#68 ビッグ・ジャック・ジョンスン「Dust My Broom」(The Memphis Barbecue Sessions/M.C.)
ビッグ・ジャック・ジョンスンといっても、マニアなひと以外はまずご存じでないと思うが、息の長い、ベテラン・ブルースマンである。
40年ミシシッピ州ランバート生まれなので、今年で69才。もちろん現在も活躍中である。
10代でギターを始め、BBに強く影響を受けるようになる。クラークスデールでフランク・フロスト(kb,hca)、サム・カー(ds)と出会い、ジェリー・ロール・キングスを結成、本格的なプロのキャリアが始まる。
87年以来、キングスの活動と並行してソロ・レコーディングもおこない、7枚のアルバムがある。「The Memphis Barbecue Sessions」はその中では異色の、アンプラグド・セッションだ。
ファビュラス・サンダーバーズのハーピスト、キム・ウィルスンとデュオ共演。今日聴いていただくのは、ブルース・スタンダード中のスタンダード、ロバート・ジョンスンの名曲である。
他のアルバムでは、コテコテのエレクトリック・ギターが売りのビッグ・ジャック・ジョンスンも、ここではアコースティックのみで、軽やかなプレイを聴かせてくれる。スライドを織り交ぜ、スナップをきかせたブギ・ビートがいい感じだ。
歌のほうは、声がつぶれていて発音もあいまいだし、ギターに比べてお世辞にも上手いとはいえないが、それでいいんである。ブルースマンの歌は声質や技術を競うんでなく、ハートが伝わるかどうかがポイントなんだから。
相方のキム・ウィルスンも、ノン・アンプリファイドでいい感じにひなびたハープを聴かせてくれる。音が前に出過ぎず、少し遠くで鳴っているふうのバランスで録れているのも◎。
このレコーディングは、ジョンスンのガンガンのエレキ演奏を期待するムキには評判があまりよくないようだが、筆者的にはけっこう気に入っている。
サニー・テリー&ブラウニー・マギーにも通じるところのある、いなたさ。その一方で、ジュニア・ウェルズ&バディ・ガイのような、陰にこもったスゴみのようなものも感じさせるし。このデュオ、臨時編成にしとくには、惜しいね~。
他にはハウリン・ウルフの「Smokestack Lightning」、リトル・ウォルターの「My Babe」、ウィリー・ディクスンの「Big Boss Man」などもやっている。最小の編成でブルースの本質を伝える演奏がつまっているのだ。
少ない音数で、聴き手をノックアウトさせる音楽というものがある。ジョンスン&ウィルスンのデュオも、その見事な一例だと思います。
ビッグ・ジャック・ジョンスンといっても、マニアなひと以外はまずご存じでないと思うが、息の長い、ベテラン・ブルースマンである。
40年ミシシッピ州ランバート生まれなので、今年で69才。もちろん現在も活躍中である。
10代でギターを始め、BBに強く影響を受けるようになる。クラークスデールでフランク・フロスト(kb,hca)、サム・カー(ds)と出会い、ジェリー・ロール・キングスを結成、本格的なプロのキャリアが始まる。
87年以来、キングスの活動と並行してソロ・レコーディングもおこない、7枚のアルバムがある。「The Memphis Barbecue Sessions」はその中では異色の、アンプラグド・セッションだ。
ファビュラス・サンダーバーズのハーピスト、キム・ウィルスンとデュオ共演。今日聴いていただくのは、ブルース・スタンダード中のスタンダード、ロバート・ジョンスンの名曲である。
他のアルバムでは、コテコテのエレクトリック・ギターが売りのビッグ・ジャック・ジョンスンも、ここではアコースティックのみで、軽やかなプレイを聴かせてくれる。スライドを織り交ぜ、スナップをきかせたブギ・ビートがいい感じだ。
歌のほうは、声がつぶれていて発音もあいまいだし、ギターに比べてお世辞にも上手いとはいえないが、それでいいんである。ブルースマンの歌は声質や技術を競うんでなく、ハートが伝わるかどうかがポイントなんだから。
相方のキム・ウィルスンも、ノン・アンプリファイドでいい感じにひなびたハープを聴かせてくれる。音が前に出過ぎず、少し遠くで鳴っているふうのバランスで録れているのも◎。
このレコーディングは、ジョンスンのガンガンのエレキ演奏を期待するムキには評判があまりよくないようだが、筆者的にはけっこう気に入っている。
サニー・テリー&ブラウニー・マギーにも通じるところのある、いなたさ。その一方で、ジュニア・ウェルズ&バディ・ガイのような、陰にこもったスゴみのようなものも感じさせるし。このデュオ、臨時編成にしとくには、惜しいね~。
他にはハウリン・ウルフの「Smokestack Lightning」、リトル・ウォルターの「My Babe」、ウィリー・ディクスンの「Big Boss Man」などもやっている。最小の編成でブルースの本質を伝える演奏がつまっているのだ。
少ない音数で、聴き手をノックアウトさせる音楽というものがある。ジョンスン&ウィルスンのデュオも、その見事な一例だと思います。