NEST OF BLUESMANIA

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音盤日誌「一日一枚」#378 ROBERT PALMER「プレッシャー・ドロップ」(Island P32D-25019)

2022-11-27 05:00:00 | Weblog
2022年11月27日(日)



#378 ROBERT PALMER「プレッシャー・ドロップ」(Island P32D-25019)

英国のシンガー、ロバート・パーマーのセカンド・アルバム。75年リリース。スティーブ・スミスによるプロデュース。

パーマーは49年生まれ。R&Bバンド、ヴィネガー・ジョーのボーカリストとして72年、アイランド・レコードよりデビュー。バンドは売れなかったが、歌いぶりを認められて74年同レーベルよりソロデビュー。

このセカンド・アルバムで日本でも少しずつリスナーが増えて来た。というのは、バックミュージシャンが当時5枚目のアルバムを出して人気が出て来た米国のロック・バンド、リトル・フィートだっだからだ。

この取り合わせが実によかった。まさにプロデュースの勝利。

リトル・フィートの引き出しの広いサウンドのおかげで、パーマーも自由闊達に自分の個性を表現出来たからだ。

パーマーはソングライターでもあり、本アルバムも9曲中6曲は自作曲である。他にはニューオリンズのシンガー、アラン・トゥーサン作の「Riverboat」、フィートのギタリスト、ローウェル・ジョージ作の「Trouble」、そしてアルバム・タイトル・チューン「Pressure Drop」はレゲエ・バンド、トゥーツ&メイタルズのカバーである。

セカンド・ラインを基調に、レゲエ、ファンク、ディスコ・ビートなどさまざまなサウンドを取り上げているが、基本はソウル。パーマーのちょっと塩辛い声が、耳に心地いい。

個人的に好きな曲は「Dexie Chicken」の裏バージョンぽい「Trouble」かな。ノリノリのピートで、思わず身体が動いてしまう。「Fun Time」のゆったりリラックス感も最高。

名ベーシスト、ジェイムズ・ジェマーソンもラストの「Which of us is the fool」で参加しているが、これまた文句なしに気持ちいいベースラインでリスナーを恍惚境に運んでくれる。

後ろ姿のヌード女性を前にうつむくパーマー。このアルバム・ジャケット写真も秀逸だな。快楽主義者なパーマーの実生活まんまかな?と思わせて、ニヤニヤしてしまう。

「音を聴くこと」の快感を思い知らされる、一枚。

五十年近く経とうが、その魅力はいささかも色褪せてはいないのだ。

<独断評価>★★★★


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