2012年2月5日(日)
#202 アーロン・ネヴィル&リンダ・ロンシュタット「Don't Know Much」(Cry Like a Rainstorm - Howl Like the Wind/Rhino/Elektra)
#202 アーロン・ネヴィル&リンダ・ロンシュタット「Don't Know Much」(Cry Like a Rainstorm - Howl Like the Wind/Rhino/Elektra)
ネヴィル・ブラザーズの看板ボーカル、アーロン・ネヴィルとベテラン女性シンガー、リンダ・ロンシュタットのデュエット・ナンバー。バリー・マン=トム・スノウ=シンシア・ワイルの作品。
アーロン・ネヴィルとリンダ・ロンシュタット、このふたりは因縁浅からぬ仲だ(別に男女関係って意味じゃないよ)。きっかけはロンシュタットの89年のアルバム「Cry Like a Rainstorm - Howl Like the Wind」にネヴィルがゲスト参加し、きょうの一曲とあと「All My Life」の二曲をデュエットしたことだ。
この二曲がなんと、グラミー賞のベスト・デュオ賞を取ってしまったんである。
これが発端となって、ネヴィルのA&M移籍第一弾アルバム「Warm Your Heart」は、ロンシュタットがプロデュースしている。ロンシュタットの好サポートのおかげで、それまで格別のヒットがなかったアーロン・ネヴィルのソロ活動は軌道に乗ったといえる。
アーロン・ネヴィルといえばなんといっても「天使の歌声」とも称される、その清らかなファルセット・ボイスがウリだ。そのいかつい顔や体つきとはあまりに好対照な、ピュアな歌声に癒される人も多い。
前置きはこのぐらいにして、まずは曲を聴いてみよう。ピアノの静かなイントロに導かれてソフトなネヴィルの歌声が始まり、それに線のはっきりしたロンシュタットの高い声が絡んでいく。そのハーモニーは澄みわたった空のようだ。
曲を提供したのは、バリー・マン、シンシア・ワイル夫妻とトム・スノウ。マン夫妻は60年代以降、数々の大ヒット(「ふられた気持ち」「オン・ブロードウェイ」など)を生み出したタッグで、87年には夫婦揃ってソングライターの殿堂入りも果たしている。
そんな強力なチームから生まれた曲だから、悪いわけがない。佳曲に、最高の歌い手ふたり。グラミー受賞もむべなるかな、である。
ラブバラード・ナンバーの最高峰、ぜひチェックしてみてくれ