以前、勝谷誠彦の××な日々と云う、さるさる日記(ブログ以前の個人情報発信)を読んでいた時から、この男は頭に血が登りやすいが、わりとまともなことを言っていると思っていた。
その後、日記はメールに変わり、有料になったが、以来毎日送られてくるメール情報を購読している。
その彼が余程頭に来たんでしょうな、自分のメール情報を外部に流しても良いと言い出した。
それじゃ、ってんで、早速コピペしましたんで読んでみてくださいな。
****************** ここから勝谷誠彦の××な日々の一部コピペ ****************
TPPにはむろん今の段階では私は反対である。農業が矢面に立って同情論を喚起しようとしているのには、これまでのあの業界の振舞いを見ていて失笑を禁じ得なかったが、しかし頼まれればこたえてあげようと思った。『JA全農ウイークリー』からTPPに関するオピニオンを書いてくれと頼まれて引き受けたのもそのためだ。「反対論で」などと最初から注文をつけられ、普通はこういうのは許容しないのだが、お国のためだと考え直した。とっとと書いて入れたのは、昨日この日記で報告した通りである。すると昨日、担当者からメールがあった。全文を引用する。
<お世話になります。昨日は原稿を有り難うございました。
原稿を全農様の担当部署に見せたのですが、「農業団体の企業広報誌」という性格
上、添付の線で囲んだ部分は好ましくないということでした。またこの「全農ウイークリー」は、農水省にも送っているため役人に刺激を与えるような表現も控えてほしいとのことでした。
そのかわりに、農業以外の医療や保険分野などに与える影響を述べていただけたらと思います。勝谷様は、昨年秋に尼崎で医療フォーラムのパネリストとして出席されたと聞いております。そのあたりの話を交えていただくと有り難いです。
テレビ・ラジオや雑誌と違い、企業や組織サイドに立って編集しなくてはいけなくなりますので、申し訳ないのですがそのあたりの事情もご配慮いただきたいと存じます。
よろしくお願い申し上げます。>
はははは。いま真っ青になった編集者やディレクターの方々がいたでしょう。カツヤにこんなことを言えばどうなるのかわかっているのかと。ええ、そうなるんですよ。もちろん即座に原稿を引き上げた。いやはや、なるほどどういう連中がこの国の農政の周囲で蠢動しているのか、まことによくわかった。
原稿料、首をひねるほど高かったんですよ。同じ時に入れた『古典酒場』の十数倍だ。文章量はそうは違わないのに。なるほどそういうことだったんですね。それだけ払えば、言いなりに書くだろうということか。これが農協のやり口なんだね。ということは、これまで同じコーナーで書いてきた方々は、むこうの言い分に従って筆をまげてきたのかな。直近だと森永卓郎さんとか。おっと失礼(笑)。もちろん私は、タダ働きにした。
先方は私の原稿に赤字を入れてこられた。バッサリといくつもの段落がまるごと削られていたりする。少しでも作者に敬意を持つ編集者なら、作業として怖くてできないことだ。なるほど、ずっとこういうことをしてきた方々なのだなと、わかった。編集者じゃなくて一種の総会屋ですね。では「幻のボツ原稿」の全文をここで公開することにしよう。
<言葉を紡ぐことを商売にしているので、私は用語には比較的厳格である。だからTPPという言葉に関しては、最初から怪しいと思っていた。TPPに懐疑的な人々はまずここから入ればいいと思うのだが、この協定の正式名称を英語で言える人も実は少ない。
正式には『Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement』である。これを霞が関はどう訳してきたか。言うまでもなく『環太平洋戦略的経済連携協定』だ。
英語が少しでもわかる人なら「あれ?」と思いませんか。Teans を英和辞典で引くとこう出る。<「越えて」「横切って」「貫いて」「通って」「…の向こう側の」>。これのどこをどう読めば「環太平洋」になるのだろうか。もし「環太平洋」ならばPan-Pacific にならなくてはおかしいでしょう。現にさまざまな団体や条約の名称はそうなっている。
言葉は真実を語る。つまり「太平洋のあっちとこっち」の条約なのである。もっとあからさまに言うならば「アメリカと日本の決まり事」なのだ。これは御存知のように、全体で扱う金額などのほとんどを日米が占めていることでもよくわかる。「アメリカに言われて従わざるを得ない命令」であることを誤魔化すために「環太平洋」などというデタラメな翻訳を役人はしたのだと私は思う。このことを霞が関の連中に指摘すると、みんな黙ってしまう。ホントだからだろう。
日本人は「みんな仲良く」に弱い。大東亜戦争の戦勝国の仲良しクラブに過ぎない国連に過大な期待をするのでもわかるように。「シンガポールも、ブルネイも入っていますよ。ここで経済大国の日本が欠けるというのは国際協調を国是としているプライドにもとりませんか」と言われると、日本人はついグラリと来る。日本の役人は外交で他国をやりこめられないくせに、自国民を騙す技術は天下一品なのだ。その結果が積み上がっている国家の債務であることは言うまでもない。
私はまずこの「すべてが嘘つきから始まっている」という認識を持つことが大切だと思う。あらゆる業界で横断的にだ。
この国は長年の利権談合共産主義によって、業界団体がタコツボ的にオノレの利権を守ることに慣れてきた。だから今回の国際的な詐欺にしてもすぐにそれぞれの事情を持ちだして来る。たしかにいずれも根拠のあることだが、こうなると互いの足を引っ張り合うのもまた、私たちの宿痾だと自覚しよう。
農業は特に国内の批判にさらされてきた。さまざまな問題はある。しかし、だからといって「外に放り出して鍛えてもらえ」というのは乱暴すぎる話だ。いま問題になっている体罰ではないが「根性を叩き直す」だけではなく、殺されてしまう可能性もあるのではないか。だが、他の業界の中には農業を目の敵にして、こういうことをしきりに主張する向きも目立つ。「自分はそう見られているんだ」という自覚と謙虚さはまさに「戦略的に」農業界は持った方がいい。
それには被害者面をやめることだ。もっと雄々しく立ち回ることだ。これが日本の農業界にもっとも欠けていた。さきほど体罰について書いたが、いまもうひとつの大きな問題として「いじめ」がある。さまざまな業界にとって農業って「いじめたくなる存在」だという自覚はありますか?数をたのみ、先生という名の政治家に可愛がられ、過保護な扱いをされているのに、外でケンカするとすぐに負けて泣いて帰ってくる。こんな子どもがいたら、よくないことではあるが、いじめたくなる奴も出て来ると思いませんか?
日本酒の本をたくさん書いている私は、長く酒蔵の方向から農業を見てきた。有名な産地の山田錦の蔵への割り当てが、いかに利権と談合にまみれているかも知ってきた。今や立場は逆転し、山田錦を蔵に「買ってもらう」時代になったのは慶賀の至りだ。
日本酒業界はこの農業界からの逆な「いじめ」に耐えてきた。自らを鍛え、昨年度はついに日本酒の出荷量は底を打ち、反転攻勢に立っている。「クール」な日本酒は今やわが国が誇る輸出産業だ。誰も守ってくれてはいない中、自助努力で復活したのだ。これはひとつの学ぶべきモデルではないだろうか。
農業だけではなく特に医療や保険など明らかにマイナスとなる部門は多い。極端な話、モノを書いて飯を食っている私の業界でも「日本語が参入の邪魔になる」として全部英語で発信しろと言われるかも知れないのだ。マンガみたいな話だが、あながち冗談だけではない。それほど「丸飲み」の約束というものは怖い。そんな「詐欺師」を相手にして、いま農業にもっとも必要なのは「ファイティングポーズ」なのだ。国民の同情を引いたり、脅したりすることではない。「こんなかわいそうな農業」ではなく「こんな立派な農業」を危機にさらすわけにはいかない、そう国民に思わせて欲しい。>
****************** ここまで勝谷誠彦の××な日々の一部コピペ ****************
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TPPにはむろん今の段階では私は反対である。農業が矢面に立って同情論を喚起しようとしているのには、これまでのあの業界の振舞いを見ていて失笑を禁じ得なかったが、しかし頼まれればこたえてあげようと思った。『JA全農ウイークリー』からTPPに関するオピニオンを書いてくれと頼まれて引き受けたのもそのためだ。「反対論で」などと最初から注文をつけられ、普通はこういうのは許容しないのだが、お国のためだと考え直した。とっとと書いて入れたのは、昨日この日記で報告した通りである。すると昨日、担当者からメールがあった。全文を引用する。
<お世話になります。昨日は原稿を有り難うございました。
原稿を全農様の担当部署に見せたのですが、「農業団体の企業広報誌」という性格
上、添付の線で囲んだ部分は好ましくないということでした。またこの「全農ウイークリー」は、農水省にも送っているため役人に刺激を与えるような表現も控えてほしいとのことでした。
そのかわりに、農業以外の医療や保険分野などに与える影響を述べていただけたらと思います。勝谷様は、昨年秋に尼崎で医療フォーラムのパネリストとして出席されたと聞いております。そのあたりの話を交えていただくと有り難いです。
テレビ・ラジオや雑誌と違い、企業や組織サイドに立って編集しなくてはいけなくなりますので、申し訳ないのですがそのあたりの事情もご配慮いただきたいと存じます。
よろしくお願い申し上げます。>
はははは。いま真っ青になった編集者やディレクターの方々がいたでしょう。カツヤにこんなことを言えばどうなるのかわかっているのかと。ええ、そうなるんですよ。もちろん即座に原稿を引き上げた。いやはや、なるほどどういう連中がこの国の農政の周囲で蠢動しているのか、まことによくわかった。
原稿料、首をひねるほど高かったんですよ。同じ時に入れた『古典酒場』の十数倍だ。文章量はそうは違わないのに。なるほどそういうことだったんですね。それだけ払えば、言いなりに書くだろうということか。これが農協のやり口なんだね。ということは、これまで同じコーナーで書いてきた方々は、むこうの言い分に従って筆をまげてきたのかな。直近だと森永卓郎さんとか。おっと失礼(笑)。もちろん私は、タダ働きにした。
先方は私の原稿に赤字を入れてこられた。バッサリといくつもの段落がまるごと削られていたりする。少しでも作者に敬意を持つ編集者なら、作業として怖くてできないことだ。なるほど、ずっとこういうことをしてきた方々なのだなと、わかった。編集者じゃなくて一種の総会屋ですね。では「幻のボツ原稿」の全文をここで公開することにしよう。
<言葉を紡ぐことを商売にしているので、私は用語には比較的厳格である。だからTPPという言葉に関しては、最初から怪しいと思っていた。TPPに懐疑的な人々はまずここから入ればいいと思うのだが、この協定の正式名称を英語で言える人も実は少ない。
正式には『Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement』である。これを霞が関はどう訳してきたか。言うまでもなく『環太平洋戦略的経済連携協定』だ。
英語が少しでもわかる人なら「あれ?」と思いませんか。Teans を英和辞典で引くとこう出る。<「越えて」「横切って」「貫いて」「通って」「…の向こう側の」>。これのどこをどう読めば「環太平洋」になるのだろうか。もし「環太平洋」ならばPan-Pacific にならなくてはおかしいでしょう。現にさまざまな団体や条約の名称はそうなっている。
言葉は真実を語る。つまり「太平洋のあっちとこっち」の条約なのである。もっとあからさまに言うならば「アメリカと日本の決まり事」なのだ。これは御存知のように、全体で扱う金額などのほとんどを日米が占めていることでもよくわかる。「アメリカに言われて従わざるを得ない命令」であることを誤魔化すために「環太平洋」などというデタラメな翻訳を役人はしたのだと私は思う。このことを霞が関の連中に指摘すると、みんな黙ってしまう。ホントだからだろう。
日本人は「みんな仲良く」に弱い。大東亜戦争の戦勝国の仲良しクラブに過ぎない国連に過大な期待をするのでもわかるように。「シンガポールも、ブルネイも入っていますよ。ここで経済大国の日本が欠けるというのは国際協調を国是としているプライドにもとりませんか」と言われると、日本人はついグラリと来る。日本の役人は外交で他国をやりこめられないくせに、自国民を騙す技術は天下一品なのだ。その結果が積み上がっている国家の債務であることは言うまでもない。
私はまずこの「すべてが嘘つきから始まっている」という認識を持つことが大切だと思う。あらゆる業界で横断的にだ。
この国は長年の利権談合共産主義によって、業界団体がタコツボ的にオノレの利権を守ることに慣れてきた。だから今回の国際的な詐欺にしてもすぐにそれぞれの事情を持ちだして来る。たしかにいずれも根拠のあることだが、こうなると互いの足を引っ張り合うのもまた、私たちの宿痾だと自覚しよう。
農業は特に国内の批判にさらされてきた。さまざまな問題はある。しかし、だからといって「外に放り出して鍛えてもらえ」というのは乱暴すぎる話だ。いま問題になっている体罰ではないが「根性を叩き直す」だけではなく、殺されてしまう可能性もあるのではないか。だが、他の業界の中には農業を目の敵にして、こういうことをしきりに主張する向きも目立つ。「自分はそう見られているんだ」という自覚と謙虚さはまさに「戦略的に」農業界は持った方がいい。
それには被害者面をやめることだ。もっと雄々しく立ち回ることだ。これが日本の農業界にもっとも欠けていた。さきほど体罰について書いたが、いまもうひとつの大きな問題として「いじめ」がある。さまざまな業界にとって農業って「いじめたくなる存在」だという自覚はありますか?数をたのみ、先生という名の政治家に可愛がられ、過保護な扱いをされているのに、外でケンカするとすぐに負けて泣いて帰ってくる。こんな子どもがいたら、よくないことではあるが、いじめたくなる奴も出て来ると思いませんか?
日本酒の本をたくさん書いている私は、長く酒蔵の方向から農業を見てきた。有名な産地の山田錦の蔵への割り当てが、いかに利権と談合にまみれているかも知ってきた。今や立場は逆転し、山田錦を蔵に「買ってもらう」時代になったのは慶賀の至りだ。
日本酒業界はこの農業界からの逆な「いじめ」に耐えてきた。自らを鍛え、昨年度はついに日本酒の出荷量は底を打ち、反転攻勢に立っている。「クール」な日本酒は今やわが国が誇る輸出産業だ。誰も守ってくれてはいない中、自助努力で復活したのだ。これはひとつの学ぶべきモデルではないだろうか。
農業だけではなく特に医療や保険など明らかにマイナスとなる部門は多い。極端な話、モノを書いて飯を食っている私の業界でも「日本語が参入の邪魔になる」として全部英語で発信しろと言われるかも知れないのだ。マンガみたいな話だが、あながち冗談だけではない。それほど「丸飲み」の約束というものは怖い。そんな「詐欺師」を相手にして、いま農業にもっとも必要なのは「ファイティングポーズ」なのだ。国民の同情を引いたり、脅したりすることではない。「こんなかわいそうな農業」ではなく「こんな立派な農業」を危機にさらすわけにはいかない、そう国民に思わせて欲しい。>
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