続々登場ハーベスト映画!
ゴールデン・ハーベスト(嘉禾、GH)の創業した年、1970年。最初に発表されたのは『鬼怒川』になりますね。アンジェラ・マオがまだ初々しくてとっても可愛らしいです。 新人のアンジェラさん
アンジェラの出演作品をいろいろ見始めたのが15年前ぐらいでしょうか。ちょうどテレビのCS局で香港電影が大量に流れてた頃で、エアチェックが大変でしたけどファンにとっては好都合の時期であって毎日がウハウハ、ウキウキ状態でした(爆)。
ハーベストの初期作品も多数放送され、その中ではアンジェラの「スコーピオンガール」(原題:『破戒』が好きでした。ジミーさんの「片腕ドラゴン」も放送されたこともあってその時は大変うれしかったのを覚えています。
ハーベスト作品って日本では74年のブームの頃から恵まれてましたから、(逆に邵氏は少なすぎ。「嵐を呼ぶドラゴン」とかそのぐらいしかなかったのがホント不思議。)日本人にはナジミがあると思います。香港映画が好きっていう人ならいろんな時期のハーベスト作品をそれぞれ観て、それを楽しみ、ハーベストの病みつきファンになったりしたことと思います(笑)。
数えたら凄いことになりそうですが、これだけ日本に対して映画を売ることが出来たハーベストって相当ジャパンマネーを得ていたはずですよね。次から次へと映画が輸入されて、配給してたのは大抵例のアノ会社で(笑)、その頃(いまから20年前ごろ)邦画もまったく元気が無くて、ホラー映画もみないで観るのは香港映画ばかり~。
そして90年代後半、雑誌をみたら「アングリーリバー」という映画を放送するというのだけど、とにかく解説も何もないので出演者はおろかどんな映画なのかもさっぱり分からん状態でした。とりあえず観てみようとチャンネルを回して、本編開始直後これは古い映画なのだなぁと分かったところまでで、その後しばらくの間、見ることもなくエアチェックビデオはずっと眠っていました。
タイトル「アングリーリバー」
ハイテンポな音楽でスタートする「アングリーリバー」こと『鬼怒川』は、武侠映画でありながら合成したシーンがあったりとか怪獣が登場したりと、実に変わったところがありましたね。 怪獣にやられるアンジェラ
新人のアンジェラがオーディション合格後、いきなり主演映画に出演できるなんてハーベストの期待も大きかったことでしょう。当時のハーベストはアンジェラの主演映画を続々製作していったことは御承知の通り!!
ところで私が一番好きな監督はジョン・ウーですが、この『鬼怒川』を監督したファン・フェン(黄楓)はその次に好きな監督です。
ただ、いまは名前すら聞きませんし、ジョン・ウーに比べたら日本では殆ど知られていませんから、『四大門派』(Shaolin Plot)や『浪子一招』のようなとても良い映画があっても話題にもならず、国内版もいまだにリリースされてないんだと思います。
監督から映画を選ぶというのは少々マニアックではありますが、ジョン・ウーやファン・フェンの映画なら本数もそれほど多くないと思いますし(張徹なんて多すぎるし、邵氏ですからね。基本的に敷居が高い!) 順を追って監督作品を楽しむというのもなかなか面白い手段だと思います。
ハーベストの第一作目である『鬼怒川』を監督したファン・フェンですから、これ以前の監督作品にも興味が沸くのは当然のなりゆきで、数年前にはじめて観た『血符門』(1971)を観たときには感銘を受けました。この監督を好きになって間違いなかったと思った瞬間でもありました。 白鷹の凄い気合!!
さて、『鬼怒川』の本編には太陰教の教主・パイ・イン(渋いぜ!)、武侠片スターの高遠、武術指導コンビのハン・インチェ&サモ・ハン、ベテラン俳優の姜南や張亦飛(「少林寺木人拳」の管長)のほかにも驚くべきスターたちが結集しており、 ブルース・リャンがパイ・イン隣で無言で特別出演(嘘)していると思ったら、ラム・チェンインが出てきたり、あと若かりし頃のジャッキー・チェンやウィルソン・タンも端役出演していますね。
このラストの竹林での決戦が最高!
白髪のサモ・ハン
和服姿(?)のブルース・リャン(右)
恐怖の太陰教が使う毒剣・七絶閻王刺の毒治療に効くという薬草(DVDでは黒霊芝)をめぐって争奪戦となる展開でしたが、霊芝ってキノコだと思ってたので不思議に感じました(本編ではミドリ色の薬草として映ります)。
で、その霊芝と聞いて昔の白土三平の「イシミツ」というマンガを読んだ事を思い出してしまいました!。白土三平の漫画を懐かしく思える方も多いと思いますが、冬虫夏草とかいわゆる不老長寿の薬を扱ったとても興味深いマンガ本でしたね。この手のストーリーに弱くてついつい引き込まれてしまいます(笑)。
なので映画の題名にもなった恐るべき川『鬼怒川』の描写は案外少なくて、アンジェラが苦労して(?)手に入れた薬草に主眼がおかれているので、むしろ題名は黒霊芝の方がいいくらい。(台湾の川での撮影って難しそう。)でも何とか脚本も受け持ったファン・フェン監督は新しい会社のために映画を作り上げたんですね。当時は『鬼見愁』も流行してたので、川の名前も”鬼怒川”、仙人(なんとファン・フェン自身が演じている!アンジェラの父親もきっとそう。)の谷が”鬼愁谷”だったりするんでしょうね。
それから、他にも霊芝にまつわる話を描いた映画なども探せばいろいろあるかも知れませんね。
アンジェラ・マオ