2007年11月24日(土)
#17 ゲイリー・ムーア「Long Grey Mare」(Blues For Greeny/Charisma)
#17 ゲイリー・ムーア「Long Grey Mare」(Blues For Greeny/Charisma)
ひさびさ登場のゲイリー・ムーア、今日はこの一曲。
ムーアはハードロック・ギタリストであると同時に、ブリティッシュ・ブルースの担い手の一人でもあることは皆さん、よくご存じだろう。
その彼がもっとも影響を受けたギタリストは、フリートウッド・マックの初代リード・ギタリスト、ピーター・グリーン。(ただレコードを聴いていただけでなく、無名バンド時代、マックの前座をつとめたこともあったそうだ。)
ムーアは黒人のブルースよりも、むしろ白人の解釈によるブルースに、強くインスパイアされたのである。このことが、彼の今日に至るブルースギター・プレイに色濃く出ているように思う。
さて、本曲はムーアがピーター・グリーンへのトリビュートとして95年に発表したアルバム「Blues For Greeny」から。
もちろん、グリーンのマック時代の作品だ。ファースト・アルバム「Peter Green's Fleetwood Mac」に収録。
曲調は、あからさまにハウリン・ウルフの「キリング・フロア」。でもこっちのほうが明らかにビートがモダンであり、ロックであります。
ムーアのソロは、そのタメ具合といい、フレージングといい、当然ながらグリーンのプレイにクリソツだけど、それ以外では、クラプトンやブルームフィールドを思わせる箇所もある。
要するに、白人ブルース・ギタリストの王道とは、こういう路線なんやね。
この曲ではギターのみならず、ムーアの歌がシブくて、なかなかいい。歌も含めてのピーターへのオマージュといえそうだ。
ムーアの人並みはずれた才能も、やはり、グリ-ンの神がかったプレイを身近に聴いて初めて生み出されたもの。
ということで、天才は過去となんらつながりなく、いきなり生まれるわけではない。
それはム-アに限らず、クラプトン、ジミヘン、ベックなど、どの天才にもいえること。
先人を侮るなかれ、そゆことであります。