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音曲日誌「一日一曲」#201 マジック・スリム&ザ・ティアドロップス「Before You Accuse Me」(Rough Dried Woman/Wolf)

2023-10-19 05:24:00 | Weblog
2012年1月29日(日)

#201 マジック・スリム&ザ・ティアドロップス「Before You Accuse Me」(Rough Dried Woman/Wolf)





ベテラン・ブルースマン、マジック・スリム2009年のアルバムより。エラス・マクダニエル、すなわちボ・ディドリーの作品。

以前にマジック・スリムを取り上げたのは2008年4月のことだから、もう4年近くたつのだが、その間にも彼はコンスタントにアルバムをリリースし続け、最新作は2010年の「Raising the Bar」。とても現在74才とは思えぬ精力的な活動ぶりであるね。

そう、マジック・スリムの魅力はまずそのタフネス、パワフルさにある。ボーカルにせよ、ギターにせよ、常に真正面からの押し相撲でグイグイと攻めるタイプ。

ちょっとラフで大味なところさえも、その武器としているのだから、もう最強のブルースマンなんである。

マジック・スリムといえばそのステージネームゆえにどうしてもマジック・サムと混同されやすいが、もともとこの名前、先輩格であったマジック・サムが彼につけてやったものだという。パチモンではなく、いわば本家のお墨付きなのだ。

尊敬する兄貴分、マジック・サムからもらったそのステージ・ネームを、今も変わらず名乗り続けるマジック・スリムには、なんかオトコの義侠心みたいなものを感じちゃうね。

「ブルース渡世人」のおもむきのあるマジック・スリム兄さんの心意気は、きょうの一曲にも、しっかりうかがうことが出来る。

「Before You Accuse Me」はクラプトンやCCRであまりにも有名だが、もともとはボ・ディドリーがオリジナル。ブルースというよりはロックンロールなノリの佳曲だが、マジック・スリムが弾き歌えば、またひと味違って聴こえる。

エルモア・ジェイムズ風、いわゆるブルーム調のイントロで始まるアップテンポのシャッフル。ティアドロップスによるコーラスも交えた力強い歌声が、いかにもマジック・スリムらしい。

愛器ジャガーによるソリッドで高らかなソロも、昔からまったく変わることのないスタイル。時代なんて関係ねえ、2000年代になろうが、俺は俺。常に王道を行くぜ!みたいな感じだ。

歌の中身はどちらかといえばダメオトコ系の話なんだが、マジック・スリムが歌えばみょうに威勢よく、元気が出る歌になってしまうのが可笑しい。

マジック・スリムことモーリス・ホルトの「俺節」、72才のタフな歌声を聴けば、「やるなジジイ、俺たちも負けてられねえぜ」と思うはず。ぜひ聴いてくれ。

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