告白湊 かなえ双葉社このアイテムの詳細を見る |
第6回(2009年)本屋大賞受賞作です。
本屋大賞と云うのは、「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本」
ということで、書店員の投票で選ばれるそうです。
シングルマザーの中学校教師の娘が水死し、事故として処理される。
女教師は、学年末のホームルームで、娘はこのクラスの生徒に殺されたと告げる。
ここから、第一章、娘を殺された女教師。第二章、犯人のクラスメート。第三章、犯人の姉。と各章毎に一人称で、そこに登場する私に事件を語らせている。
物語が進むにつれ、重苦しい感覚に捕らわれてくるが、それでも先へ先へと読み進めなくては居られなくなる。
思い込みに支配され、原因や結論を決め付けてしまう。
自分の都合の良いように物事を解釈してしまう愚かさ。
事実を客観的に見られない偏った思考。
最後がやりきれないんだけど、人の弱さを見せてくれる傑作でした。
日常の中に、いくらでもありそうな話なので、
「ほんとに彼がそういったの?」
「何故、それが事実だといえるの?」
「それを、確認したの?」
「どうしたら、ほんとの事が解るんだろう?」
こんな質問をしたくなる今日この頃、皆様如何お過ごしでしょうか。