ライオンミドリ la cantine du lionmidori

気の利いたつまみ、おいしいナチュラルワイン、ちょっと珍しいお酒、幸せなチーズ、明日も頑張れる気持ちになるデザート。

6月の大きなポスター② ダニー・ボイル『イエスタデイ』

2020-06-29 13:09:00 | ポスター


店内に飾ってある大きなポスターがダニー・ボイル監督作の『イエスタデイ』に変わりました。
交通事故で昏睡状態に陥ってしまったイギリスの小さな海辺の町で暮らす売れないシンガーソングライターが、
目を覚ますとそこは、史上最も有名なはずのバンド「ザ・ビートルズ」が存在しない世界になっていた~ というコメディ映画です。
6月29日は54年前にビートルズが来日した記念すべき日で、毎年何か関連の物を店に飾っていますが
今年はこれだろう!という気持ちでチョイスしました 

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オイラが出会った一本、はや18年。

2020-06-25 12:07:37 | 日々の泡立ち
おかげ様で、ライオンミドリは7月1日で5周年を迎え、6年目に突入します。
5周年に向けて、ビオワインの魅力やライオンミドリで楽しんでほしい事をお伝えできるよう、メニューを色々いじっています。
その中でコラム的なものも掲載していこうと思っています。ワインを楽しみながら読んで頂けると嬉しいです。
今日はその中の一つを。


「ピエール・ジャンク」

僕にも、「この一本との出会いが」と言えるワインがあります。
アラン・カステックスというフランスのおじいさんが造った、「エルニーニョ」というワインです。
このワインとの出会いは、色々な意味で思い出深く、僕のその後の道しるべのようなものになっています。

2000年頃、パリではピエール・ジャンクという青年が話題になり始めていました。
パリで本格的な自然派ワインを扱うレストランやワインバーを手がけ、いわゆる大ヒットと言われる成功を収め、パリに自然派ワインを定着させた立役者の一人です。

それ以前にもパリには、無農薬で育てたぶどうを使って、なるべく酸化防止剤を使わず作ったワインを扱ういわゆる「自然派」の店というのはいくつかありました。
しかし彼は、そのような店とも一線を画し、「なるべく使っていない」ではなく、「酸化防止剤を使っていないものをワインとする」、というようなガチなタイプ。
ワインの酸化防止剤には、二酸化硫黄(SO2)が使われますが、ワイン醸造の過程では自然にある程度SO2が発生します。
彼はその自然発生したSO2しか含まれていないワインを「ヴァン・ピュール(真のワイン)」と呼び、そのようなワインしか扱わないという徹底ぶりでした。

僕が彼を知ったのは、フィガロ紙についている情報誌です。
当時水曜と土曜のフィガロに挟まれていた、沖縄タイムスでいえば、ワラビーとかほーむぷらざの、あれです!
そこで読んだのが初めてでしたが、当時彼は色々な媒体で紹介され始めていました。
気になって少し調べてみると、彼は単におしゃれなワインバーをやりたい実業家ではなく、ビオワインが本当に好きで、本気のワインを売りたい人なのかもしれないなと思い、興味を持つようになり、2002年か2003年、彼が手がけた「ラ・クレムリー La Cremerie」へ行ってみました。

最初の印象は、世界入りづらい居酒屋!
照明も薄暗く、常連さんやこなれた感じのフランス人ばかりでしたが、その日はピエール・ジャンク本人が店に立っており、当時は日本人が珍しかったようで僕に話しかけてくれました。
彼くらいの人に「おすすめは何ですか?」と聞くのは失礼にあたるので(当然人に薦めたいものしか置いていないのは明らか!)、
「今週入ってきたものの中で、特にお気に入りはどれですか?」と聞くと、さっと踵を返し、即出てきたのが、「エルニーニョ」でした。
フランス、ルーションで造られた、グルナッシュ、シラーを主とする赤ワインです。

本当にすごかった。愕然としましたね。ある意味人生観が変わりました。
それまで、完全に無農薬、酸化防止剤も無添加のワインで、おいしいと思えるものを飲んだ事はもちろんありましたが、何て言ったらいいのか・・・それまでのおいしいとは次元が違いました。
皆が知っているグルナッシュ、シラーのおいしさってありますよね。
奇をてらわず、素直に、おいしく仕上げた時のグルナッシュとシラーの、僕らが親しんできたあのおいしさ。
でもエルニーニョはそれだけじゃなかった。その素直なおいしさの中に、強烈なおいしい主張があって、もうレベルが違うとしか言いようがありませんでした。

そして、ピエール・ジャンク。・・・かっこよかったんです。
ガチなビオワイン信仰者という前情報、勝手に、朴訥で伏し目がちな細身の青年を想像していたら…
腕に刺青の入った、イタリア系サッカー選手風のイケメン(ジルーにちょっと似てる!)。
いかつい顔立ちだけど、よく見ると優しい目をしていて、立ち姿がなんともかっこいい。
とにかくオーラが半端なく、男が見ても惚れちゃうようなタイプ!

薄暗い店内を眺めていて、なるほどこれは…と思いましたね。
それ以前にもパリで自然派ワインの店に行った事はありましたが、何と言いましょうか・・・ワインについて色々知っていないとアウェイな感じがあったんです。
うんちくを語り合うこぎれいな人達や、当然のように好みのワインを細かく聞いてくる店員。
それはそれで楽しいんです、僕はワインが好きで、それなりに勉強していたので。
でも、クレムリーはちょっと違いました。
「ワインが好きなんでしょ、飲んでいって。」
「ピンときたもの、まずは飲んでよ。全部おいしいから。」
そんな雰囲気に満ちていて、僕はとても居心地がよかったですね。
きっとピエール・ジャンクの、「すごいワインがいっぱいある、とにかくみんなに飲んでほしい。」そんなシンプルな思いが、店中に散りばめられていたんだと思います。
好きな事を突き詰めて楽しく仕事をする、僕の大好きなフランス人の気質、その情熱をたずさえて生き生きと立ち回っている若者と、彼のメッセージや目指すところを敏感に受け止め、幸せそうにワインを飲んでいるパリの人々、目の当たりにして嬉しくなりましたね。
いい時代が来たな、とわくわくしたのをよく覚えています。

その後、彼の手がけた店、「ラシーヌ Racines」、「ヴィヴィアンVivant」、「ヘイマット Heimat」、「アキッレ Achille」などが次々とヒットしました。
それまで、無農薬で?自然農法で?わざわざどうして?どこか偏屈で親しみにくいイメージがあり、ほとんど認知されていなかったビオワインが、時代の波を捉えた彼の情熱で、パリで一つのステータスと言えるくらいにまで定着しました。
その流れは当然東京にも押し寄せ、今では沖縄にまで到達しています。
今、ビオワインと言うと、なんとなくおしゃれでかっこいい感じがするのは、彼のおかげだと僕は思います。

それからです。
何で「エルニーニョ」はあんなにもおいしいのか色々勉強し始めました。
そして僕は、ビオワインの気難しく複雑な性分、それゆえの壮絶な人生?でもとにかくピュアで誰にでも分け隔てなく優しい、そんな魅力を知ってしまいました。
そして今、うっかりこんな店をやっています!

今思うと、あの日ピエール本人が店にいなかったら?今週の、と聞いてはみたけど次の週だと何が出てきた?そのワインが僕の好みとほんの少し違っていたら・・・?
そう考えるとちょっと背筋が寒くなるような感覚があります。

だから今でも「エルニーニョ」は、店でも自分の立ち位置の一番近い場所に置いています。
うーん、幸せだから。側に置いておきたいから。
これを見ると、オイラが売りたいものをちゃんと売っていこう、人生は短い。そんな気持ちを思い出させてくれるから?


ピエール・ジャンク

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おかげさまで5周年//那覇でヴァンナチュール=ドメーヌ・ポンコツ

2020-06-23 12:20:02 | ワイン


おかげさまで5周年です _(_^_)_ ライオンミドリは那覇に移転して7月1日から6年目に入ります。
皆様、本当にありがとうございました 
そんな訳で、なかなか買えない山梨県の「ドメーヌ・ポンコツ」のワインをグラスワインでお出ししています。
なかなか買えないというより本当に買えない為「ドメーヌ・ポンコツ」の松岡さんが造るワインを飲んでみたかった方も多いと思いますので、
5年間の感謝を込めてグラスワインでご提供中です。

*ドメーヌ・ポンコツ ¥690 「まどぎわ」と「ジャロピー」の日替わりになります。




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幸せなチーズ + ライオン・デリのご案内=⑱

2020-06-21 12:55:01 | しあわせなチーズ


昨日届いた、食べると幸せな気持ちになれるチーズの紹介です。

1つめは、フランス・ブルターニュ地方で作られている白カビのチーズ「カレ・ド・ブルターニュ」です。
お隣のノルマンディー地方で作られる世界中で有名な白カビチーズ、カマンベールと比べると
穏やかな味わいで、オイラは断然こちらが好きです。



2つめは、那須高原の今牧場の「りんどう」というチーズです。
イタリアのウォッシュチーズタレッジョに近い味わいの、旨味に溢れた美味しいチーズです。

「カレ・ド・ブルターニュ」「りんどう」単品 ¥600
チーズ5種類の盛り合わせ ¥1280-

そして今でも元気に継続中! ライオンミドリのテイクアウト、ライオン・デリの紹介、今日はフランス産チーズです。
フランスとスイスとの国境沿いにあるコンテ村の名産のチーズで名前もコンテです。
フランス国内の消費量も断トツに多い、フランス人に心から愛されているチーズです。
ご自宅でもたくさん食べて欲しいので、100gのブロック状にカットにしました。
1ブロックで¥1000ーです。実はこの価格でもほとんど原価! ライオンミドリがチーズ屋さんから購入する金額です。
100gで¥1000、牛肉や豚肉で考えると相当高い値段ですが、日本のインポーターがヨーロッパの生産者さんから
細心の注意を払いながら航空便で輸入して、その後の品質管理をして販売すると、この価格になってしまいます。
しかも・・・・・コンテは安い方です。ライオンミドリで扱う様々なチーズ、実は100gの原価¥1000位~¥3000位です。
しかも・・・・・商品としては使えない端の部分や皮の部分の重量も金額に含まれますので実際はもう少し高い感じです 
オイラがパリ時代に感激した美味しいチーズを皆様に味わって欲しいので、ライオンミドリ・今日も頑張ります 

⁂テイクアウト用コンテチーズ1ブロック ¥1000-





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沖縄でヴァンナチュール/歓喜のソーヴィニョン=ジュリアン・ピノー/シュブスタンス2017

2020-06-13 12:10:14 | ワイン


今日は、フランス/ロワールの造り手ジュリアン・ピノーのワインの紹介です。
まだまだ若いジュリアン・ピノーですが、ロワール地方の著名な造り手が引退した際に
そのドメーヌの最良の畑を譲り受けた事で一気に有名になり、天性の才能で玄人受けするワインを造っています。
今まで造ってきたワインも充分美味しいのですが、ソーヴィニョン・ブランで造る「シュブスタンス/2017」が凄いです。
本当に美味しい! 試飲したときのオイラのテンションの上がり方は、ローリング・ストーンズの94/95年のヴードゥー・ラウンジ・ツアーで
オープニングが、まさかのボ・ディドリーのカバー曲、ノット・フェイド・アウェイ / Not Fade Away だった時と似てました m(__)m

*ジュリアン・ピノー/シュブスタンス2017 ¥6990
 お持ち帰りは¥700引きになります。

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