NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

#69 ピーター・グリーン「Born Under a Bad Sign」

2009-03-15 08:56:01 | Weblog
#69 ピーター・グリーン「Born Under a Bad Sign」(Blues For Dhyana/Culture Press)

ピーター・グリーン、98年のアルバムから。アルバート・キングでおなじみのナンバー、「悪い星のもとに」である。

グリーンは10年ほどのブランクののち、97年にスプリンター・グループを結成して音楽活動を再開する。翌年に発表したのが、この「Blues For Dhyana」というアルバムだ。

12曲中10曲はグリーン自身のオリジナルだが、この「悪い星~」と「セイム・オールド・ブルース」はカバー。

聴いてみると、実に肩の力が抜けているといいますか、歌にせよ、ギターにせよ、まったくリキんだところがない。

クリーム(歌はジャック・ブルース)やロベン・フォードあたりの同曲と比較してみるとよくわかると思いますが、歌はモノローグのようで枯れまくっているし、ギターはひたすらソリッドでシンプル。

まさに枯淡の境地なんであります。

昔の、つまりフリートウッド・マック時代の「神がかった」プレイを期待して聴いたファンは、見事な肩すかしをくらうことでしょう。

でも、これもまたブルース。書にも楷書、行書、草書などとさまざまな書体があるように、ブルースにも草書のようなそれがあるってことです。

重厚、コテコテなブルースばかりがブルースじゃない、そうゆうこと。

スルメのように、聴けば聴くほど味が出てくるのも、この曲の身上。ぜひ5回はリピートしてほしいです。

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