会期も残り少なくなった先日、福岡市アジア美術館で開かれている、風の画家 中島潔が描く「生命の無常と輝き展」(10月27日~12月9日)に行ってきました。
<会場入り口>
京都清水寺成就院に奉納された襖絵46面が中心の展覧会で、制作に5年をかけた風の画家、中島潔の集大成ともいえる展覧会です。
襖絵で圧倒的な存在感を放っているのが、金子みすずの詩をモチーフに描かれた「大漁」。襖8面に数百匹の鰯が群をなして右から左へ泳ぎ、その群と向き合った形で赤い着物の一人の少女がたたずむ。よく見ると、鰯の形、色、大きさが細かに描き分けてあり、絵全体に感じるスピード感や力強さ、繊細さが一体化して生み出される迫力が私の胸に迫ってきました。
<「大漁」リーフレットより>
無数の鰯はこれまでに出会った人々を、その一匹一匹には一人一人の生き様を込めたのだそうです。
彼の絵は女の子を描いたものが多いですが、その表情がどこか哀しげで、戸惑い憂い、ある時は怒りの様なものが感じられ、どの子も複雑で微妙な表情をしていて見飽きません。天心爛漫な表情の女の子の絵は少ないですね~。又、手の描き方が独特で面白いと思います。
中島潔の絵は伝統的な日本画というより、イラスト的な絵の様に思っていたので、清水寺成就院に奉納された襖絵の展覧会と聞いた時は、なかなかイメージが湧きませんでしたが、会場で奉納襖絵を観ると、どれも「生命の無常と輝き」というタイトルを彷彿とさせる、存在感のある素晴らしい絵でした。そして襖の黒い四角の枠にピタッと納まっていました。実際に清水寺成就院の襖絵として納まっているのを観たいな~という気持ちになってきました。
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