NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

#240 ジョニー・ラング「Cherry Red Wine」

2012-11-03 18:36:39 | Weblog
#240 ジョニー・ラング「Cherry Red Wine」(Wander This World/A&M)

今週も白人ギタリスト/シンガーだ。81年生まれの若手、ジョニー・ラング98年のセカンド・アルバムより。ルーサー・アリスンの作品。

ノースダコタ州ファーゴに生まれたラングは、12歳でライブに接してブルースに開眼、ギターを始めるや、みるみる上達してローカル・バンドに参加、フロントマンとなる。

インディーズのアルバムが3万枚も売れ、ルーサー・アリスン、バディ・ガイ、ジミー・ヴォーン、B・B・キングといったベテラン・ブルースマンとも共演して話題となり、96年、16歳の若さでA&Mよりメジャー・デビューしたという超新星であった。

その後も映画「ブルース・ブラザーズ2000」に出演したり、07年にはアルバム「Turn Around」でグラミー賞を受賞したりと、常に話題にはことかかないアーティストだが、日本ではあまり人気があるとはいえない、特にコアなブルースファンにおいては。

そのワケを考えてみるに、やはり、彼らに根強い「黒人ブルース原理主義」というのが大きくかかわっているのだろう。クラプトンの音楽でさえブルースとしてはあまり評価しない、みたいな。

しかしですね、音楽を人種・民族で切り分けるなんて、どう考えてもナンセンスでしょ。

すぐれた歌唱や演奏をしているのであれば、それが黒人だろうが、白人だろうが、はたまた東洋人であろうが、関係ないはず。

ジョニー・ラングは、さまざまな黒人アーティストを聴き続けてきた(筆者を含む)人々にも、十分訴求するものをもつ、本当の実力派だと思うのである。

論より証拠、まずはこの「Cherry Red Wine」を聴いてほしい。

これはルーサー・アリスンでおなじみのスロー・ブルース・ナンバーのカバーだが、ラングは過剰なまでの熱唱を聴かせてくれる。

もちろん、アリスン直伝の泣きのギター・プレイも素晴らしいのだが、それ以前にボーカリストとして十二分の表現力を持っていることが重要なのだ。

黒人ブルースマンでも、ギターは上手いが歌は愛嬌程度、みたいなのが多いなかで、彼は実に真剣に歌に取り組んでいることが伝わってくる。

ところどころヤリ過ぎ感があるのも否めないが(笑)、17歳の血気盛んな青少年としては、こういう「熱暴走」こそがふさわしいという気もする。

はっきり言って、高校2年のときの自分がこれだけ歌えていたかというと、まったく足元にも及ばなかったと思う。やっぱ、スゲー人なのだ、ラングは。

もちろん、「若いのにスゲー」という評価だけでは、すぐにやっていけなくなる。20代半ばともなれば、年齢による甘い採点はなくなる。

でもその後も、より男臭く、硬派なイメージで成長し続けるラングを見るにつけ、一過性のアイドル・ブルースマンではなく、その実力はホンモノだったんだなと感じる。十年、二十年としぶとく生き残り続けること、これこそがアーティストの実力の証明なのだ。

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