゴン流星拳」です。
コレだけ吹き替えが存在していないというのはちょっと不思議な話です。
これってビデオが出る前はテレビの地上波で放送されることもなく、BSでの字幕放送に終わってしまったのです。(BSでの放送はかなり衝撃的でした!)未公開だった映画が次々と公開されていた頃に劇場公開されていれば良かったんですが、入ってきたのがあまりにも遅すぎたんですね。
結局タイミングを逸し、現在までビデオやDVDなどが発売されても日本語版は作られることはなく、これだけが残ってしまったという訳です。とても残念でなりません。
あと、「キラードラゴン流星拳」のビデオが出た当時、リリースは東映ビデオ(発売元)からだったので、もしかしたら劇場公開するなんて話も実はあったりして・・・。
それにしてもジミー・ウォングとジャッキー・チェンの二人が対決するこの映画!
日本語版の制作が忘れ去られるのは実にもったいない話です。
旧作ファンがビックリするような企画で見てみたいなぁ。例えるなら、石丸さんと赤い彗星シャアでおなじみのアノ人を使ったベテラン声優による新規録音とかね(笑。
映画の方も次々と現れる多彩なへっぽこキャラクターが魅力で(笑、物語が進むにつれて旅の拳士ジミーさんの意外な正体が露わになってきます。これは説明不要ですが古龍の小説が原作となっています。(一説によれば『七殺手』というのがその小説らしい。)
そして脚本担当が古龍になっていますので小説をベースに映画のシナリオを書いたのかも知れません。
古龍の作品では中期に当たるようですが、この映画や「成龍拳」も古龍のファンタジーの世界が展開されていて当時の台湾で相当の古龍ブームだったことが分かります。
日本でもジャッキー人気と古龍ブームがうまく重なっていたりしたらこの劇場未公開(香港でも!!)という悲運な映画の状況も大きく変わっていたと思いますね。
出版界では2006年ぐらいにもちょっとした古龍ブームがあって何冊か出版されたようです。とにかく古龍の小説はいっぱい映画化もされてますから国内で出版されたら映画と併せて読んでみるのも面白いでしょうね。