福岡市は連日猛暑続きで、一昨日は38度でこの夏一番の暑さでした。
日中、この暑さでは大人しく家にいる他はなく、
またまた俳句で遊ぶことに相成りました。
そこで、今回は俳人達は暑い夏をどんな風に詠んでいるのか、
覗いてみました。よろしければ、お付き合い下さいませ。
『夏雲の 湧きて定まる 心あり』 中村汀女
『張りとおす 女の意地や 藍ゆかた』 杉田久女
『暑く暗く 大群衆と 花火待つ』 東西三鬼
『美しき 緑走れり 夏料理』 星野立子
『匙舐めて 童たのしも 夏氷』 山口誓子
最初の中村汀女の句は、夏雲の力強さが自分の決心を後押ししてくれた、
決心が定まったという感じでしょうか、なるほどと思いましたね。
作者の中村汀女は昭和の女流俳人の第一人者。
二番目の杉田久女の句は、彼女がホトトギス除名から一年後に
『俳句研究』に発表した句ですが、藍浴衣という季語の使い方が
キッパリと小気味よく、ホトトギス除名という句の背景を
抜きにしても、魅力的な句だと思います。
三番目の東西三鬼の句は、真夏の暑い夜に花火大会が始まるのを
群衆の中の一人として、今か今かと待っている。そんな期待に満ちた
時間を詠っています。わたしにも経験があるので、作者の気持ちが
よくわかりますね。
四番目の星野立子の句は、ハッとする様な綺麗な句ですね。
涼しさも伝わってきて、女性ならではの句です。
星野立子は高浜虚子の娘で、虚子の後援を受けて女性俳誌
『玉藻』を主宰していました。この句は彼女の代表句と言っても
いいでしょう。
最後の山口誓子の句は、暑い夏の日に子供達がかき氷を食べています。
その冷たさ、甘さを味わう様に匙をなめながら、楽しそうに。
小さい子供に対する暖かい視線が感じられますね。
夏を詠んだ句は、どれ位あるのか想像もつきませんが、
上の五句は私が知っている夏を詠んだ好きな句です。
作者の五人はこのブログのカテゴリーの一つ、俳人杉田久女(考)の
記事を書くために調べていた時に知った俳人達で、
私にとって非常に身近に感じる方々なのです。
暇な時はこんな風に俳句で遊んでいるのですよ。
お笑いください(笑)。