2011年10月1日(土)
#187 ラリー・カールトン「BLUES FOR TJ」(FRIENDS/MCA)
#187 ラリー・カールトン「BLUES FOR TJ」(FRIENDS/MCA)
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今年も残すところ三月かぁ。ホント、一年ってあっという間に過ぎてしまうよね。
さて、10月の第一弾はこれ。ラリー・カールトン、83年のアルバムより。ゲストにB・B・キングを迎えてギター共演をしたブルース・ナンバー。カールトン、キングの共作。
ラリー・カールトンというギタリストは、ジャズ、フュージョン、ロックなど、さまざまな引き出しを持っているが、やはりその音楽の原点はブルースだといえるだろう。彼のプレイには常に、濃厚なブルースの「匂い」がぷんぷんと漂っている。
彼が最もインスパイアされた先輩ギタリストの一人、BBとの共演。これはもう、聴かないわけにいかない。
この曲は、カールトン名義のアルバムということもあってか、あえて歌は入れず、インストのみの構成となっている。
まずはBBのソロから、スタート。おなじみのタメのフレーズが炸裂する2コーラスの後、カールトンにバトン・タッチ。
ナチュラル・ディストーションをばりばりに効かせて、盛り上がった彼のソロの後は、ふたたびBBが、ぐっとトーンを落したソロで引き継ぐ。
ときには二人でハモりを入れるなど、息の合ったところを見せているうち、このスロー・ブルースは静かに幕引きを迎える。
実にさらっとした、リキみのない仕上がり。さすが、大御所と実力派のタッグでありますな。
ボーカルは入っていないもの、歌心に満ちた二人のソロは、ハンパなシンガーよりは、よっぽど説得力のある「うた」だといえる。
エイブ・ラボリエル、ジェフ・ポーカロ、ジョー・サンプルをはじめとする、バック・ミュージシャンの前に出過ぎないサポートぶりもまた、素晴らしい。
ブルースにもいろいろなスタイル、サウンドがあるが、この曲こそはインストゥルメンタル・ブルースの粋(すい)といっていいんじゃないかな。
白人・黒人それぞれのトップ・ギタリストの共演。聴かなきゃ、ソンです。