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俳人杉田久女(考)、旅行記&つれづれ記、お出かけ記など。

てくてく歩きのパリ ~ジャックマール・アンドレ美術館~

2020年04月06日 |    パリ(2019)

オルセー美術館の見学が終わった後、
一度行ってみたかった8区にあるジャックマール・アンドレ美術館に行きました。
この美術館は19世紀の銀行家、エドアール・アンドレと
その妻、ネリー・ジャックマールが住んでいた邸宅を、
彼らの収集した美術コレクションを展示する美術館として公開したものです。

オスマン通りに面したここが美術館入口です。
<美術館入口>
ここから豪邸に
すぐ入るのかと思いましたが、
豪邸はこの入口からだいぶ離れた場所にありました。
19世紀半ば、馬車に乗ったままここから入り、そのまま馬車で豪邸まで乗り付けたのでしょう。

夫妻が暮らした邸宅の正面です。

最初に大広間から見学しました。

ここはパーティなどの時、大勢のお客様をもてなす部屋で、
写真では広さがよく分かりませんが、両隣の仕切りを取り外すと1000人が入れたそうです。
個人の家で1000人をもてなす、スゴイですね~。
当時のブルジョアの生活ぶりが垣間見える空間です。

ここも接待用の部屋ですかね? 広々としたロココ調のきらびやかな部屋でした。


夫のアンドレと妻のジャックマールの寝室に挟まれて、
お二人の居室がありました。
居室の壁にはジャックマールの画いたアンドレの肖像画が飾られていました。
ご夫婦はこの居室で朝食をとられていたそう。
仲の良いご夫婦だったんですね。

<アンドレの寝室>



<居室>


ジャックマールの寝室

ジャックマールは19世紀半ばの名の知れた肖像画家でした。
銀行家で独身のアンドレが彼女に肖像画を依頼したのが縁で、
2人は結婚したのだそうです。

ここは夫妻の居間兼図書室だったそう。
でも書棚はなかったみたいですが...。
レンブラント、ヴァンダイクの作品が並んでいます。
<居間兼図書室>

こちらは書斎で仕事場でもあった部屋で、
ビジネスに関するお客様を迎え入れる場でもあったようです。
正面にフラゴナールの絵が掛かっています。
<書斎>

タべストリーの間。
三方の壁がタペストリーでした。


イタリア美術館と名付けられた部屋です。

この部屋はジャックマールのアトリエとして造られたようですが、
彼女は夫を全面的にサポートするために絵を描くことをやめてしまいます。
そのため、この部屋もイタリアの美術品を展示する部屋になったそう。

こちらは男性用喫煙室。
当時東洋風装飾がはやっていたんですね。


この素晴しくエレガントな螺旋階段の周りが「冬の庭」という名の温室になっていました。
当時温室が流行っていたんですかね。
私はこの邸宅の中でこの辺りが一番好きでした。


この邸宅は銀行家エドアール・アンドレの邸宅として19世紀後半に建てられました。
邸宅の入口は賑やかなオスマン通りに面していますが、
敷地がとても広いので、中にいると外の喧噪は全く聞こえて来ませんでした。

最後に、生涯をかけてこの邸宅に数々の美術品や調度品をなどを集めてきた、
エドアール・アンドレとその妻、ネリー・ジャックマールのお2人を肖像画で見てみましょう。
 
左のアンドレの肖像画は、二人の結婚のキッカケとなったジャックマールが
彼に依頼されて画いた肖像画です。
右のジャックマールの肖像画は彼女自身が画いた自画像のようです。

当時ご夫妻が食堂として使用していた邸宅の中の部屋が、
現在、サロン・ド・テとなっています。
人気店らしく入ってみたかったのですが他の部屋を見学しているうちに、
18時の閉店時間が来てしまい入れませんでした。
ほんとに残念でしたネ。

(大広間の写真とお二人の肖像画の写真は、ネットよりお借りしました)