2009年4月12日(日)
#73 ロビン・トロワー「Looking For A True Love」(Someday Blues/V-12)
洋モノに再び戻ろう。息の長い英国のギタリスト、ロビン・トロワー1997年のアルバムから、彼のオリジナルを。
45年ロンドン生まれ。クラプトン、ペイジらとほぼ同世代のトロワーは、プロコル・ハルムを経て73年にソロ・デビュー。以来ずっと自分のバンドを率いて35年以上活躍し続けている、超ベテランだ。
彼の人気を決定づけたのは、76年にリリースした「ロビン・トロワー・ライブ!」だろう。このライブ盤で、スタジオ録音を上回るハイテンションなギター・プレイを披露、世のギター小僧どもの度肝を抜いたのだった。
当時の評価としては、「ジミ・ヘンの再来」みたいなギター・テクニック面のものばかりだったように記憶している。
たしかに、フレージングやエフェクトの使いかたは、かなりジミへンライクではあった。でも、ギタープレイ「だけ」に注目が当たるのは、彼にとって不本意なことだったのではなかったかと思う。
なにより彼はバンドのほぼすべての曲を作っていたのだから、もっとコンポーザーとしての面を評価すべきだったのだと思うね。
とはいえ、彼のように、派手に歌いまくるわけでもなく、格別イケメンでもない、地味~なミュージシャンに一躍スポットが当たったというのも、実に興味深い現象だ。まだロックが、ロックということだけで世間の注目を集めていた時代だったから、ともいえる。
当時から「実力派」の評価が高かったトロワーだが、それがウソでなかったのは、35年余りを経て、いまだにプロとして活躍している事実で、十分に証明されているね。
さてこのトロワー氏、キャリアを重ねるとともに、ジミ・ヘンのモロな影響は次第に消えていき、よりルーツ・ミュージックに根ざしたブルース・ロック、ハード・ロックへとシフトしていった。
97年の本アルバムでも、かなりブルース色の強いサウンドになっている。ジミ・ヘン的弾きまくりでなく、アルバート・キングのようなタメのギター、中音をきかせたボーカル、オルガンを加えたタイトなリズム隊。実にブルーズィだ。大半はトロワーの作品だが、「クロスロード」「スウィート・リトル・エンジェル」「フィール・ソー・バッド」の3曲のカバーがいいスパイスになっている。
きょう聴いていただく「Looking For A True Love」も、アルバート・キング・マナーのツイン・ギターがバッチリ楽しめる佳曲。
ときにトロワー、52才。若い頃のギラギラした感じがうまく枯れて、ブルースがサマになってきたのだ。ブルースマンは50から、とはよくいったものだ。
アルバート・キングやレイ=ヴォーンの路線が好きなかたには、お薦め。キャリアを積んだミュージシャンならではの、味わい深い音に触れてみよう。
45年ロンドン生まれ。クラプトン、ペイジらとほぼ同世代のトロワーは、プロコル・ハルムを経て73年にソロ・デビュー。以来ずっと自分のバンドを率いて35年以上活躍し続けている、超ベテランだ。
彼の人気を決定づけたのは、76年にリリースした「ロビン・トロワー・ライブ!」だろう。このライブ盤で、スタジオ録音を上回るハイテンションなギター・プレイを披露、世のギター小僧どもの度肝を抜いたのだった。
当時の評価としては、「ジミ・ヘンの再来」みたいなギター・テクニック面のものばかりだったように記憶している。
たしかに、フレージングやエフェクトの使いかたは、かなりジミへンライクではあった。でも、ギタープレイ「だけ」に注目が当たるのは、彼にとって不本意なことだったのではなかったかと思う。
なにより彼はバンドのほぼすべての曲を作っていたのだから、もっとコンポーザーとしての面を評価すべきだったのだと思うね。
とはいえ、彼のように、派手に歌いまくるわけでもなく、格別イケメンでもない、地味~なミュージシャンに一躍スポットが当たったというのも、実に興味深い現象だ。まだロックが、ロックということだけで世間の注目を集めていた時代だったから、ともいえる。
当時から「実力派」の評価が高かったトロワーだが、それがウソでなかったのは、35年余りを経て、いまだにプロとして活躍している事実で、十分に証明されているね。
さてこのトロワー氏、キャリアを重ねるとともに、ジミ・ヘンのモロな影響は次第に消えていき、よりルーツ・ミュージックに根ざしたブルース・ロック、ハード・ロックへとシフトしていった。
97年の本アルバムでも、かなりブルース色の強いサウンドになっている。ジミ・ヘン的弾きまくりでなく、アルバート・キングのようなタメのギター、中音をきかせたボーカル、オルガンを加えたタイトなリズム隊。実にブルーズィだ。大半はトロワーの作品だが、「クロスロード」「スウィート・リトル・エンジェル」「フィール・ソー・バッド」の3曲のカバーがいいスパイスになっている。
きょう聴いていただく「Looking For A True Love」も、アルバート・キング・マナーのツイン・ギターがバッチリ楽しめる佳曲。
ときにトロワー、52才。若い頃のギラギラした感じがうまく枯れて、ブルースがサマになってきたのだ。ブルースマンは50から、とはよくいったものだ。
アルバート・キングやレイ=ヴォーンの路線が好きなかたには、お薦め。キャリアを積んだミュージシャンならではの、味わい深い音に触れてみよう。