今日読み終った本は瀬尾まいこ『夏の体温』である。
3つの短編で構成されている。
1話目の『夏の体温』は小学生の入院生活のお話で
昨年コロナで入院生活の私は頷けるエピソードが多かった。
入院生活は暇だし退屈だし、時間が経つのが遅い。
その辺の心理描写が見事なのである。
主人公は小学校3年生の3日間の友情の物語でもある。
2話目は『魅惑の極悪人ファイル』
ストブラと呼ばれる大学生を小説化しようとする女子学生との
物語りだ。ストブラとはストマックブラックの略称で
腹黒いと同級生から思われているのだが
読み進めていくうちに腹黒くもなく偽善者でもない事が
判ってくるのである。
どちらかと言えば良い奴なんだけど。
陰口を聞いて
『自分の事は自分に原因があるような気がして
腹が立つまでは行かないけど友達が嫌な目にあっていると
妙に頭にくるんだ』
判るなぁ、この気持ち。
3話目の『花曇りの向こう』は教科書に載った短い小説だけど
短いお話の中に中学生の心理描写が見事だ。
という事で
この本も良かった。