⭐️⭐️浅野まことのここだけの話⭐️⭐️

浅野まことがここだだけの話をブログで大公開!!

TPP交渉、最終攻防 新薬・乳製品なお溝 日米、コメ・車部品で詰め

2015年08月01日 | 国際政治
TPP交渉、最終攻防
新薬・乳製品なお溝 日米、コメ・車部品で詰め
2015/8/1 3:30 日経朝刊

 【ラハイナ(米ハワイ州)=八十島綾平】日米など環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する12カ国は30日(日本時間31日)、ぎりぎりの協議を続けた。医薬品に関する知的財産のルールや乳製品を巡って対立が表面化し、交渉は正念場を迎えている。参加国は作業を事務レベルに戻して徹夜で論点を詰め、最終日に設定された31日の閣僚会合で政治決着を目指すが、予断を許さない情勢だ。



 30日午後の12カ国の閣僚会合は、予定より3時間も遅れて始まった。「知的財産で各国の利害がぶつかり調整できなかった」と甘利明経済財政・再生相は説明した。
 閣僚会合は夕刻にようやく始まったものの、1時間足らずで休憩に入った。争点が煮詰まらず、閣僚による決着が見込めなかったためだ。
 その後、事務レベルで地ならしを試みたが進展せず、30日中の閣僚会合再開は見送られた。同会合は31日午前に再開する予定で、事務方は徹夜で調整を進めている。
 知的財産分野で難航するのが医薬品の開発データの保護期間だ。米国は新薬の権利を守りたい大手新薬メーカーの意向を受け12年を主張。後発薬を早く使いたいオーストラリアや途上国は5年を求めてきた。30日の会合では8年を軸にした折衷案が示されたもようだが歩み寄りは乏しい。
 特産品に地名を付ける地理的表示の保護ルールでも米国と新興国の交渉が「予想外に難航している」(日本の関係者)。
 乳製品も深刻な争点だ。競争力があるニュージーランドは日本やカナダに大幅な輸入拡大を要求。低関税の輸入枠を検討する日本にさらなる譲歩を迫り、日本の交渉官を憤慨させたという。
 「市場開放の姿勢に不満を持っている」。ニュージーランドはカナダにもかみついた。同国の強硬姿勢が交渉全体の波乱要因となっている。
 日米の2国間交渉では米国産のコメが残った課題だ。甘利氏は日本が設ける無税の輸入枠を年7万トンとする案を提示し、米通商代表部(USTR)のフロマン代表と詰めたい考え。だが閣僚会合全体が遅れカードを切り合うに至っていない。
 日米のもう一つの焦点は日本が米国に輸出する自動車部品。5割超の部品で関税を即時撤廃することは固まっていたが、日本は品目の大幅な上積みを目指している。
 「(閣僚会合を)1日延ばすこともあり得る」。議長国をつとめる米政府の高官はそう漏らす。米国は現地時間の31日昼すぎ(日本時間1日朝)に閣僚の共同記者会見を予定するが、それまでの交渉妥結は厳しくなってきたとの認識だ。
 「最後になって皆がカードを切り(交渉が)まとまることはよくある」。30日深夜、TPP政府対策本部の渋谷和久内閣審議官は、記者団を前に疲れた表情で交渉妥結への望みをつないだ。交渉、最終攻防
新薬・乳製品なお溝 日米、コメ・車部品で詰め
2015/8/1 3:30 日経朝刊

 【ラハイナ(米ハワイ州)=八十島綾平】日米など環太平洋経済連携協定(TPP)交渉に参加する12カ国は30日(日本時間31日)、ぎりぎりの協議を続けた。医薬品に関する知的財産のルールや乳製品を巡って対立が表面化し、交渉は正念場を迎えている。参加国は作業を事務レベルに戻して徹夜で論点を詰め、最終日に設定された31日の閣僚会合で政治決着を目指すが、予断を許さない情勢だ。

 30日午後の12カ国の閣僚会合は、予定より3時間も遅れて始まった。「知的財産で各国の利害がぶつかり調整できなかった」と甘利明経済財政・再生相は説明した。
 閣僚会合は夕刻にようやく始まったものの、1時間足らずで休憩に入った。争点が煮詰まらず、閣僚による決着が見込めなかったためだ。
 その後、事務レベルで地ならしを試みたが進展せず、30日中の閣僚会合再開は見送られた。同会合は31日午前に再開する予定で、事務方は徹夜で調整を進めている。
 知的財産分野で難航するのが医薬品の開発データの保護期間だ。米国は新薬の権利を守りたい大手新薬メーカーの意向を受け12年を主張。後発薬を早く使いたいオーストラリアや途上国は5年を求めてきた。30日の会合では8年を軸にした折衷案が示されたもようだが歩み寄りは乏しい。
 特産品に地名を付ける地理的表示の保護ルールでも米国と新興国の交渉が「予想外に難航している」(日本の関係者)。
 乳製品も深刻な争点だ。競争力があるニュージーランドは日本やカナダに大幅な輸入拡大を要求。低関税の輸入枠を検討する日本にさらなる譲歩を迫り、日本の交渉官を憤慨させたという。
 「市場開放の姿勢に不満を持っている」。ニュージーランドはカナダにもかみついた。同国の強硬姿勢が交渉全体の波乱要因となっている。
 日米の2国間交渉では米国産のコメが残った課題だ。甘利氏は日本が設ける無税の輸入枠を年7万トンとする案を提示し、米通商代表部(USTR)のフロマン代表と詰めたい考え。だが閣僚会合全体が遅れカードを切り合うに至っていない。
 日米のもう一つの焦点は日本が米国に輸出する自動車部品。5割超の部品で関税を即時撤廃することは固まっていたが、日本は品目の大幅な上積みを目指している。
 「(閣僚会合を)1日延ばすこともあり得る」。議長国をつとめる米政府の高官はそう漏らす。米国は現地時間の31日昼すぎ(日本時間1日朝)に閣僚の共同記者会見を予定するが、それまでの交渉妥結は厳しくなってきたとの認識だ。
 「最後になって皆がカードを切り(交渉が)まとまることはよくある」。30日深夜、TPP政府対策本部の渋谷和久内閣審議官は、記者団を前に疲れた表情で交渉妥結への望みをつないだ。