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音曲日誌「一日一曲」#74 アル・キング「Reconsider Baby」(Blues Master the Complete Sahara & Shirley Recordings)

2023-06-14 05:00:00 | Weblog
2009年4月19日(日)

#74 アル・キング「Reconsider Baby」(Blues Master the Complete Sahara & Shirley Recordings/Forever More)





今年83才を迎えるブルース・シンガー、アル・キング。60年代のレコーディングから、ローウェル・フルスンのカバーを。

アル・キングは、三大キングやらアール・キングやらの影に隠れて、一番ジミなキングといえそうなシンガーだが、なかなかいい味をもっている。

26年、ロサンジェルス州モンロー生まれ。本名はアルヴィン・スミスといい、51年の初録音はこの本名で行っている。

64年にシャーリーに移籍。このアルバムはシャーリーと、それに続くサハラ時代の録音をまとめたものだ。

アルは他のキング達と違ってスタンダップ・ブルースマン、すなわち楽器を弾かないシンガーだ。そのため、他の連中より注目度が低いということなんだろうな。特に日本ではまったく人気がない。ボビー・ブルー・ブランドと同じような憂き目にあっているのだ。

しかし、歌に関しては、他のキングにも負けない実力をもっていると思う。

中音中心の伸びやかな歌声は、非常に説得力がある。ローウェル・フルスンにも通じるところのある、声質だ。

また、バックにも恵まれている。ギターのジョニー・ハーツマン、このひとのプレイが実にカッコいいのだ。

クールでスマートという形容がピッタリのジョニーの演奏は、アル・キングの洒落心のある歌に見事にマッチしている。いかにもウェスト・コースト・ブルースなサウンド。

アルはその後、寡作ながらも音楽活動は続け、98年にもアルバムを出すなど、マイペースでその存在をアピールしている。

チョビ髭をたくわえた小粋なオジさんという感じのアル。他のキングたちとは、ひと味違ったブルースが味わえます。必聴。


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